後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

昭和18年10月神宮外苑、学徒出陣壮行会の写真

2010年02月01日 | 写真

今日はついに冷たい雨になりました。夜には雪になるという天気予報です。外で遊び回ることも出来ないのでパソコンを開いて、めいこさんの「80歳の生活」(http://hyoutannjima.hp.infoseek.co.jp/ というブログを読んでいました。平成20年10月に「映画、「最後の早慶戦」」という記事を見ていましたら神宮外苑での学徒出陣壮行会のことが出て来ました。これを思い出すと私は何時も涙が出てきます。当時はまだ幼かったので、その映像は戦後の映画やテレビで見ました。何度も見て心に焼き付いてしまったのです。暗い秋雨の降る日です。関東地方の旧制専門学校と大学の文化系の学生が卒業を繰り上げて、死を覚悟で出征するのです。25000人の学生が三八式小銃をかついで行進をします。女子学生を前列に5万人の観衆が学生の出征を送ります。壇上には東条英機首相が前の行進を暗い顔で見降ろしています。行進した25000人の学生のうち何人が無事故郷へ帰ることが出来たのでしょう。

この壮行会の写真を記録として残し、少しでも数多くの若い人々に見て頂きたいと思いました。インターネットで写真を探しました。そして瀬野尾 澈夫さんという方のホームページを見つけました。Musasino Rest Gallery(http://www5a.biglobe.ne.jp/~t-senoo/) がその名前です。内容をご自分で次のようにご紹介されています;都心を中心に、武蔵野の四季折々の花や風景など自然のたたずまいの写真と、動きのある楽しい画像表現、それに多くの写真と言葉による「胸を打つ人間ドキュメント」「戦争を語り継ぐ」など、人の心に訴えるホームページです。そして自己紹介のページに以下のような思い出が書いてありました:昭和20年8月15日、盛岡中学(石川啄木,宮沢賢治は同窓)2年のとき、学校を守るため柔道場に寝泊り中、炎天下の校庭で天皇陛下の終戦宣言のラジオ放送を聞く。どうも敗戦らしいと判断し、しばし呆然としたことが一生の強烈な思い出として残っている。

このホームページはいろいろな意味で感動的な内容を持っています。今回は、「戦争を語り継ぐ」という分類項目から「学徒出陣壮行会」の写真を転載させて頂きます。

写真の説明はMusasino Rest Gallery(http://www5a.biglobe.ne.jp/~t-senoo/ をクリックして瀬野尾 澈夫さんの文章をお読みください。どうぞ皆様、日本がこのような残酷な壮行会を神宮外苑で行ったという歴史を絶対に忘れないでください。

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冬瓜と野球少年

2010年02月01日 | 日記・エッセイ・コラム

冬瓜というウリ科の農産物があります。夏に山梨県の北西部を車で走っていると道端で売っています。淡い色で、太く1メートル近い長さです。その巨大さに吃驚して1本買ってきました。農産物は何故か心を慰めるのでしばらく座敷に飾っておきます。

近所のK君が遊びに来ました。早速、大きな冬瓜を見つけ、持ち上げようとします。まだ1歳だったK君には持てません。冬瓜を立ててK君と並べて写真を撮ります。それ以来毎年夏になると山梨県の農道から冬瓜を買って来てはK君と並べて写真を撮ります。毎年買ってくる冬瓜は一定の大きさですが、K君は年々大きくなります。抱きかかえる姿、目よりも高く差し上げる姿。毎年撮ったものを並べて額に入れて飾ります。冬瓜がK君の成長ぶりを測定する原器になります。

そのK君は現在、中学生です。野球少年です。学校の野球の部活が忙しく、もうめったに遊びには来ません。しかしK君が小学生の頃は野球の試合を時々見に行きました。そのお陰で最近の「野球少年の世界」がよく分かりました。

少年野球は何か一つの道場に通うような感じです。ちゃんと監督がいて、コーチが6、7人居て練習を重ねるのです。他の道場のチームと試合をする時は専門的な審判が出てきます。見物人は親や家族が多いのですが、見物の仕方にも規律があり、真面目な声援は良いのですが野次は禁止です。

私は大人が8人乗れる車を持っているので時々チームの試合場への送り迎えをします。少年が数人にコーチや監督が必ず1人ついて乗り込んできます。私は黙って運転しますが、彼らは野球の話をします。野球少年の世界は別世界です。監督やコーチは学生時代に野球部でした。六大学の試合や早慶戦にかかわった人が多いのです。プロへ入れるほど上手でなかったのですが、兎に角、めっぽう野球が好きなのです。野球さえ出来れば幸福なのです。監督やコーチといっても全てボランティアです。交通費を払って遠方から週末になると通って来る人もいます。野球チームは同じ小学校の1、2、3年生中心のグループと4、5、6年生中心のグループに分かれているようです。

野球少年は礼儀を重んじます。努力を重んじます。監督やコーチがその事を訓練するからです。自分達が野球部で習って来たことを少年へ伝授しているのです。監督やコーチへは絶対服従で敬語を使います。

野球の技術についても投球の仕方、打撃、守備、走塁を丁寧に繰り返し教えます。体が小さくで非力なK君の投球の姿が本格的でサマになっているのです。バントも上手になりました。注意して見ていると少年野球でもチームワークの重要性も教えています。

その上、早朝訓練や暗くなってからのグランド整備など精神的な訓練もします。そこには日本の伝統文化が息付いているのです。早朝訓練の日は母親が早くから起きて温かい朝ごはんと弁当を用意します。                         

同級会などで昔の仲間と会うとよく「最近の若者はけしからん!」とグチを言う人が必ず居ます。そんな事も無いよ、と反論したいのですが黙っています。K君のような野球少年を知らないだけの事です。大した問題でもありません。

K君もめったに我が家へ遊びに来なくなりました。東京の八百屋では太くて長い夕顔をどういう訳か「冬瓜」といって売っています。形が似ているからでしょうか。

そんな夕顔を見るたびに野球少年のK君の幼かった頃を思い出します。(終り)

冬瓜の挿絵でも出したいのですが、無いのでめいこさんのカボチャやゴーヤ瓜の絵を挿絵としてお借りします。出典は、http://hyoutannjima.hp.infoseek.co.jp です。

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。藤山杜人

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