山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

北杜市の溜池と湧水を散策  令和5年9月5日

2023年09月06日 | 星空
 北杜市小淵沢に出張があったので仕事を終わらせて午後から近傍の溜池と湧水を散策してみた。

    まずは小淵沢インター近傍にある溜池


     東屋が立っていて池を見渡せる。

    池の様子。それなりに古そうな池だが目ぼしい水草は見当たらない。

    ちょっと変わった植物を発見した。

    葉を持たず他の植物にからみ付いて栄養を摂る寄生植物

    これはネナシカズラ。初めて出会う植物である。

    看板が立っていたので行ってみることにする。

    林道を歩いたほうが楽に行けそうだが、沢沿いが歩けそうだったのでそちらを歩いてみる。

    アカハナワラビ


    何だか分からない葉の幅が広いアザミ

    オタカラコウがたくさん咲いている。

    清流の脇に咲くオタカラコウ

    丸太橋があった。

    その先は草ボウボウの湿地になっていて進めない。

    湧水とその向こうに大きなモミの木が立っている。

    祠も立っている。これが湧水モミ

    看板が立てられていた。

    見下ろす湧水

    この辺りの湿地にはセリがたくさん生育しているようである。ドクゼリを探したが見当たらない。

    葉の切れ込みが深いが最初に見たアザミと同じものと思う。

    まだ正体は分からない。

    帰りは林道を使って戻った。

    次の池に立ち寄ってみる。

    コンクリートがあまり古く無く、比較的新しい溜池のようである。

    3分の1周ほど回ってみたが目ぼしいものは見つからず。

    3つ目の溜池

    こちらは結構古そうな溜池だが、全周柵で囲われていてほとりには下りられない。錦鯉が泳いでいた。

    ヒシの葉が浮いていた。

    花は終盤だが少し咲き残っていた。双眼鏡で見る限りでは目ぼしい水草は見当たらない。


    ひとつの池のほとりに生えていたセリ、ないしはウドの仲間


    だいぶ痛んでしまってはいるが、これはドクゼリではないだろうか?

    葉の形を見てもドクゼリに似ている。来年の花の時期に再訪して確認したいと思う。

 北杜市ならばどの池にもヒシが生育しているのではないかと思ったのだがそうとは言えないようである。古い溜池には生育しているが新しい溜池では必ずしも生育しているわけでは無いようである。もうひとつはドクゼリの探索である。湿地や湿った草地を好んで生育しているはずなので湧水地を探索すればあるのではないかと考えたが、あったのは普通のセリだった。池のほとりで見つけたものはかなり怪しそうなので花の季節にまた見に来てみたいと思う。北杜市にはまだ他にもたくさんの溜池があるので時間が許す限りひとつずつ回って歩いてみたいと思っている。


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河口湖の水草を再訪する  令和5年9月3日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 9月1日に訪れたばかりであるが正体不明の水草が気になって再訪してみることにした。ネットや文献で調べてみるとツツイトモもホソバミズヒキモもツツミズヒキモもいずれもあまりお目にかかれない水草である。撮影してきた画像を拡大してみてみると花のようなものが付いているように見えなくもない。もし花や種が付いていれば同定が可能となるかも知れない。また、ハゴロモモではないかと思われる藻はもしそうならばこの季節に花を咲かせていてもおかしく無い。いよいよ超マニアックな藻類の世界に足を踏み込んだ気がする。

    スイレンの生える池を再訪する。


    対岸には黄色い花がたくさん咲いている。

    これはオグルマではないかと思う。

    池の中にたくさん生えている葉の細い藻

    他の藻も生えている。これはホザキノフサモの花であろう。


    こちらはエビモの葉と花

    どこが違うのかは分からないがフジエビモという仮称が付けられているようである。


    問題の水草。細い葉と茎がワンサカと密集している。花だと思った白いものはウキクサのようである。


    一部採取して調べてみる。細くて長い茎に細い葉が付いている。


    葉を調べてみる。

    葉の根元部分は筒状になっている。ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモの可能性が高い。


    湖畔に生えていた藻。葉脈の模様が鮮明でガシャクモを期待したのだが・・・

    葉には長い柄が付いていた。これはエビモであろう。


    たくさん生えているこの藻は?

    葉に小さな突起がありイバラモの仲間であろう。


    細い葉と突起、そして茶色い種子が見える。


    種子は先端が尖る。葉鞘の先端部が細かくギザギザになって尖っている。これはホッスモではないかと思う。

    問題の泥を被っているこの藻。花は咲いていなかった。

    花を付ける様子は無い。

    採取して調べてみる。

    先端部だけ少し形状が違う。ゼリー状のものを纏っているように見える。

    3~4回枝分かれするようである。頂部だけゼリー質のものに覆われている。枝分かれのところに茶色い種子のようなものを付けている。


    先端部をトリーミング。小さな棘状の突起が1個付いている。

    ゼリー質の部分の先端部も同様に尖った突起が1個付く。

 藻類の図鑑は持ち合わせていないのでネットを使って調べてみると、兵庫県の湿生・水生植物のサイトにこれとそっくりな藻の画像が掲載されていた。おそらくこれはセイロンフラスコモという珍しい藻なのではないかと思う。詳しい専門家に画像を送って調べてもらっているがまだ返事待ちの状態である。もしそうだとすれば、山梨県では初めて発見されたことになると思う。

 ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモについては花や種が確認出来ていないのでどちらかは分からないということになる。イトモの花が6月ごろに咲いていたところから、こちらの藻もその頃に花を咲かせているのではないだろうか?来年花を見に来てみたいと思う。

 新たに足を踏み入れた藻類の分野は新鮮な驚きばかりである。全ての同定は困難であろうから、だいたいこの辺りの分類、というところくらいまでは見分けられるようになりたいと思っている。なお、採取した藻はまた元の水の中に戻してやっている。


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山中湖と河口湖を散策  令和5年9月5日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 今朝の鉄砲木の頭のパール富士は素晴らしかった。これで今日1日の運は使い果たしてしまった気がする。まだ時間は6時半だが、本日は8時に山中湖湖畔で花仲間と待ち合わせしており、コオニビシやマメダオシ、ミソハギ、そしてオオガンクビソウなどを見て回ろうと思っている。コオニビシは近付いて撮影するためにボートを借りて撮影に行く予定である。少し早めに待ち合わせ場所に到着したので30分ほど車の中で寝てから合流する。まずは湖畔の花を見に行ってみる。

    エゾミソハギがたくさん咲いているがもう終盤である。


    大物のエゾミソハギ

    これはオオアレチノギクか?

    背の高いタカアザミが生えていた。

    背が低くてキセルアザミではないかと思ったのだが・・・

    総苞片が反り返っている。キセルアザミの総苞片は反り返らないのでこれはタカアザミであろう。

    湖畔に打ち上げられていた水草。これはイバラモであろう。


    未だに正体が分からない藻。そのうち正体が分かると思う。

 双眼鏡で湖面に浮かんでいるはずのコオニビシを探すのだが一株も見つからない。昨年一緒にたくさん生えていたナガエノフサモも姿が見えない。湖底に何か変化があったか、それとも清掃されたか?いずれにせよ1年草であるコオニビシが今年は姿が見えないということは来年以降も生えてくる保証が無いということで、ひょっとしたら消滅してしまうかも知れないという危機にさらされていることになる。浮いている個体が見えないのでボートを借りるのは止める。期待していたオオガンクビソウは草刈りが行われて消失したようで今年は見つからなかった。

 場所を河口湖に移動する。まずはミソハギを見に行くが今年は水量が多くて近付けないうえに個体数が少ない。

    ミソハギ。葉の形を確認出来るところまでは近付けなかった。

    湖畔に生えているのはオナモミだと思っていたがこれはジャンボサイズで、オオオナモミではないかと思う。

    この場所は草が刈られていて水際まで行ける。

    立ち上がって青々と茂っているのはヌマハリイないしはスジヌマハリイと思われる。


    水際に茂っている藻


    まだ正体が分からないが、ホッスモないしはトリゲモの仲間ではないかと思う。

    泥を被って地味に生えている藻があった。

    一部をとって観察してみるが、これはハゴロモモか??

    スイレンが咲く溜池

    スイレンの花


    水草がたくさん繁殖している。

    イトモの仲間のようだが??


    一部を採取して観察してみる。葉が細く、イトモの仲間だと思う。

 マメダオシを探してその後も数ヶ所を巡ってみたのだがいずれの場所でも発見出来なかった。昨年発見した場所は今年は大部分が水没していたため入れなかったが、マメダオシが好んで絡み付くメドハギが今年はかなり少ないように見受けられた。昨年はたくさん見かけたマメダオシだったが今年は見つからず、来年以降が心配である。

 帰宅してからネットで藻類を調べてみると、河口湖に生育する藻類の論文が見つかった。そこに出てくるのはツツミズヒキモというツツイトモとホソバミスヒキモの交雑種である。河口湖ではツツミズヒキモが主体を占めているようでツツイトモは見つかっていないようである。特にツツイトモとツツミズヒキモは葉だけでの区別は困難なようで花や種を観察しないと同定は困難なようである。そしてもうひとつ、ハゴロモモではないかと思われる藻であるが、そうであればこの季節に白い花を咲かせているはずである。これは再訪してもう少し詳しく見て来る必要があるだろう。


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