後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

シンドバッドの活躍したアッバス朝ペルシャと地中海世界

2010年09月07日 | うんちく・小ネタ

中近東文化センター付属博物館で開催中の企画展、「シンドバッドの大冒険とガラスの海」の展示物をより深く理解する為の参考情報をお送りします。

アッバス朝ペルシャはイスラム圏が一番隆盛したときの王朝です。その王国は地中海世界と紅海やアラビヤ湾、インド洋沿岸まで広大な領土を持ち、インドや東南アジアや中国と交易していたのです。今回の展示物は当時の輸出品を主に展示してあります。下にWikipedeaから転載させて頂いたアッバス朝の領土の図面と、この王朝の説明文を転載いたします。ご参考にして頂ければ嬉しく思います。

Abbasids850

アッバース朝?????? ???????? al-Dawla al-Abbāsīya)は、中東地域を支配したイスラム帝国2世襲王朝750 - 1258)。

イスラム教の開祖ムハンマドの叔父アッバースの子孫をカリフとし、最盛期にはその支配は西はモロッコから東は中央アジアまで及んだ。アッバース朝ではアラブ人の特権は否定され、すべてのムスリムに平等な権利が認められた。

東西交易、農業灌漑の発展によってアッバース朝は繁栄し、首都バグダードは産業革命以前における世界最大の都市となった[1]。また、バグダードと各地の都市を結ぶ道路、水路は交易路としての機能を強め、それまで世界史上に見られなかったネットワーク上の大商業帝国となった。

アッバース朝では、エジプトバビロニアの伝統文化を基礎にして、ペルシアギリシアインドアラビア中国などの諸文明の融合がなされたことで、学問が著しい発展を遂げ、近代科学に多大な影響を与えた。イスラム文明は後のヨーロッパ文明の母胎になったといえる。

アッバース朝は1258年にモンゴル帝国によって滅ぼされたが、カリフ位はマムルーク朝に保護され、1518年にオスマン帝国スルタンセリム1によって廃位されるまで存続した。

出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%9C%9D


中近東文化センター付属博物館の紹介(1)企画展:シンドバッドの大冒険とガラスの海

2010年09月07日 | インポート

中近東文化センター付属博物館は実に内容豊かな博物館で、何度行っても感動します。今日も取材のために写真を撮ってきました。数多くの写真をテーマごとに分類整理して、数回に分けてご紹介したいと思います。

第一回としては企画展:「シンドバッドの大冒険とガラスの海」の写真を示します。

詳しくはhttp://www.meccj.or.jp にありますが、7月3日から11月7日まで開催中です。シンドバッドの冒険は「千夜一夜物語」のなかの話です。この物語が出来たのはイスラム圏の最隆盛期のアッバス朝の9世紀です。

今回の企画展では9世紀に限定せずにアッバス朝、750年から1258年を中心にバグダッドからインド洋を渡ってアジア各地と交易したイスラム商人の取り扱った品々を展示してあります。

バグダットからは没薬と乳香をアジアへ輸出し、アジアからは伽羅、沈香、などの香木を輸入しました。その他には数々のガラス製品やペルシャ陶器を輸出し、アジアからはコショーなどの香辛料やアジアの産物を、そして中国の見事な磁器を輸入したのです。今回の企画展では地中海全域のガラス製品を地域と製作時代によって整理し、分かり易く展示してあります。特に感心したのは、入り口で歴史を専門にしている大学生が、没薬と乳香を別々に焚いてくれて香りを教えてくれた事です。結局、彼が最後まで私について来て、展示品の学問的価値を説明してくれたのです。説明がとても的確で分かりやすく展示品の意味が分かりました。

下に5枚の写真を示します。特に2枚目の写真のガラス器は、2枚の薄いガラス板の間に金箔模様を挟み、慎重に焼いて、成形したものです。こうすると金箔は絶対に剥がれません。非常に高度な製法技術です。その故、この器は世界的に有名で、この器だけを見るために外国から何人かの訪問者があったそうです。

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美しさの中に隠された醜悪な光景の写真

2010年09月07日 | 写真

富士山の周りには青木ケ原樹海のように美しい森林が豊かに広がっています。少し高いところから見降ろすと、それは樹海の名前にふさわしく大きくうねりながら緑に輝いています。樹海の美しさを撮影した写真をご覧になったことがあると思います。国有林で人の手を一切入れない林です。

しかし、その樹海のハイキングコースに入ると、周囲の光景は一変します。暗い森林の中には倒木が縦横無尽に横たわり、無残な姿になっているのです。それが私には醜悪な光景と感じられます。貴方はこういう光景が美しいと感じますか?それとも醜い光景と感じますか?人それぞれ感じ方は違います。どちらでも良いのです。

遠方から見ると美しく見え、近から見ると醜いものは他にも沢山ありますね。人間にもそのような人が居ます。私もその傾向があります。しかし遠方から見ても、近くから見ても美しい人も居るのです。そんなことを考えさせる対称的な写真を下に示します。

まず遠方から見た樹海の写真です。

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この樹海へ一歩足を入れると下の様な光景が広がっていました。

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蛇足:昨日の読売新聞1面に政府は北海道に国内最大の森林保護区を作る方針だと報じていました。24万ヘクタール、東京都の全面積より広いそうです。登山道以外は一切人の手を入れさせないのです。都会の人々は森林保護区というとその実態を知らないで大賛成します。私は賛成も反対も出来ません。このような安易な方針に不安を感じながら考え込んでしまいます。皆様はいかがでしょうか?

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人