山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

御坂山塊に咲くツレサギソウ属の花  平成26年7月28日

2014年07月30日 | 御坂・毛無・天子山系
 もう時期的に遅いかもしれないが、今季最後の紫の蝶舞う花を見に行こうと思っていたところ、山花仲間からメールが入った。御坂山塊の某所に変わった花が咲いているという。中腹はもう終わっているが山頂近くは満開らしい。ならばそちらへ、ということで急遽目的地変更して御坂の山に向かう。

 レンゲショウマを見ながら登って行くと、もう咲いているものもあった。しかし、昨年よりも途中の森の中がなにか草が減ってスカスカになったような違和感を感じる。登山道脇を良く見てみれば、ショウマ類の葉と思われる草に鹿の食害の跡が多数見られた。これからだという時にだいぶ鹿の被害に遭っているようだ。


    レンゲショウマはほとんどが蕾。


    もう咲いているものも少数見かけられた。


    こちらは咲き始めたシュロソウ


    草が減ったような違和感を感じていたが、鹿の食害跡が多数あった。


    ハクサンフウロも少ない。

 山頂近くの草地の中を探すと、白くて目立つその花は容易に見つけることができた。昨年のこの季節に、この近くの山でもう少し小さな株の花を数株みつけたが、その時もとうとうこの花の正体はわからずじまいだった。


    白いサギかトンボが飛ぶようなこの花、やや背が高くて目立つ。


    果たしてこの花の正体は??


    まだ開花していない別の株。


    長く真直ぐ伸びた距(尾の部分)はキソチドリとは違う。

 ツレサギソウかヤマサギソウのいずれかと思われ、図鑑を調べてみると、ツレサギソウの葉は狭長楕円形で鋭頭なのにに対し、ヤマサギソウは線状長楕円形と書かれている。さらに、ツレサギソウは唇弁の基部の両側に突起があり、ツレサギソウ属の中では異色であるとも書かれている。そこで、葉の形態と接写した花の形を良く見てみると、葉の先端は尖っておらず、唇弁の基部には突起が無い。おそらくこれはヤマサギソウであろうと思われる。


    花の接写写真。唇弁(舌のように下に垂れ下がっている部分)の基部に突起は無い。この花の正体はおそらくヤマサギソウ。

 花を正面から見るとクリオネに似ており、「草原のクリオネ」とも呼ばれているそうである。同定が間違っているかも知れないので、詳しい方がいたら教えていただきたい。


 さて、広場で休憩して下山だ。別ルートを下りてみると、そちら側はレンゲショウマがたくさんあり、ちらほらと咲き始めていた。8月中旬、おそらくは見頃を迎えて楽しませてくれることだろう。


    ?


    クガイソウ


    フシグロセンノウはまだこれから。


    レンゲショウマの蕾。こちら側のルートのほうが多い。


    咲き始めたレンゲショウマ


    同上。
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富士山麓樹海の森偵察 平成26年7月27日

2014年07月30日 | 番外編
 折角購入したGPSだが、まともに稼働したのは1回のみでザックの中に眠ったまま。まだ使い方もよくわからない。今回行くのは一歩間違えば森の中を彷徨い続け脱出できなくなるかもしれない樹海の中。というのは大げさで、林道が縦横無尽に走る富士山はよほど変な場所に入り込まなければ、おそらくはどこかの林道に脱出できると思っている。しかし、安全に歩くためにはGPSを持っていたほうが安心・確実であることは間違いない。昨年は花見隊で精進湖登山道を3合目あたりまで歩いたが、今回はもう少し奥の方を少しだけ探索してみたいと思う。


    昨年見つけたクモキリソウ。もう花は終わっている。


    ミヤマウズラはまだ葉っぱだけ。


    おそらくこれは散ってしまったウメガサソウ。


    林道の途中から見る夏富士。


    富士山に咲いているが、おそらくこれはフジイバラでは無くてノイバラ。

 林道を進んで道路脇のスペースに車を止めて森の中に入ってみると、そこは苔の生した森が広がる。足元には苔の間から綺麗な縞模様の入った葉がたくさん出ている。標高は1,700mを超えているので、ここに咲くのはヒメミヤマウズラだろう。


    ヒメミヤマウズラの葉。


    苔の間からたくさん葉を出している。


    咲き残っていたイチヤクソウ

 GPS片手にいよいよ樹海の中に入り込んでみる。目指すのは夏の終わり頃に寅キチ乱舞することで一部のマニアに知られている場所だ。一部踏み跡らしきものがあるが、おそらくは獣道だろう。苔の生えた倒木が多数横たわる森の中は、登るにはさほど難しく無いが下りは方向を見失いそうだ。GPSで方向を確かめながら、歩き易そうな場所を探して目的地に進む。


    樹海の中に入る。苔の生した倒木がたくさん。


    方向を見失いそうな森の中。


    食ったら死にそー。


    これは食べられそう。調べてみると、フジウスタケというキノコで、しっかり加熱すれば食べられるらしいが、食べないほうが無難なようだ。


    クロハツ?と思ったが違うようで、コゲイロハツタケというものだと思う。キノコ探しに来たわけではないが、見つけるのはキノコばかり。


    花芽を出しているヒメミヤマウズラ。


    たくさん生えているので、踏まないように足元を気をつけながら進む。


    立ち枯れの山頂。


    ヒヨドリバナがたくさん咲く。


    立ち枯れの空


    ?

 山頂で軽食をとって休憩し、周辺の森を散策してみる。噴火口様の窪地があり、その周りを歩いていると、休憩した山頂にまた戻ってしまう。窪地の中に下りてみると立ち枯れの倒木がたくさんあり、炭火の跡があってどうやらここで炭焼きが行われていたようだ。


    フジアザミの生える土の斜面


    窪地の中は倒木だらけ。


    倒木の下に咲いていた花


    ? 櫛形山でも発見した。


    山頂付近の森の中はもうすぐ咲きそうなヒメミヤマウズラ。


    ヒメミヤマウズラ

 GPS確認しながら、真直ぐに車を止めた場所に下りる。機能はまだ全く使いこなせていないが、地図の見方だけは慣れてきた。歩行時間は3時間ほど、この程度ならば問題無さそうだ。


    林道脇の斜面にはトリアシショウマがたくさん咲いていた。


    こちらはキリンソウ(ホソバノキリンソウ)。

 次は8月下旬か9月初旬にこのあたりを訪れてみたいと思っている。今年見たい花No.2のものだけに、出会えると良いのだが・・・。
コメント (4)
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