山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キンキラキンらん保護作戦 甲府市の里山へ  平成29年5月4日・5日

2017年05月06日 | 番外編
 年々数を減らし続けていて消滅の危機にある甲府市の里山に自生するキンキラキンらん、まだ数はあるものの、ギンギラギンらんも目に見えて数が減っている。盗掘も然ることながら、動物の食害と環境の変化も大きく関与しているように思う。4月下旬にエビネの様子を見に行った時に見つけた一株がずっと気になっていて、囲って保護してやろうとずっと考えていた。茅ヶ岳から下山し、まだ日没には時間があったので園芸用の保護柵を持って現地を訪れてみた。


    例年よりだいぶ遅れてようやく咲き出した大輪の白花。


    ギンギラギンらんも目に見えて数が減っている。盗掘とは思えない。


    4月下旬に見つけたキンキラキンらんの場所を訪れると・・・嬉しい悲鳴、分裂して2株になっていた。忍者か、はたまたバルタン星人か?


    何が悲鳴かというと、一株だけのつもりで柵を持って行ったので・・・


    2株囲うには大きさが足りない。

 どうやらもう一株蕾だったものがあったようで、今回持って行った柵では囲い切れなかった。仕切り直しだ。

 帰り際にふと笹薮の中を見ると・・・あれま~、こんなところにも隠れていた。私たちも囲ってくれって~? しょうがない、一緒にやることにしよう。さらに進むと、もう1本笹に飲み込まれそうになりながら咲いている。さらには、3~4年前に咲いているのを見てからは何年も姿を見せていなかった株が突然花を咲かせていた。


    近くに咲いていた2株


    さらに笹に飲み込まれそうになりながらもう1株、別の場所にももう1株。

 守ってくれと言わんばかりに次々と姿を現すキンキラキンたち、まとめて面倒見ることにして、さっそくホームセンターに行って機材を買い込み、花仲間に連絡して明日の午後から作業を行うことにする。


    機材を揃えて、花仲間3人でいざ出陣。


    3~4年前に見てからは葉も確認出来なかった場所に突然咲いた。盗掘されたのではなかったようだ。金網の柵で囲ってあげた。


    花が開いているところを見るのはおそらく今回が初めて。風で首を振ってなかなか記念撮影させてくれない。


    人避けと食害避けのためネット設置する。今回のモデルさん、なかなかの名演技でした。


    笹に囲まれつつあるこちらの株は周辺の笹を刈り払ってから保護ネットを設置。


    元気に育って、大分身の術を見せてください。

 在り処を示しているだけのようにも見えてしまう保護ネットだが、このまま何もしなければ消滅して行くのは目に見えている。この方法が正しいのかどうか、判断するのは現在の私たちでは無くて100年後の花たちだと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の花咲く茅ヶ岳  平成29年5月4日

2017年05月06日 | 花・花・花
 今回の目的は保護ネットの設置だったが、春を迎えてスミレをはじめとする花が咲き出した茅ヶ岳の春も同時に満喫してきた。


    ミツバツツジが見ごろを迎えていた。


    こんな岩の隙間にアカネスミレ


    アケボノスミレがたくさん。


    色黒のアケボノ兄弟


    ヒゴスミレは以前とは場所を変えて咲いていた。


    ヒゴスミレ。数は少ない。


    色の良いエイザンスミレ


    紅花のセンボンヤリ


    フデリンドウもたくさん咲き始めた。


    ヒメスミレサイシン。これもこの山ではレアもの。


    山頂直下にもヒメスミレサイシンが咲いていた。


    保護ネット張りの作業を終えてから山頂に行く。人気の山だけあって人がたくさん。


    金ヶ岳と八ヶ岳。

 保護ネット張りの作業を終えて1時ごろに山頂に到着した。天候に恵まれた連休の茅ヶ岳山頂だけあってたくさんの人が休憩中だった。写真だけ撮って休憩せずにそのまま女岩側に下山する。


    深田祭が行われたばかりで、花束と好物だったあんぱんが供えてあった。


    こちら側の斜面はエイザンスミレがたくさん咲く。


    赤紫色のエイザンスミレ。


    こちらはヒナスミレ。満開を少し過ぎていた。


    ヤマエンゴサク


    ピンク色のニリンソウ


    コガネネコノメソウ。だいぶ数を減らしていると思ったのだが・・・


    樹林帯の中に入ってみると林床に大群落が形成されていた。


    エイザンスミレと・・・??


    何これ?花はゲンジ似だが葉っぱはマルバスミレのようだが?? 良~く見てみれば、花弁がピンク色のマルバスミレ。


    こちらが普通のマルバスミレ。


    キケマン

 花咲く春の茅ヶ岳を満喫しながら、登り以上に下山に時間をかけて周回してきた。今年は雨が少なくいちだんと山肌が乾燥してしまっていて、植生に影響が出るのではないかと心配ではあるが、それ以上に深刻な鹿の食害からなんとか花が守れないものかと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする