平成20年4月29日 天候晴れ
田中澄江の著書、「新・日本花の百名山」の紹介記事を昨年の山渓雑誌で見たところ、その中に二十六夜山・山梨県・ヒゴスミレという記載があるのが目にとまった。ヒゴスミレはエイザンスミレの近似種で、やや高山にあるといわれており、私はまだ見たことがない。標高1000mにも満たない二十六夜山(ちなみに都留にも同じ名前の山がある)に、果たしてそんなスミレがあるのだろうか、あったとしても果たして探し当てることができるかどうか?以前に登ったアオゲラの森キャンプ場からのコースでは物足りないので、今回は無生野からタンノイリ沢沿いの林道を歩き棚ノ入山に至るコース、昭文社の地図では点線になっているルートを歩いてみることにした。
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タンノイリ沢。人家の横を通る。
9時に自宅出発し、秋山村の浜沢に車を止める。歩き始めは10時20分、車道を20分ほど歩いて無生野からタンノイリ沢林道に入る。人家のあるあたりは舗装されているが、人家が切れたあたりから砂利道となる。良い道で、普通乗用車での通行にも問題なさそうだ。林道を30分ほど歩くと左に東俣林道を分け、林道終点に到着する。ここから川の右岸沿いの細い道となり、10分ほど歩くと左手に丸太を束ねて造った橋がかかっており、左岸には赤鞍ヶ岳の小さな看板が掲げられている。橋の右側は崩落していて歩きにくいので、沢の中を歩いて対岸に渡るが、水量は少なく全く足を濡らさずに徒渉できた。ここから先は傾斜がきつくなるが、道は明瞭だった。ほどなく、尾根道と沢沿いの道の分岐らしき場所があり、私は沢沿いのコースに進んだがこれが間違いだったらしい。途中までは細い道があったが、滝の横を通過したあたりから道が不明瞭となり、ついには無くなってしまう。あるのは獣道のみ、戻っても20分とかからないだろうが、谷の右側にヒノキの植樹帯があり、急登ながら木の幹と根っこにつかまりながら登れそうだったので、そこを尾根まで直登する。標高差で50m以上は登っただろうか、辿り着いた尾根には・・・登山道と言えるような明瞭な道はなし。しかし、何となく細い道らしきものがあり、細木の枝をかき分けながら上に向かって進むと、スギ・ヒノキの樹林帯となり、しだいに林業作業跡らしきはっきりした踏み跡が見えてきた。そしてその先の尾根まで行くと、そこには明らかな登山道があった。こんな広くて立派な道をどうやったら間違えるのか?と首をかしげるような道。ここから急登りを30分ほど登ると棚ノ入山に出た。登りながらお目当てのスミレを探しながら歩くが、それらしいスミレはなし。ただ、ナガバノスミレサイシンという初めて見るスミレは林の中でたくさん出会うことができた。
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林道の脇に咲いていたケマルバスミレ。葉に細かい毛が生えている。
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アカネスミレ(?) ニオイタチツボスミレかもしれないが、葉の形はアカネ。
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沢にかかる丸太橋と対岸の赤鞍ヶ岳看板
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タンノイリ沢上流の滝。このあたりで道は消失してしまう。
棚ノ入山の南側(道志側)斜面はきれいに伐採されており、向かいの赤鞍ヶ岳の山々が間近に見える。日当たりの良い斜面には一面にタチツボスミレの大群落が見られた。例のスミレの姿は無く、近似種のエイザンスミレすら見当たらない。小休憩後、二十六夜山を目指す。急下りとなり、二十六夜山が見えてくるが、ずいぶん遠くにあるように感じる。1時間ほど歩いたあたりで三叉路に出たが、ここの看板がわかりにくく、二十六夜山と書いてある方向に真直ぐに進むとどんどん山から離れて下っていってしまう。戻って左側(秋山村側)に行く道を進むと、ほどなく二十六夜山の看板があった。その道を進むと、三日月峠の立派な道標があり、そのまま真直ぐ二十六夜山に向かって進むと、小ピークを巻いて稜線に抜け、ほどなく二十六夜塔に到着した。このあたりにもヒゴスミレは見当たらず、ピンク色の鮮やかなアケボノスミレがあちらこちらに咲いていた。二十六夜山山頂に行き、遅い食事をとる。時間は午後2時30分。
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棚ノ入山のタチツボスミレ群落。南側斜面は伐採され、大群落がある。
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ナガバノスミレサイシン。この花は林の中を好んで咲く。
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濃いピンク色が鮮やかなアケボノスミレ。武田の杜西側編でも登場。
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フモトスミレ。小さくて可愛らしい花。
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二十六夜山のシンボル、二十六夜塔。
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二十六夜山山頂。林の中の静かな山頂。
あとはアオゲラの森キャンプ場に向かって下るのみ、どうも目当てのスミレは空振りになりそうだ。地面のスミレを探しながら歩くと、またもや見たことのない白花の可愛らしいスミレ発見、これはフモトスミレだった。他にもチゴユリやヒトリシズカなどの春の花がたくさん咲いていた。約1時間でキャンプ場到着、ここにもタチツボスミレの群落があった。そしてキャンプ場下の道沿いにはフデリンドウも咲いていた。さらに見慣れない白いスミレが数株、ヒカゲスミレと思われる。16時15分、車に到着、道なき道を歩いたので、足がだいぶ疲れた。出会った人は棚ノ入山で中年夫婦1組のみ。ヒゴスミレは見つからなかったものの、他の花にたくさん出会えた、ちょっと危ない山歩きだった。
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ヒカゲスミレ。アオゲラの森キャンプ場の下に咲いていた。
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今回の行程図。無生野から棚ノ入山は昭文社地図では点線になっているが、ルートはある。私のように道を間違えないように注意!
田中澄江の著書、「新・日本花の百名山」の紹介記事を昨年の山渓雑誌で見たところ、その中に二十六夜山・山梨県・ヒゴスミレという記載があるのが目にとまった。ヒゴスミレはエイザンスミレの近似種で、やや高山にあるといわれており、私はまだ見たことがない。標高1000mにも満たない二十六夜山(ちなみに都留にも同じ名前の山がある)に、果たしてそんなスミレがあるのだろうか、あったとしても果たして探し当てることができるかどうか?以前に登ったアオゲラの森キャンプ場からのコースでは物足りないので、今回は無生野からタンノイリ沢沿いの林道を歩き棚ノ入山に至るコース、昭文社の地図では点線になっているルートを歩いてみることにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/9b/944d981f01f725d696ea9e90a0eafec4.jpg)
タンノイリ沢。人家の横を通る。
9時に自宅出発し、秋山村の浜沢に車を止める。歩き始めは10時20分、車道を20分ほど歩いて無生野からタンノイリ沢林道に入る。人家のあるあたりは舗装されているが、人家が切れたあたりから砂利道となる。良い道で、普通乗用車での通行にも問題なさそうだ。林道を30分ほど歩くと左に東俣林道を分け、林道終点に到着する。ここから川の右岸沿いの細い道となり、10分ほど歩くと左手に丸太を束ねて造った橋がかかっており、左岸には赤鞍ヶ岳の小さな看板が掲げられている。橋の右側は崩落していて歩きにくいので、沢の中を歩いて対岸に渡るが、水量は少なく全く足を濡らさずに徒渉できた。ここから先は傾斜がきつくなるが、道は明瞭だった。ほどなく、尾根道と沢沿いの道の分岐らしき場所があり、私は沢沿いのコースに進んだがこれが間違いだったらしい。途中までは細い道があったが、滝の横を通過したあたりから道が不明瞭となり、ついには無くなってしまう。あるのは獣道のみ、戻っても20分とかからないだろうが、谷の右側にヒノキの植樹帯があり、急登ながら木の幹と根っこにつかまりながら登れそうだったので、そこを尾根まで直登する。標高差で50m以上は登っただろうか、辿り着いた尾根には・・・登山道と言えるような明瞭な道はなし。しかし、何となく細い道らしきものがあり、細木の枝をかき分けながら上に向かって進むと、スギ・ヒノキの樹林帯となり、しだいに林業作業跡らしきはっきりした踏み跡が見えてきた。そしてその先の尾根まで行くと、そこには明らかな登山道があった。こんな広くて立派な道をどうやったら間違えるのか?と首をかしげるような道。ここから急登りを30分ほど登ると棚ノ入山に出た。登りながらお目当てのスミレを探しながら歩くが、それらしいスミレはなし。ただ、ナガバノスミレサイシンという初めて見るスミレは林の中でたくさん出会うことができた。
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林道の脇に咲いていたケマルバスミレ。葉に細かい毛が生えている。
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アカネスミレ(?) ニオイタチツボスミレかもしれないが、葉の形はアカネ。
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沢にかかる丸太橋と対岸の赤鞍ヶ岳看板
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タンノイリ沢上流の滝。このあたりで道は消失してしまう。
棚ノ入山の南側(道志側)斜面はきれいに伐採されており、向かいの赤鞍ヶ岳の山々が間近に見える。日当たりの良い斜面には一面にタチツボスミレの大群落が見られた。例のスミレの姿は無く、近似種のエイザンスミレすら見当たらない。小休憩後、二十六夜山を目指す。急下りとなり、二十六夜山が見えてくるが、ずいぶん遠くにあるように感じる。1時間ほど歩いたあたりで三叉路に出たが、ここの看板がわかりにくく、二十六夜山と書いてある方向に真直ぐに進むとどんどん山から離れて下っていってしまう。戻って左側(秋山村側)に行く道を進むと、ほどなく二十六夜山の看板があった。その道を進むと、三日月峠の立派な道標があり、そのまま真直ぐ二十六夜山に向かって進むと、小ピークを巻いて稜線に抜け、ほどなく二十六夜塔に到着した。このあたりにもヒゴスミレは見当たらず、ピンク色の鮮やかなアケボノスミレがあちらこちらに咲いていた。二十六夜山山頂に行き、遅い食事をとる。時間は午後2時30分。
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棚ノ入山のタチツボスミレ群落。南側斜面は伐採され、大群落がある。
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ナガバノスミレサイシン。この花は林の中を好んで咲く。
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濃いピンク色が鮮やかなアケボノスミレ。武田の杜西側編でも登場。
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フモトスミレ。小さくて可愛らしい花。
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二十六夜山のシンボル、二十六夜塔。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/5d/3faf507dd66e904117cf926d919d7f4c.jpg)
二十六夜山山頂。林の中の静かな山頂。
あとはアオゲラの森キャンプ場に向かって下るのみ、どうも目当てのスミレは空振りになりそうだ。地面のスミレを探しながら歩くと、またもや見たことのない白花の可愛らしいスミレ発見、これはフモトスミレだった。他にもチゴユリやヒトリシズカなどの春の花がたくさん咲いていた。約1時間でキャンプ場到着、ここにもタチツボスミレの群落があった。そしてキャンプ場下の道沿いにはフデリンドウも咲いていた。さらに見慣れない白いスミレが数株、ヒカゲスミレと思われる。16時15分、車に到着、道なき道を歩いたので、足がだいぶ疲れた。出会った人は棚ノ入山で中年夫婦1組のみ。ヒゴスミレは見つからなかったものの、他の花にたくさん出会えた、ちょっと危ない山歩きだった。
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ヒカゲスミレ。アオゲラの森キャンプ場の下に咲いていた。
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今回の行程図。無生野から棚ノ入山は昭文社地図では点線になっているが、ルートはある。私のように道を間違えないように注意!
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