山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

草原に咲く花たち 乙女高原  令和2年7月22日

2020年07月25日 | 山に咲く花
 決して良い天候とは言えず、訪問した時間も遅かったので傘を差して暗い空の下での花観察となってしまった。櫛形山のアヤメ平でキンバイソウが満開になっていたので、こちらの草原でも咲いているはずである。


    久しぶりに見たこの花、ヤナギラン。鹿の食害でどの自生地でも激減してしまった。


    キンバイソウが咲いている。


    群生しているキンバイソウだが、昨年に比べると今年は少な目な感じがする。


    キンバイソウ


    ヨツバヒヨドリ。アサギマダラが吸蜜していたがカメラを構えたら飛んで行ってしまった。


    キバナノヤマオダマキ


    ノアザミ


    オオバギボウシ


    シモツケ


    もうすぐ咲きそうなシモツケソウ


    タチフウロ


    草原の中や周辺の樹林の中に群生しているシダ、ヤマドリゼンマイ。胞子葉はもう枯れて残骸になっている。


    ヒメシダ。どこの草原でも普通に見かける。


    ヘビノネゴザ。これも普通にある。この草原の中で見かけるシダは主にこの3種類。


    これは草原の保護柵外で昨年見つけた正体不明のシダ。葉は固くゴワゴワしている。


    最下羽片は次第に小さくなる。


    小羽片先端は鋸歯があり、大きなソーラスは中肋と辺縁の真ん中に付く。


    鱗片はまばらに付着。おそらくこれはサトメシダであろう。

 サトメシダの仲間は判別が難しく、まだほとんど出会っていないので判別には全く自信が無い。師匠を連れて行って鑑定していただく必要があるだろうと思っている。乙女高原界隈はまだまだいろいろなものが出てきそうである。
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櫛形山の花とシダ探索(後編)  令和2年7月20日

2020年07月25日 | 山に咲く花
 氷室神社を8時に出発し、櫛形山林道に抜け出たのは11時半になった。軽く昼食をとって休憩し、南尾根登山道をほこら小屋経由で裸山に向かって登る。この先も整備された登山道が続き、急斜面はジグザグに登山道が切られていてさほど急登という感じは受けない。


    南尾根。左側に駐車スペースがあるのだが、重機が止まっている。右側の看板が登山道入り口。


    ほこら小屋が見えてきた。


    ほこら小屋の水場とミゾホオズキ


    裸山到着。アヤメはちらほらと咲き残っている。


    しかし定点撮影の場所はやはりもう遅く、アヤメの葉ばかりで花は終わってしまっている。


    裸山山頂付近で咲き残っていたアヤメ


    後ろには雲を纏った富士山が姿を見せる。


    テガタチドリ


    クガイソウには蝶がたくさん戯れている。


    クガイソウに戯れるコヒョウモンモドキ。このクガイソウを食草としている蝶である。

 途中で山仲間に出会ってしばし雑談していたこともあってすっかり遅くなってしまった。アヤメ平に到着したのは午後3時半である。さすがにもう誰も居なかった。花が咲き誇る櫛形山アヤメ平を三脚を担ぎながら一人贅沢に散策する。


    誰も居ないアヤメ平。池の茶屋に入れなかったこともあって訪問者は少なかったようである。


    クガイソウとタカネグンナイフウロ、アヤメの青いお花畑


    センジュガンピの群生


    センジュガンピ


    キンバイソウが咲く


    キンバイソウ


    このお花畑でもクガイソウに蝶が戯れていた。ウラギンヒョウモン、アサギマダラ、メスグロヒョウモン?、他。


    草に覆われて道が分からなくなってしまっている遊歩道


    遊歩道の中に咲くテガタチドリ


    まだ蕾のシモツケソウ。あと2週間もすれば今度は赤いお花畑に変わっているのだろう。


    林の中のシダの群生。何だか良く分からなかったが・・・


    ソーラスは小羽片の辺縁に付着。調べてみればいつも見ているミヤマワラビだった。群生していると別物に見えてしまう。


    アヤメ平保護柵の中で見た大型のシダ。葉質は固めでゴワゴワしている。


    ソーラスは楕円形、ないし三日月型。メシダの仲間のようだ。


    鱗片を見て驚き。この真っ黒な鱗片は1種類しか知らない。これはミヤマメシダ。北岳に行かなければ見られないと思っていたがここにもあった。


    本日の一番の目的がこのシダである。


    テバコワラビ。葉質が柔らかく、鹿の食害で激減してしまったそうである。


    鱗片は薄い。見つかったのはわずかに5株ほどである。

 アヤメ平を4時に折り返したかったが花が素晴らしいうえにあまり見かけないシダがあったりと、下山開始したのは4時半になってしまった。小走りに走りながら私にしては急ぎ足で下山し、ほぼ日没の6時35分に氷室神社駐車場に到着した。アヤメは遅かったがもうひとつのテバコワラビはなんとか見ることが出来た。これで絶滅危惧ⅠA・ⅠB・Ⅱ類のシダは目標だった80%を見て回ったことになり、1年にして目標達成である。引き続き探索は続け、別の場所にも見に行ってみたいと思っている。


    櫛形山稜線から見る富士山

 急いで下山したのは空が晴れているのでひょっとしたらあの彗星が見えるかも知れないと思ったからである。高速道路を使って八代ふるさと公園まで急いで移動し、7時40分ごろに到着した。既にネオワイズ彗星狙いのカメラマンたち20~30人ほどが展望台に三脚を構えてその時を狙っていた。しかし・・・北西の空は雲が多く彗星は見えてくれそうもない。三脚とカメラを準備したが・・・1カットも撮影することなく撤退した。未だ山梨県ではネオワイズ彗星は一度も見えていない。

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櫛形山の花とシダ探索(前編)  令和2年7月20日

2020年07月25日 | 山に咲く花
 毎年裸山のアヤメを7月初旬から中旬に定点撮影してその復活の様子を追いかけてきたが、今年は天候不順と他の場所の調査が入ってしまったため少し遅れてようやく行ける日が来た。おそらくアヤメは盛期を過ぎてもう大部分終わってしまっているだろう。本日は櫛形山林道よりも下の部分の植生も見たいので、敢えてルートが長い氷室神社から歩いてみることにする。後に知ったのだが、長雨が続いていて法面が脆い池の茶屋への林道は閉鎖になっているそうである。この日は池の茶屋からの裸山・アヤメ平へのいちばん短時間で行けるコースは使えなかったことになる。


    氷室神社入り口。ここから長い階段を登って登山道へ進む。


    石段は510数段ある。


    オシダと中腹の赤い鳥居


    大き目のシダに遭遇。上に見えるのが山門。


    これはホソバナライシダ。


    シダの形はシラネワラビに似るが、ソーラスはシラネワラビほど賑やかでは無い。


    やっと山門に到着。


    氷室神社本殿


    境内の池とユキノシタ


    水に滴るオシダ。水車の前にあるシダはヤマイヌワラビ。

 初めて訪れた氷室神社であるが立派な本殿が立ち、水車が回る池がある風情のある場所だった。その脇から登山道に入るのだが、思っていたよりも整備が行き届いた登山道が続いていた。


    整備の行き届いた登山道。


    シロバナイナモリソウが咲き始めたばかり。


    ジュウモンジシダはどこにでもあるが、これだけ群生していると圧巻である。


    花を終えたウメガサソウ


    花穂を伸ばしているキッコウハグマ


    こちらも花穂を伸ばしているジンバイソウ


    渓谷沿いの草地


    普通は岩の上に生えるものだが、こんな草地の中にイワデンダが生えていた。


    オニルリソウが数本


    草地の上部から見下ろす。半分雲に隠れた富士山が見えた。


    樹林帯(植林帯)に入ると沢を横切る。


    沢沿いに生えていたイノデはツヤが無い。


    葉軸中央部の鱗片は幅広で先端部が急に細くなる。これはツヤナシイノデだろう。


    幅広い鱗片


    キヨタキシダ


    苔の中に咲くヨツバムグラ


    植林帯の中で出会ったシダの群落。


    柄が長くて真直ぐに立ち上がっているのが胞子葉のようである。


    包膜に覆われた胞子嚢が小羽片の中軸と辺縁の真ん中あたりに付着している。これはハリガネワラビだろう。


    やっと櫛形林道に到着した。アヤメ平までのほぼ中間点であるが、3時間半もかかっている。何時に目的地に到着するやら?

 初めて歩くコースなので首を振り振り見逃しが無いようにじっくりと観察しながら多量の写真を撮りながら歩いてきた。普通ならば2時間ほどで到着出来るであろう櫛形山林道まで3時間半もかかってしまった。道は整備されているが長くて地味なコースだけに、出会ったのは氷室神社参拝者数人とトレランの男性1人だけだった。一休みしてほこら小屋を経由して裸山・アヤメ平に向かう。下山が夜になるのは覚悟している。(後編に続く)

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