山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

昨年出会えなかった花を探して甲州アルプス(大菩薩・小金沢連峰)へ  平成29年7月16日

2017年07月18日 | 花・花・花
 大菩薩・小金沢連峰は甲州アルプスという名前で呼ばれるようになりつつあることを最近知った。アルプスという名前が付くと何か凄い山を歩いているような気がする。

 昨年はこの山塊のニョホウチドリを見て廻ったが、いずれの場所も笹原に飲まれつつあり危険な状態にあるように見える。特に大菩薩嶺界隈は個体数がかなり減少しており、消滅するのは時間の問題のように見える。もはや柵で囲ってどうにかなるようなレベルでは無く、笹をなんとかしなければどうにもならないのではないだろうか?数を増やすのはかなり難しいように思う。今回はこの花を見たいこともあったが、もうひとつ昨年探してはみたものの全く出会えなかった花を再度探しに行ってみることにした。昨年探した場所で間違いないはずだが、個体数は少ないらしい。


    こんなところにエゾスズラン。花付きが悪くあまり元気には見えない。


    かなり大型だが、普通のマムシグサと思われる。


    苔の生した豊かな森に見え、イチヨウランやキソチドリがあっても良さそうなものだが、ラン科植物は全く見当たらない。

 前日の八ヶ岳13時間半が少しばかり足に堪えて、膝と足首が若干痛い。ふくらはぎも張っているが歩けないほどでは無い。とにかく歩幅を狭くしてピッチを上げずゆっくりと歩き、現地に到着した。


    ニガナとシロバナニガナが仲良く並んで咲いている。


    意外とあっさり見つかったこの花。昨年も同じ場所を歩いたはずだが?


    予想していたよりも小さな花だった。


    今年は出会えました。ヤ・マ・トキ・ソウ。


    笹に負けずにニョホウチドリと向き合いながら咲いていた。


    ここは4株まとまって咲いている。笹と共生出来るのだろうか?

 昨年も全く同じ場所を歩いているはずだ。その翌日に私の所属する嶺朋クラブのメンバーが歩いてこの花を見ているので、見落としたのは間違い無さそうだ。数は少ないと聞いていたが、今年は20株近く見ることができ、さらに別の場所でも10株ほど出会うことが出来た。昨年は何を見て歩いていたのか?自分の花探しレベルの低さに呆れる。さらにニョホウチドリも狭い範囲だけだが見て廻った。


    笹薮の中に咲いたニョホウチドリ


    同上


    別の場所に咲いていたニョホウチドリ


    こんな笹薮の中で大丈夫なのか??

 ニョホウチドリは笹薮に飲まれて消滅(してしまったように見える)した場所もあるが、不思議と笹原の中に空いた草地の中には生えていない。そして部分的に柵で囲われた場所があるのだが、その中にも咲いていなかった。ひょっとしたら、私たちが思っているほどに笹との相性は悪く無いように見えなくも無い。これも何年か観察して個体数の変化を見て行かないとわからないのかも知れないが、個体数が減ってきた時にはもう手遅れになってしまうのかも知れない。植物の世界はわからないことだらけで、何をどうすれば本当の保護に役立つのか、良く考えて行動しなければならないと思う。

 帰りはいつもとは違う林道を歩いて戻った。


    林道沿いにはシロバナウツボグサがこれでもかというくらいにたくさん咲いていた。


    こんな環境の森ならばきっと居ると思っていた。


    クモキリソウ。林道脇に固まって咲いていた。


    最後は車道を歩いて駐車場に戻る。トリアシショウマ。


    キバナノヤマオダマキ

 笹に飲まれつつも、共生しているのか、それとも必死に咲いているのか、ヤ・マ・トキ・ソウもニョホウチドリも元気に咲いているように見える。これから先はどうなって行くのか、どこで笹刈りをはじめとする手入れが必要になるのか、慎重に見極めて行く必要がありそうだ。

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