山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

オキナグサ保護作戦、その成否は? 茅ヶ岳  平成29年5月21日

2017年05月22日 | 番外編
 オキナグサ保護のために保護柵を設置して約2週間が過ぎた。先週無事に開花したという報告を受けたので、今頃はそろそろ満開か、少し過ぎた頃だろう。果たしてこの保護作戦はうまく行っているのか?素人の我々が設置しただけに柵の強度に不安があり、倒れたり破損したりしていないだろうか?鹿の仕業ならばこの柵で大丈夫なはず、しかしもしウサギなどの小動物の仕業だとすると、10㎝角の升目のネットでは網目をすり抜けられてしまう。結果を確かめに茅ヶ岳に行く。


    アカネスミレはまだ咲いていた。


    同じ紫の花だが、こちらは葉が長く立っており、普通のスミレ。


    咲き残っていたアケボノスミレ


    ワダソウももう終わりで、少しだけ咲き残っていた。


    ツクバキンモンソウは咲き始めだが、小さな株ばかり。

 約2時間ほどで柵を設置した現地に到着した。破損は無く保護柵はしっかりと立っていた。中を覗いてみると・・・咲いている。


    しっかりと立っていた保護柵。


    花数は多く無いが、しっかりと咲いてくれたオキナグサ。昨年はひとつも花を咲かせることなく全て食われただけに、感激である。


    茅ヶ岳のオキナグサ。


    面白いことに、ツン立ちして咲くこの場所のオキナグサ。


    200㎜望遠レンズだとこのくらいアップで撮影できる。


    網の外に顔を出している元気な株もあった。


    花の咲いていない場所は食われていないかチェックする。食害は皆無である。

 オキナグサ保護作戦は見事に功を奏したようで、食害は全く観察されず、花を咲かせてくれた。前年の食害のダメージがあるのか、花数はあまり多くないが、きっちりと花を咲かせてくれれば、きっとそのうちもっとたくさん花を咲かせてくれると信じている。ひとまずは保護作戦、成功である。
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サル顔の花が咲く森へ 京都府北部の山  平成29年5月20日

2017年05月22日 | 圏外編
 関西出張の帰り道、京都府の北部にある山に立ち寄らせていただいた。おそらくこの界隈に未だ見たことが無い貴重な花があるらしい。運が良ければ出会えるかも知れない。

 登山口に最も近い道の駅の到着したのが午後9時半、速攻で寝ようとするが寝付けず、11時ごろに寝て朝4時半に起床、登山口に移動して朝6時から歩き始める。長い稜線を歩いてずっと奥深い森まで行く予定である。


    足元にはイワウチワの葉があちらこちらに生えている。


    木の上を見上げればヤドリギがたくさん。


    この森には見事なスギの巨木が散在している。足元が空洞化しているスギの巨木。


    別の木と融合しているスギの大木。


    これはエビネの葉だろうか?この界隈ではこの1株しか見つからなかった。


    この山も相当な鹿の食害に遭っているようだ。一面バイケイソウの森。


    花の色がピンク色に近く、ヒナスミレかと思ったが・・・


    どうやらこれはシハイスミレらしい。

 4~5時間ほど歩いた森の奥深い林床に見たかったサル顔の花がひっそりと咲いていた。


    なんとか出会うことが出来た。


    スギと雑木林が入り混じる林床にひっそりと咲いていたサル顔のエビネ。


    しかしこのエビネ、葉を良く見ると何枚か食われた痕跡がある。きわめて危険な状態に置かれている。


    こちらの株は元気いっぱい。


    奇妙な形をしているが美しい花。サル顔と言うには花に失礼な気もする。

 株数は少なかったがなんとか見たかった花に出会うことが出来た。盗掘も然ることながら、動物にも狙われているこの花、もしもここが山梨県だったならば、即刻保護ネットで囲いに行くところだろう。近年減少が著しいと聞くこの花、これからも咲き続けてくれることを願う。

 山梨県でもかつてはこのサル顔のエビネが咲いていたらしいが、野生絶滅している可能性が高い。しかし、人が近寄らない奥深い山の中や谷の源頭あたりには、ひょっとしたらまだ生き続けているかも知れない。可能性があるならば、いつか探索に出かけてみたいと思う。

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