山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

増殖したスズランの森のオオヤマサギソウ他  令和2年7月5日

2020年07月07日 | 山に咲く花
 午後になって少し雨が降り出してきたが降ったり止んだりの天候でさほど本降りにはならなそうである。まだ咲いていないとは思うが芦川のスズランの森にあるオオヤマサギソウを訪問してみる。今年は昨年に比べるとだいぶ数が増えているうえに、設置した保護柵の外にも花芽が出ている。鹿の食害に遭っていなければ良いのだがどうだろうか?その前に、山中湖近傍の森でシダの観察をしていた時に偶然出会った方が私のブログの愛読者で、富士北麓の樹海の中にあるトガスグリという植物の情報を教えていただいた。もう花が終わって実になっている頃であろうが、まだ見たことが無い植物だったのでさっそく立ち寄らせていただいた。


    ここは初めて訪れる場所である。散りかけたイチヤクソウの花。


    半分散っているウメガサソウ


    教えていただいた場所に群生していたトガスグリ。


    赤い実が成るトガスグリ


    棘の生えているトガスグリの実


    樹海の森に生えていたイタチシダだが、いつも見ているオオイタチシダに比べて細長い。


    さて、このイタチシダは何?


    鱗片は細い。


    開出して上向きに反り上がっている。どうやらイワイタチシダのようだ。


    もう1種類光沢が鈍い別のイタチシダ。ミヤマイタチシダ。


    良く見かけるが何だか分からなかったシダ。真ん中に出ている柄の長い葉が胞子葉である。


    長楕円形の包膜が付着している。シケシダの仲間だが、最下羽片がやや大き目のことからフモトシケシダではないかと思う。

 時間的な都合で教えていただいた場所の周辺しか歩いて来なかったが、もっと奥まで歩いてみればいろいろと面白いものが出てきそうな感じがする樹海の森だった。

 本日最後の訪問地、芦川のスズランの森に移動する。小屋の管理人さんが居れば挨拶して行こうと思ったのだが、今年はスズラン祭が開催されなかったことがあり残念ながら不在だった。


    今年は休館していたスズランの森の休憩所。


    毎年生えてくれるが鹿の食害に遭ってなかなか咲いてくれないセイタカトウヒレン。


    草が青々と茂り、スズランの花はもう終わっていた。


    総苞片を触ると粘っている。ノアザミ。


    これが保護柵の外に生えたオオヤマサギソウ。元気に育っている。


    こちらも柵の外に生えたオオヤマサギソウ。いちばん下側の葉が千切れており、鹿の食害か、あるいは虫に食われたのかも知れない。


    柵の中のオオヤマサギソウは元気に育っている。全部で12本くらい花穂を伸ばしている。


    昨年は花が咲く頃に夏の暑さに負けて立ち枯れしてしまったが・・・


    今年はきっと咲いてくれると確信している。

 元気に育っているオオヤマサギソウ、あと2週間くらいで咲いてくれるのではないかと思う。今年は期待できそうだ。
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草原に咲くセイタカスズムシソウ  令和2年7月5日

2020年07月06日 | 山に咲く花
 本日も決して天候は良く無いが午後の早い時間まではなんとか降らずに持ってくれそうである。早朝5時に目を覚ましたが眠くてウトウトしていたらもう7時近くになっていた。これではいつもとあまり変わらない。急いで支度して出発する。


    青々と茂った草原の向こうには富士山が姿を見せてくれた。


    草原に咲くアヤメ。後ろの富士山は光量が合わずに飛んでしまった。


    フナバラソウはもう茂ったススキの中に隠れてしまっている。


    花の散った後。種は付くのだろうか?


    カイジンドウももう散っていた。


    タツナミソウが咲いていた。


    目的の花はこれ。まだ蕾のものもいくつかあった。


    セイタカスズムシソウ


    真っ直ぐ伸びた茎から花が出る。


    今年は小さめのものが多い。


    これからもう少し大きくなるのかも知れないが、ここに咲くものはもともと小ぶりである。

 近傍の森に確認しておきたかったシダがあったので見に行ってみる。


    見ておきたかったのはこの葉に光沢が無いイノデ、ツヤナシイノデ。


    根元の鱗片は大き目のものと細いものと両方が付く。


    ソーラスは葉の上の方、かつ外側から付き始める。


    確認しておきたかったのがこの葉軸中央付近に付着する鱗片。幅広い鱗片の先端部分が急に細くなる。この形がツヤナシイノデとの違いである。


    こちらは幼弱な葉は見ているが何だか分からなかったシダ。


    胞子穂が出ているものがあった。細長い胞子穂、葉の切れ込みが浅いことからナガホナツノハナワラビと思われる。

 セイタカスズムシソウだけでなく苦手なイノデの仲間の見分け方もこれでだいぶ進歩してきた。ナガホナツノハナワラビは偶然出会えたものだが、季節が変わるとまた別の出合いがあるものである。今度はナガホでは無いナツノハナワラビを見たくなってきた。
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北杜市のキンモウワラビを訪れる  令和2年7月4日

2020年07月06日 | シダの仲間
 朝から小雨が降り、この日は1日雨だろうと思っていたのだが昼ごろには一時止んだ。山や渓谷に入るのは無理だろうが人里近くならば大丈夫そうである。6月は雨に阻まれてレンズが結露し撮影がままならなかった北杜市の田んぼの石垣に生育しているキンモウワラビを見に出かける。


    田んぼの石垣に生えているキンモウワラビ


    田植え後の苗と一緒に撮りたかったがなかなか角度が難しい。


    青々と茂っているキンモウワラビ。触ってみると葉質は意外と硬くゴワゴワしている。


    キンモウワラビの名の由来となっている根元に生えている茶色い毛。


    下からのぞき込む。成熟したソーラスは黒く見える。


    包膜を持つソーラスから黒い胞子があふれ出ている。


    電柱があったり置物があったりとなかなか良い角度で撮れないキンモウワラビ。たっぷりと楽しませていただいた。

 到着した頃は雨は降っていなかったが撮影を終えた頃に少し雨が降り出してきた。もう1ヶ所行けるかと思い車で移動していると、次第に雨脚が強くなってきた。スマホの天気予報で雨雲の様子を見ると、この周辺は日没過ぎまで雨が続きそうである。止む無し、途中でUターンして引き返す。甲府まで戻って来ると雨は降っていなかった。どうやら山沿いだけ降っていたようである。しばらくはこういう天気が続くのだろう。なかなかスッキリ晴れた日は期待できなそうである。
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目的のシダは発見できず探索失敗 富士北麓  令和2年7月2日

2020年07月06日 | 山に咲く花
 昨年富士北麓でハナワラビの仲間でちょっと変わったシダが生えているという情報をいただいた。そろそろ生えてきている頃であろうが個体数が少ないうえに小型のシダなので見つかるかどうかはかなり不安がある。梅雨の合間でようやく青空が見えた午後、出かけてみる。


    テンニンソウが生い茂る富士山麓の斜面


    岩に生えていたのはフクロシダ


    目的の小さなシダはこんな感じの草地の中に顔を出していると思うのだが?

 何度か行ったり来たりして疑わしき草地を覗き込んでみたが見つからない。初めての場所での珍しい植物の探索はだいたいこういうもので見つからないことはしばしばである。探していたのはコケハナワラビと思わしきヒメハナワラビに似たシダであるがずっと小型である。持っている図鑑に載ってはいるがコケハナワラビなるシダが本当に存在するかどうかが疑わしいような記述になっている。本物か、それとも貧栄養状態で小型化したヒメハナワラビなのか?興味があったのだが発見できず。

 しかし思いがけない収穫があった。車を止めた場所に偶然居合わせたご夫婦が驚いたことに櫛形山でもお会いした私の知り合いの植物写真愛好家のお仲間さんだったのである。本日も一緒に来ているということで電話をしてみると、すぐに駆けつけてきてくれた。しばし花談義して情報をいただき、いくつか見てくることが出来た。たいへんラッキーな出会いだった。


    富士北麓のホザキイチヨウランは初のご対面である。


    セイタカスズムシソウは咲き始めたばかり。


    あと1週間もすれば見ごろになりそうだ。


    オオヤマサギソウに良く似ているがたぶんもっと大きな花が咲くのではないだろうか。


    夏富士の脇から月が昇る

 オオヤマサギソウに似た植物は情報を持ち合わせておらずどこをどう探せば良いのか分からなかった花である。教えていただいたおかげで、食害に遭わなければ今年は見ることが出来そうである。何よりもどんな場所を探せば出会えるのかが分かったことが大きかった。明日からパール富士の撮影が数日間出来るのだが、天候が悪くてたぶんダメだろう。早く梅雨が明けて欲しい。
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絶滅危惧のシダたち ~三ツ峠山荘講演から抜粋~  令和2年6月28日

2020年07月03日 | シダの仲間
 三ツ峠山荘での講演で、1年程前から取り組んでいるシダ植物について紹介した。いずれも山梨県では絶滅危惧種の少し珍しいシダである。


    キタダケデンダ(北岳) シダ植物を見るようになったきっかけとなったのがこの北岳に特産するシダの探索から始まった。


    キタダケデンダのソーラス。毛が生えている。


    タカネシダ(北岳) これがキタダケデンダだ!と思って撮影してきた写真は下山後に調べてみると別のシダだった。


    タカネシダのソーラス キタダケデンダとは全く別物。


    トガクシデンダ(北岳) 


    トガクシデンダのソーラス。これもキタダケデンダに似ているが別物。他にアオチャセンシダやナヨシダなどが北岳の高山帯に生育している。


    ヤツガタケシノブ(八ヶ岳) 以前に撮影したムシトリスミレの画像にこのシダらしきものが写っており確認してきた。


    ソーラスは葉の裏側の辺縁に巻き込まれるように付着する。


    コスギラン(北岳) 標高2,900m付近に生育していたシダ。


    前年に偶然このシダを撮影してあったが何だか分からず翌年再訪して確認した。


    ヒメスギラン(瑞牆山) コスギランに似るがこちらのほうが葉が細くて華奢。個体数は少ないが沢沿いに散在的に生育していた。


    見つけた時は感動した。


    タキミシダ(南部町) 山梨県では1カ所しか生育が確認されていない貴重なシダ。


    5月再訪した際に見つけた個体は痛んだ古い葉の根元に新しい葉が出始めていた。


    線状のソーラスが付着する。


    苔の緑が美しい渓谷(山梨市牧丘町)


    フジシダ(山梨市牧丘町) このシダはそんな苔生した岩の上を好んで生育する。


    フジシダのジャングル(乙女高原) 苔の生す谷を発見し探索したところ、フジシダの大群落に遭遇した。


    こういう景色を見ていると、「シダは美しい」と思う。


    クリハラン(身延町) 沢沿いの崖っぷちに生えていたクリハラン。不覚にも三脚は持ったがカメラを忘れてスマホで撮影した画像。


    別の場所で遭遇したクリハランは沢沿いの用水路脇に群生していた。


    アオネカズラ(南部町) 渓谷沿いの岩に垂れ下がっていたアオネカズラ。


    裏側から見た黄色いソーラス。渓谷沿いの古い木に着生してるものが多い。


    ホソバショリマ(南部町) 流線型で葉質が柔らかい美しいシダ。


    群生しているが生育地が極限られており、こんなに生えていても絶滅危惧種である。

 全てが山梨県絶滅危惧種のシダでⅠA類かⅠB類の貴重なシダである。



 山梨県絶滅危惧種のシダはラン科植物と比較して数的にはあまり変わらない。美しいラン科植物(そうでも無いものもあるが)は人気が高いが、シダは道端に生えていてどれも同じに見えることから敬遠されていることが多い。しかし、絶滅危惧のシダはそれなりに特徴的な姿をしているものが多い。ラン科植物はランクが高いほど個体数が少ないものが多いのだが、シダの場合は個体数はそこそこにあるものの分布域が限られているものがあることが大きな違いではないかと思う。中にはキタダケデンダやタキミシダ、まだ見ていないヒイラギデンダやイナツルデンダのように分布が限られているうえに個体数がきわめて少ないものもある。ラン科植物よりもおそらくは長い歴史を持ち、様々な形態や生育様式を持っているシダを見ることは、地球環境の変化を見るうえで良い指標になると考えている。
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今年見た花たち ~三ツ峠山荘講演から抜粋~  令和2年6月28日

2020年07月01日 | 花・花・花
 毎年恒例となっている山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山だが、今年はコロナウィルス感染対策のために一般募集せず自然保護グループとその仲間たち、計8人で三ツ峠に出かけた。小人数ではあったが恒例となるパワーポイントを使った講演をやらせていただいた。いつもならば山梨県の絶滅危惧種と保護の現状についての話をするのだが、今回は自然保護にたずさわる勝手知ったる仲間たちなので、今年見た花の画像とこれから咲くであろう花を上映した。


    早川町のフクジュソウ


    萼片の長さを見てくることが昨年見落とした今年の課題だった。


    この場所のフクジュソウは萼片が花弁の長さと同じくらい長い。


    こちらが今年初めて見たミチノクフクジュソウ(北杜市)


    萼片の長さは花弁の半分から3分の2くらいでフクジュソウに比べて短い。


    かつ、花の色もフクジュソウに比べて薄く、黄色ないしクリーム色。


    アズマイチゲが一緒に咲く良い場所だったが、訪問時間が悪く花が開いているところは見ることが出来なかった。


    沢沿いに咲いたコシノコバイモ(甲府市)


    行きの中に顔を出すコシノコバイモ(甲府市)


    春の雪とコシノコバイモ(甲府市)


    今年はたくさん咲いてくれたカイコバイモ(身延町)


    カイコバイモ(身延町)


    カイコバイモ最大の自生地は今年は少なかった。(篠井山)


    レインジャー調査で訪問したカイコバイモ(篠井山)


    ハナネコノメソウが咲く渓谷(黒富士農園)


    昨年の台風の影響を心配したが今年もたくさん咲いてくれた。(黒富士農園)


    絶滅危惧種に入ってくるであろう山梨県のキバナノハナネコノメソウ


    渓谷沿いの比較的広い範囲に生育していることが分かってきた。


    毎年の恒例となっているカザグルマ(甲府市)


    今年は花数が少なかった。


    保護柵内のキンラン(甲府市)


    キンラン。保護柵の外ではほんの数株しか見られなかった。危機的な状況である。


    柵内のもう1株は虫に食べられていて咲かず。全く増えてくる気配が無いキンラン。どうやって保護すれば良いのか?


    新たに見つかったトウダイグサの仲間


    センダイタイゲキ。山梨県で発見されたのは初めてである。


    センダイタイゲキ


    ちなみにこちらが良く見かけるナツトウダイ。


    マントの部分の形がこちらは三角形である。


    アマドコロ。これは茎の片側に花が偏る。(高座山)


    真直ぐに立って花が偏らない。


    ヒメイズイ(高座山)


    綺麗な花とは言えないが稀少な花、フナバラソウ。


    フナバラソウ(高座山)。アリがたくさん寄ってきており、アリによって受粉するようだ。


    カモメランの保護柵(御坂山系)


    復活してきた植生とカモメラン


    年々花数が増えてきているカモメラン。3年前の食害からやっとここまで戻ってくれた。


    しかし別の保護柵内では柵の破損とシカの食害が確認されている。来年は囲い直す必要あり。


    保護柵内で復活した黄色い花


    垣間見た赤紫色の花


    どんな花が咲くのか?たぶんオオバノトンボソウ(甲府市)


    どんな花が咲くのか?新たに見つかった自生地。

 今年6月までに見てきた花を三ツ峠山荘での勉強会で紹介した。本当の花の時期はこれからである。時間と天候の許す限り、里山から高山まで見て歩きたいと思っている。
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