尖閣列島の問題になると、多くの人々がそれは日本の領土として証明されていて議論の余地がないと平気で言います。
その言い方はあまりにも感情的であり、「客観的証明」というものをひどく軽々しく考えているようです。実に寒心に耐えません。
本来、証明とは欧米人もアジア人も全ての人々が納得する幾つもの証拠が存在している場合に使って良い言葉なのです。日本人だけが納得する証拠は幾ら数え上げても証拠になりません。
1940年まで日本人のカツオ節工場が存在していたから日本の領土だという証拠になるという主張は、全く証拠になりません。大日本帝国の軍隊に守られてカツオ節工場があったとしたら、それは武力領有で、敗戦後、中国側へ返還されるべきだと中国側は主張します。
証拠は先方も周りの国々も納得するものでなければ証拠と言えません。
韓国や台湾やフィリピンの人々に尖閣列島の領有権がどの国にあるか聞いてご覧なさい。日本ですと明確に答える人が何人いるでしょうか?
日本政府はこれまで尖閣列島が日本の領土だという証拠を作り、その事実を周辺国へ宣伝して来なかったのです。
勿論、住民に住んでもらい、自衛隊を常駐させ実効支配をする努力もして来なかったのです。固有の領土としての努力をしていないで巡視艇がいきなり中国漁船を拿捕すれば中国政府にうまく利用されてしまいます。
日本政府の自閉症的な発想と外交戦略の欠如が今回の事件があばきだしていると思っています。
さて貴方はどのようにお考えでしょうか?反論を頂ければ大変嬉しく存じます。