山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山梨県県南部のランを廻る  平成31年2月11日

2019年02月13日 | 花・花・花
 今年見たい花の中にコクランというラン科の植物を上げていた。南方系のランなので山梨県では南部町を中心とする県南部に生育しているはずである。山梨県絶滅危惧種ⅠA類からⅠB類に変更となり群生している場所も確認されているらしい。生育場所の情報も生育している環境の情報も全く持ち合わせていなかったのだが、昨年の秋ごろから県南部の着生ランを中心に調査を行っていた花仲間からコクランがあったという情報をいただいた。さらにはまず見つからないだろうと思っていた着生ランまで探してきたという。電話で場所を尋ねたところ、もうすぐ下山するので午後から案内してくれるとのことだ。頼もしい仲間のおかげで労せずに今年のテーマの植物に出会うことが出来る。中部横断道路が六郷町まで延びてくれたおかげで県南部への遠征もだいぶし易くなった。


    案内していただいた竹藪の中。コクランの葉。


    足元に注意しないと踏んでしまいそうなくらいにたくさんのコクランに出会うことが出来た。


    こちらはまだ山梨県レッドデータブックに登録されていない花。


    種の散った後。おそらく秋に咲くヤツシロランだろう。

 さらに着生ランの生育する場所を何ヶ所か案内していただいた。よほど山の中か川沿いの難しい場所では無いかと想像していたのだが、以外にも周辺には民家がある場所だった。


    ムギラン。木の幹に深い溝があり、おそらくは榧(カヤ)の木と思われる。


    同じ木の別の場所。


    別の場所。同じく榧の木と思われる。


    比較的近い場所で観察が出来た。


    ズーム。


    さらにトリーミング。バルブ(偽球茎)の他に種が散った後の殻のようなものが見える。小さくてなかなか観察しにくい花なので花期にまた見に来てみたい。

 そしてさらに、見つけるのは至難の業だろうと思っていた着生ランを案内していただいた。話を聞いた当初は移植したものではないかと疑っていたのだが生育している状況から見て天然のものと思われる。


    柿の木に着生していたラン。一見するとノキシノブと見間違えてしまうこの着生ランをよくぞ見つけたものである。


    同じく柿の木に着生していたラン。


    こちらは枝垂桜に着生していた同じ着生ラン。


    ズーム


    別の場所でこちらも枝垂桜に着生していたもの。花柄がまだ残っている。肉厚の三角形のやや尖った葉先の形から見て、フ・ウ・ラ・ンと見て間違いないだろう。

 花仲間2人で廻り歩いてこれらの植物を探し出してきたそうだ。よくぞこの短期間でこれだけの場所を廻り稀少な植物を探し出してきたものである。目の良さだけでなく特殊な勘、というか感覚の持ち主なのではないかと思う。花の咲く時期が待ち遠しい。

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霧氷を期待したが・・・明野から金ヶ岳・茅ヶ岳を周回(後編)  平成31年2月10日

2019年02月13日 | 山梨無名山
 金ヶ岳山頂で大休憩して茅ヶ岳に向かって出発したのは10時半になった。10人ほどの健脚者が茅ヶ岳を越えて金ヶ岳までやって来ていたが、アイゼンやチェーンスパイクを装着している人は皆無だった。登山道の様子を複数の方に伺ってみたが少しだけ雪が積もって固くなっているところがあるがアイゼンは必要ないだろうとのことだった。例年だと茅ヶ岳と金ヶ岳のコルは凍り付いていてスリップし易く特に金ヶ岳側の急斜面は危険なことが多かったが今年は大丈夫なようだ。確かに実際に歩いてみると茅ヶ岳側の日陰の登山道が一部凍り付いているくらいで危険というほどの場所は無かった。


    金ヶ岳北峰から見る茅ヶ岳と富士山。少しだけ霧氷が残っていた。


    奥秩父山塊


    コルの金ヶ岳側にある展望岩。雪に足跡があまり付いておらず、この時期に登っている人は少ないようだ。


    展望岩から見る茅ヶ岳と富士山。


    この展望岩は南アルプスの眺望が抜群である。紅葉の季節のここからの眺めは素晴らしい。


    石門をくぐる。

 1時間ほどで茅ヶ岳山頂に到着した。積雪や凍り付いている場所ではスリップしなかったのだが雪解けで少しぬかるんだ土の場所でスリップして転倒、左側の前胸部を盛り上がった土のところに強打した。普通ならばなんということは無いのだがこの季節の土の斜面は凍り付いていて石のように固く、うずくまるほどの痛みが走った。深呼吸しても痛みがあるが折れてはいないようで普通に歩ける。予定通りのコースを進むが、そこから先は凍り付いていない場所でもスリップに十分に注意して歩くことになる。


    茅ヶ岳山頂から見る奥秩父山塊。


    金峰山。標高が高い向こうの山は樹氷が綺麗である。


    八ヶ岳と金ヶ岳


    富士山

 人気の高い茅ヶ岳山頂はこの季節でも15人ほどの登山者が山頂で休憩していた。標柱がだいぶ痛んでいてメインテナンスしなければならないのだが、ニススプレーを切らしていてこの日は道具を持って来ていない。春になったら整備に来なければならないだろう。小休憩して出発する。


    防火帯尾根の途中から右に曲がって千本桜を目指す。


    下り始めの道は夏でもやや分かりにくいが雪が積もるとさらに道は不明瞭になる。歩かれた様子も無いが下に見える尾根を目がけて真直ぐに下りる。


    尾根の平坦地で昼食。木の隙間から垣間見る富士山。


    少しばかり岩尾根のアップダウンがある。ちょっとした細尾根を通過する。


    岩を越える。


    右に茅ヶ岳、左に金ヶ岳。ここから先は千本桜公園への土の斜面の急下りになる。スリップし易く要注意して下りる。


    千本桜公園。展望台は朽ちて立ち入り禁止。


    展望台の脇から見る富士山。


    南アルプス。桜の名所であるが桜の時期に訪れたことが無い。出来れば、夜桜と星、あるいは月を眺めに来てみたい。


    大明神林道に出る。あとはこの林道をテクテクと歩いて明野ふれあいの村に戻るのだが・・・意外と長くて疲れる。

 しばらくまともな登山をしていなかったのでちょっと長めのコースは少しばかり不安があった。歩く分には問題無かったのだがスリップして胸を打って3日過ぎてもまだ痛いこと、その後のスリップに注意してかなり余計な力が入ったことで下山してから軽い筋肉痛になった。一晩で改善したがずいぶん弱くなったものだと思う。しかし、狙っていた白い茅ヶ岳と白い富士山は見られなくともやはり山の上の景色のほうが性分に合っていると思う。今後の撮影はいかに機材を軽量化して体力に見合った登山をするかということにかかってくるだろう。
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霧氷を期待したが・・・明野から金ヶ岳・茅ヶ岳を周回(前編)  平成31年2月10日

2019年02月13日 | 山梨百名山
 3連休初日の2月9日は雪が降るとの予報だった。東京都内では降ったようだが甲府はほとんど雪は降らず積雪は無かった。しかしどんよりした曇り空だったので山の上は霧氷になっているのではないかと期待して以前から見てみたかった白い茅ヶ岳越しの富士山を見るために北杜市明野から金ヶ岳に登ってみることにした。まだ薄暗いうちに明野ふれあいの村に到着し、明るくなってきた6時半に出発する。


    明野ふれあいの村から見る富士山。好天を期待したのだが裏側に雲が出ている。


    林道ゲート。4月25日まで閉鎖されている。

 チェーンスパイクを準備して行ったがほとんど雪は積もっていなかった。明るくなって見上げる茅ヶ岳は残念ながら白くなっていない。どうやら期待していた霧氷は着いていないようだ。コースの真ん中近くまで来たところで茅ヶ岳の稜線から朝日がお目見えする。


    茅ヶ岳の稜線から朝日が昇る。真ん中に見えるのが茅ヶ岳、左の三角錐は金ヶ岳手前の小ピーク。


    約500mおきに看板が付けられている。雪はわずかしか無い。


    木の隙間から見る茅ヶ岳と富士山


    金ヶ岳山頂下の展望地に到着。時刻は9時、茅ヶ岳の上まで太陽が昇っている。


    白い茅ヶ岳と白い富士山を期待したが・・・雪が少なく霧氷も着いておらず。


    反対側の八ヶ岳


    山頂目前。金ヶ岳山頂(左)と北峰(右)。少しだけ霧氷になっている。


    金ヶ岳山頂

 金ヶ岳山頂は9時半に到着した。途中で三脚を出して写真を撮っていたこともあり、予定時間より30分ほど遅かった。富士山には雲が巻き始め、時折山頂が雲の中に入って見えなくなることもあった。霧氷の白い茅ヶ岳を見ることは出来なかったが富士山が見えてくれているだけでも良かった。


    金ヶ岳から見る茅ヶ岳と富士山。


    期待したのは霧氷(あるいは樹氷)で白くなった茅ヶ岳だったが・・・


    残念ながら霧氷は無し。今年は雪も少ない。


    少しだけ残っていた霧氷と南アルプス

 10時になるともう茅ヶ岳を越えて金ヶ岳までやって来た健脚の登山者たちが何人もやって来た。明野側に下りると林道歩きが長いのを皆さん知っているようで金ヶ岳からまた茅ヶ岳に戻って下山する人がほとんどだった。私は本日は茅ヶ岳に登った後に千本桜公園への尾根を下って林道を歩き集会の予定である。大休憩してから茅ヶ岳に向けて出発する。(後編に続く)





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