山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ダイヤモンドな夕暮れ 高指山  平成27年2月12日

2015年02月16日 | 山梨無名山
 ダイヤモンド富士の撮影に何度か訪れている高指山だが、夕暮れ時のこの界隈はなかなかすっきりと晴れてくれず、満足なものは撮れていない。実は前日の大野山の帰りに登山道を短絡して中腹の別荘地の奥まで車で乗り付け、ダイヤにはギリギリ間に合う時間に出発できたのだが、あまりに霞んで見える富士山と、短絡して山に登るうらめたさがあって止めている。本日も中心から少し右にずれるものの、ダイヤモンド富士の撮影は可能だが、問題なのは空気が澄んでくれるかどうか?山中湖平野のライブカメラで見ると大きな雲がたなびいているが、飛んでくれそうだ。この日を逃すとこの山の冬のダイヤは来年に持ち越しになってしまうので、行ってみることにした。

 午後3時半、登山口近くの空き地に到着。倉庫の駐車場と思われるが、除雪されておらず、使っている様子が無いので車を止めさせてもらう。山頂までは1時間かからないだろうから、4時45分ごろのダイヤの時間には余裕で間に合うはずだ。


    空地に雪を踏んで車を止め、出発。少し雲が多いが、たぶんダイヤが見られるだろう。


    別荘地脇の道は若干雪があるが、アイゼンは不要。


    見えて来た高指山山頂。


    このあたりでも撮れるのだが、山中湖の位置が悪い。


    山頂まであと少し。冬の雰囲気を出すために雪を入れて撮りたいが、あまり雪が無い。


    山頂到着。4時20分。


    山頂からの富士山。ここでも良いのだが、雪の踏み跡がいまひとつ。

 イメージしているのは雪原の向こうに見える山中湖とダイヤモンド富士なのだが、あまり雪が無く踏み跡がついてしまっている。良さそうな場所を探して三脚を立て、カメラを構える。山頂からたなびいていた雲は次第に晴れ、すっきりとした富士山が姿を現していた。


    雪原を入れてこんな感じで撮ってみたいと思う。


    雪原を照らすダイヤモンド  もう少し雪が欲しかった。


    夕暮れにしては霞が少なく、上出来のダイヤモンド富士。


    夕暮れの山中湖とダイヤモンド富士


    この頃になるともはや雪原を照らすには光が足りない。


    最後の輝き


    夕暮れの富士山

 思っていた以上に良い夕暮れになった。さて、時間は5時。これだけ空気が澄んでくれるとこのまま下山するのはもったいない。夕方6時ごろには金星が輝き出すはずだ。まだ1時間ほどあるので、以前から眺望を確かめに行きたかった菰釣山側にある隣のピークまで行ってみることにした。地図には山の名前が書いていなかったが、「富士岬平」というロマンチックな名前がついているらしい。片道20分ほど、往復と休憩時間を入れて1時間ほどだろう。


    鉄塔の脇を通る。


    一旦下ってまた登り返す。


    富士岬平山頂。


    ここからの富士山の眺望もなかなか良い。


    ずっと見ていても飽きることの無い美しい夕暮れの空と富士山。


    高指山から鉄砲木の頭、三国山へと続く稜線。夕暮れの空にアースシャドウが棚引く。

 美しい夕暮れにすっかり酔った後、高指山に戻る。予定通り、6時少し前に到着すると、宵の空に金星が輝き始めていた。都合良いことに、今日が平日のためか飛行機があまり飛んでいない。いつも邪魔になる飛行機雲が全く無いのも珍しい。


    宵の明星 金星が輝き始めた。


    雲が晴れ、澄んだすっきりとした夕空が広がった。


    金星輝く山中の夕暮れ


    三脚を担いで撮り歩きながら下山。


    金星輝く夕暮れの富士山と山中湖

    この界隈の夕暮れでは本日が最も空気が澄んでくれた。十分過ぎるほど楽しませてくれた高指山に感謝したい。
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富士山と赤いオリオン座大星雲は同時撮影出来るのか? 星空撮影テスト in 精進湖  平成27年2月11日

2015年02月16日 | 星空
 簡易追尾装置ナノ・トラッカーに加えて極軸合わせのためにコンパスアングルプレートなるものを新たに取り揃えた。これは写ってくれない彗星の尻尾を撮影するために取り揃えたものだが、いろいろ心配なこともある。ひとつは、もともとナノ・トラッカーは広角レンズに使用するのを前提として造られたもので、望遠レンズに使うにはズレが生じる可能性があること、Eos7Dに200mm望遠レンズを装着すると荷重重量を越えてしまい、正常に追尾してくれないかもしれないこと、さらに一番の心配は、初めて山中湖湖畔で使用した時に誤って落としてしまい、外装の一部を破損したこと。回転盤が少しガタつくようになってしまっている。

 なかなか甲府の空はすっきりと晴れてくれず、使う機会が無かったのだが、この日の夕方は空が晴れてオリオン座がくっきりと見えていた。これならばいけそうだ。夜7時ごろから精進湖の湖畔で装備をセットしてカメラを構える。しかし、次第に雲が広がり始めてしまう。


    上九の湯から見上げた空は雲ひとつない澄んだ空に見えたが、精進湖まで来ると富士山は霞んでいた。


    レンズ40mm焦点で8秒露出、Iso6400の画像。この程度の露出ならば星はあまり流れない。


    こちらはナノ・トラッカーで追尾30秒、Iso1600の画像。星の輝きはこちらのほうが遥かに美しい。白い筋は人工衛星。

 まずまずの画像が得られたので満足していたが、200mm望遠レンズを装着してみると全くダメなことがわかる。


    オリオン座三つ星と大星雲を入れた構図で45秒間追尾。完全に星が流れてしまっている。

 自宅前で同じ条件で撮影した時はこれほどまでに星は流れなかった。おそらくは落下させた時の衝撃で回転盤のギヤを損傷した可能性が高い。買ったばかりだが、さっそく修理が必要になりそうだ。

 やってみたかったのがもうひとつ。富士山の上を舞う彗星の撮影は何度も行っているが、ではあの赤いオリオン座大星雲を富士山と一緒に写し込むことは可能だろうか?200mmレンズの視野で捉えられそうな場所は既にシュミレーションしてあるが、その前にテスト撮影しておきたい。


    200mm f2.8 2.5sec, Iso6400で捉えた富士山。WB:色温度4000


    同じ条件で捉えたオリオン座大星雲。WB:色温度4800。 2.5秒露出ならばあまり流れずに大星雲を撮影できる。

 上2枚の画像の違いはホワイトバランスだけなので撮影するのは可能だろう。しかし、赤い星の色を出そうとすると富士山が赤茶色になってしまい、富士山の自然な色を出そうとすると大星雲の赤さが消えてしまうという難しさがありそうだ。

 冬の空気が澄んでいる間に、撮影に出かけてみたいと思う。
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