我々日本人は東ヨーロッパ諸国の歴史や文化にあまり興味がありません。明治維新以来の富国強兵の為に役に立たない国々であった為です。大日本帝国の近代化された軍隊組織は英国、フランス、ドイツを参考にし作られました。軍艦も戦闘機もこれらの西ヨーロッパの国々から輸入されたのです。チェコの機関銃以外、東ヨーロッパから輸入するものが無かったのです。
東ヨーロッパ諸国は第二次大戦後、ソ連の衛星国になってしまい、情報は途絶えてしまいました。1945年から1989年のゴルバチョフによる情報開示まで東ヨーロッパは情報の暗黒地帯だったのです。従って、私は何故、アウシューヴィッツ強制収容所がポーランドに存在したか?その理由が理解出来ませんでした。東ヨーロッパ事情に興味が無かったからです。この知的怠慢を私は非常に恥かしく思っています。
最近、ポーランドの悲劇を少し調べて見て分かりました。ポーランドには一番多くユダヤ人が住んでいたのです。270万人以上です。ヒットラーがユダヤ人絶滅戦略の為には、まずポーランドのユダヤ人を殺すのが一番効率の良い方法です。
他の諸国のユダヤ人は数も少なく、集める労力がかかり過ぎます。従って結果的に殺戮率も少なくて終りました。ポーランドのユダヤ人は99%殺されたのです。
ヒットラーによって殺されたユダヤ人は600万人と言われています。その出身国を以下に示します。ポーランド、ソ連、ハンガリーがず抜けて多いことにご注目下さい。
ドイツに殺されたユダヤ人 の出身地:
ドイツ: 165,000 、オーストリア: 65,000 、フランスおよびベルギー: 32,000 、オランダ: 10,000以上 、ギリシャ: 60,000 、ユーゴスラヴィア: 60,000 、チェコスロヴァキア: 140,000以上、ハンガリー: 500,000 、ソ連: 2,200,000 、ポーランド: 2,700,000
この他も合計すると1100万人前後(ユダヤ人600万人、非ユダヤ人500万人)となる。(数字の出典:Wikipediaの「ホロコースト」の項目より)
日本には65年間戦争がありませんでした。皆が戦争のことを忘れ、その悲惨さも忘れようとしています。ヒトラーのドイツが600万人ものユダヤ人を理由も無く殺したのです。そのドイツと日本は軍事同盟を組んで共に第二次世界大戦を戦ったのです。ユダヤ人の大量殺戮に日本人は責任が無いのでしょうか?私は、何故か、少しは責任があるように感じています。皆様のご意見はどのようなものでしょうか?コメントとしてご意見を頂ければ嬉しく思います。(続く)
ホロコーストとは焼き尽くすという意のギリシャ語からきているそうです。そのイメージの挿絵を下にしめします。溶鉱炉の夜景の写真です。アウシューヴィッツの写真はあまりにも憂鬱になりますので、ご勘弁して下さい。