山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

割れる月光ダイヤモンド富士の撮影に挑む 猪之頭  平成29年2月12日

2017年02月13日 | 星空
 昨日の夕暮れパールは失敗したが今朝のパール富士は大成功、これで十分に満足だったのだが、昨日の失敗したパールが心にひっかかっていた。このまま失敗したままでは終われない。今回を逃すとまた1ヶ月先になり、晴れる保証も無い。職場に戻ってパソコンに向かい、本日の月の昇る位置をカシミール3Dで計算する。太陽と違い、気まぐれな月は昇って来る位置が1日で何百メートルも移動し、しかも時間が1時間ほど遅くなる。本日は富士宮道路沿いは樹林の中で展望得られず、猪之頭の農道沿いならば撮影が可能かも知れない。しかしそこは立ち寄ったことが無い場所、確実に展望があるかどうかもわからない場所だ。しかも未明2時半から起きているのでかなり眠い。

 富士山ライブカメラをチェックすると夕方5時の時点では山頂に雲が巻いているが確実に小さくなりつつある。富士山頂に月が現われる午後7時40分ごろには晴れている可能性がきわめて高い。眠気覚ましにリポビタンゴールドを飲んで出陣する。


    こちらは200㎜コ・ボーグ。六角形の光芒が出るように絞りを改造してある。剣ヶ峰が輝き出し、もうすぐ月の出。


    こちらはボーグ300㎜にエクステンダー2倍を装着し、600㎜で月光ティアラを狙う。八角形の光芒が出るように絞りを改造。


    出た!が、予想していたよりも右から出た。


    月は出たが、残念ながらこの撮影設定では八角形の光芒が出なかった。Borg67FL(300mm F4.5)+Extender×2, Iso3600, 3.2sec, 改造絞り使用


    次のカット。シャッタースピード3.2秒ではティアラは最大で2カットしか撮れない計算になる。これ以上シャッタースピードを長くは出来ない。


    もう1台のコ・ボーグは一応割れているように見えなくもない。 200mm f5.6, 3.2sec, 改造絞り使用


    立ち位置次第で割れたと思う。左の光跡は飛行機。

 ここで剣ヶ峰の裏側に昇る月と剣ヶ峰のシルエットを撮影するため、片方の三脚とカメラを持って40mほどダッシュして位置を移動、急いで三脚をセットしてシャッターを切る。こんなことをするならば、サンダルじゃなくて靴に履き変えておくんだった。


    ダッシュして位置を変えて剣ヶ峰と月を撮る。しかし、焦って完全に露出オーバー。


    Iso感度とシャッタースピードを調整して再写。しかしスローシャッターは免れず、画像が若干ブレてしまう。    
    

    もう1カット、その時にはもう月は剣ヶ峰から外れている。

 さらに20mほどダッシュしてカメラを構えたが、その時にはもう月は富士山から離れてしまっていた。

 課題山積みの割れる月光ダイヤモンド、さらに月光ティアラ撮影、1度や2度でうまく撮れるとは鼻から思ってはいないが、まずカメラの設定とレンズの絞り改造に工夫が必要である。Iso3200、シャッタースピード3.2秒では明らかにシャッタースピードが遅すぎる。出来れば1秒くらいで切りたいが、そうするにはノイズが出るのを覚悟でIso感度を6400まで上げるか、あるいは改造絞りをもう少し開けるかの工夫が必要となる。どのくらいでベストな撮影が可能となるかはこれからデータを積み重ねて解析して考えなければならない。うまく撮れるのかどうかも全くわからない状態ではあるのだが、このようにいろいろと考えながら撮影に臨むことはこのうえない楽しさがある。        
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紅色に染まるパール富士 矢倉岳  平成29年2月12日

2017年02月13日 | 圏外編
 この日の矢倉岳パール富士は計算上は日の出から5~10分後に月が富士山に沈んで行く絶好の時間帯で、天候が良ければ紅富士が期待できる。仲間を誘って出かけることとなった。

 前日の夕方はパール富士の撮影に失敗して少しばかり気分がへこんだが、夜8時ごろにはすっかり雲が晴れて月光に照らされた富士山が浮かび上がっていた。足柄サービスエリアで車中泊するつもりで立ち寄り、夕食を済ませコンビニに立ち寄って明日の食料を買い込む。ふと見ればその横に銭湯があった。中に入ってみるとさらに驚いたことに宿泊施設(ホテル)が併設されていた。フロントで料金を聞くと、5時間までだと3,000円、1泊だと6,000円だと言う。どうせ未明2時半に出発だから、5時間でちょうど良い。部屋も空いていたのでこのホテルに泊まらせていただくことにした。

 未明2時半に起床して4時前に矢倉岳登山口の万葉公園駐車場に到着した。のぞむ先生のものと思わしき車が止まっており、一旦はその脇に車を止めたが、まだ寝ていると邪魔になるかと思い隣の駐車場に移動して支度を整える。コースタイムは1時間10分ほどらしいが、荷物が重いうえに歩いたことが無い道、かつ雪もあり、途中の撮影時間も考慮すると2時間は見ておいたほうが良い。準備が整い出発しようとすると、先ほどの車からのぞむ先生が起きてきた。ちょうど私に電話をしようと思っていたところらしい。鈍足の私は4時過ぎに一足先に出発させてもらう。


    途中から見る月光の矢倉岳。思ったよりも遠くに見える。しかも、ここからかなり下って登り返しになっている。


    矢倉岳中腹から見る月と富士山。雲ひとつない好天、この時点で本日のパール富士はいただき、と確信。


    矢倉岳直下の展望地から見る富士山。下の尾根が若干邪魔になるものの、まずまずの高度感。


    山頂到着は6時10分ごろ。ほぼ予定の2時間だった。もう明るくなってきており、この頃にはヘッドライトは不要になる。


    夜明けの相模湾。山頂では既に4~5人のカメラマンがスタンバイしていた。

 ポジションは山頂の矢倉の上がベストかと思っていたが、矢倉は撤去されていて立っていなかった。山頂でも良いのだが、ここからでは折角の御殿場の町灯りが見えない。登山道を少し戻って町灯りが見える位置まで移動して、そこで2台のカメラをセットする。折角担ぎ上げたボーグ300㎜レンズだったが、パールになる山頂だけ切り抜くよりもこの高度感を生かしてやや広角気味の撮影のほうが良いと考え、この日のボーグレンズの出番は無かった。


    御殿場の町灯りが見下ろせる位置でカメラをセットする。しかし、もう明るくなっていて、町灯りはほとんど消えている。


    綺麗なアースシャドウが出た。富士山頂にはもう朝日が当たり始めている。


    その少し前の時間。アースシャドウの富士山と月。


    朝日に染まる富士山頂と月。感動的な景色が広がった。


    同上。月は山頂から外れているが、これだけの景色が見られれば十分。


    紅富士と月


    パール紅富士  真ん中からは外れたが、これだけ綺麗に染まった富士山と月を見るのは初めてだ。


    同上。


    富士山頂に月が沈んで行く。

 実に感動的な景色だった。腹いっぱい、という気分だった。朝霧高原から見るパール富士も悪くは無いのだがこのような満足感を得ることは出来ない。低山とはいえ、やはり山の上からの景色は最高である。このような景色に出会えるからこそ、何度失敗してもまた山に登るのである。


    本日は大成功!山頂でポーズ。

 腹いっぱいで下山したが、例のごとくガスト山に立ち寄り、今度は本当に腹を満たしながら次回の作戦会議を行った。次回3月のパールはさらに距離を離してさらに難しい撮影に挑むが・・・晴れてくれることを祈る。
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完全失敗 朝霧高原のパール富士  平成29年2月11日

2017年02月13日 | 番外編
 本命は翌朝のパール富士で、夕方箱根まで移動する予定であるが、その前に夕暮れのパール富士を撮影してから出かけようという魂胆だった。しかし、富士山ライブカメラ映像を見る限りでは富士山には雲がまとわりついていて、姿を現す公算は低い。かつ、ボーグレンズの改造絞りを昨日の田貫湖パール富士撮影の際に正常な状態に戻したため、再度改造絞りに細工する際に誤って絞り羽根を破損してしまい、その修理に多大な時間を要してしまい、出発時間が遅れてしまった。目的地は昨日と同じく田貫湖だが、対岸の位置である。

 朝霧高原から見上げた富士山はまだ雲が巻いていて姿を現しそうもない。田貫湖の近くまで行ってみたがやはり富士山は中腹から上に雲が巻いていて山頂は見えそうも無く、あきらめて富士宮道路に戻って東名高速のインターに向かう。ところが、まかいの牧場で富士山を振り返ると、雲が晴れ始めて剣ヶ峰が見えてきた。しかし、もはや田貫湖まで戻る間に月が昇ってしまう。道を戻って、剣ヶ峰から月が昇って来そうな場所を勘で探して三脚を立てる。5分ほどで月の出を迎えたが・・・。


    15分前までは雲が巻いて見えなかった剣ヶ峰が見えるようになってきた。雲の光り方と自身の勘で、剣ヶ峰から月が出るのはこのあたりだろうと山を張って三脚を立てる。


    剣ヶ峰の周辺が輝き出し、良し!と思ったが・・・


    月が出たのは剣ヶ峰から右に外れた位置。完全に外した。


    残念。本日のパールは失敗。


    富士山の全容が写らずとも月光に剣ヶ峰のシルエットが映れば絵になると思ったが、GPS位置登録無しで勘で撮るのは難しい。


    富士山から月が離れて行く。


    雲で減光されて月の紋様が少し見える。

 この日はすっかり日が暮れた午後6時40分過ぎに富士山頂付近に月が昇って来るため、富士山の姿を見せながら月を撮ると月の光は拡散してしまい、ダイヤモンドパール富士になってしまう。月の紋様が現われるように撮影すると富士山の姿は真っ黒になってしまうので今回狙ったのは剣ヶ峰の真裏に月を出して月の中に剣ヶ峰の建物がシルエットとして映るパールだったのだが、位置が完全に狂ってしまった。やはりこのような撮影はGPSに頼らないと難しいことがわかる。

 明朝の同じ月が富士山に沈んで行く光景を思い浮かべながら、箱根に向かって移動する。



        
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