しばらくヨットに行っていないと、猛烈に泊まりに行きたくなります。しかし泊まると辛いことが多くて、苦行のようなのです。泊まりに行こう!いや辛いから止めなさい!2つの声が私の心の中で言い争いをしています。
楽しいことは上の写真のようにデッキに座って夜景を楽しみながらビールを飲むことです。涼しい湖の風がほろ酔いの頬をなで、船体を叩く波の音がなんとも心地良く聞えます。空を見上げると一面に散らばっている星がほのかに見えます。周りのネオンサインが明るいので鮮明には見えませんが、神秘的な夜空の高さと広さに心が吸い上げられそうです。航海灯をつけたマストが高くそびえて、宇宙の広大さを引き立てます。至福の時です。それが夕方の5時ころから9時頃まで続きます。
しかしその後は苦行の時間へ一転します。まず狭いキャビンの中を整理整頓します。キャビンの床を丁寧に拭いて、布団を敷きます。そこへ朝まで寝るのです。板の上に寝る。狭い所に寝る。これが苦しい体験です。天井の低い前部寝室に寝ると閉塞感で息が詰まります。そこで天井の高いメイン・キャビンの床に寝るのです。しかし寝心地が悪くて、夜中に何度も起きてしまい、まんじりともせず朝を迎えます。下の写真が狭いキャビンの床に布団を敷いた様子を示しています。
4時30分になると明るくなります。起き上って布団をキチンと畳んで、前の部屋にしまいます。そしてテーブルを出して、顔を洗い、髭を剃って、コーヒーを淹れます。寝不足なので手が器用に動きません。持参のホットドックをコーヒーで流し込んで出港の準備をします。これら全てが苦行のようです。
出港してセールを出して沖の方まで帆走します。しかし天気もあまり良くありません。しかし一泊した以上は翌日のお昼までは帆走すべきという規則を自分で作ってあります。これも一種の苦行です。下の写真がその様子を示しています。
趣味は人それぞれでどんな趣味でも良いものです。しかし私の趣味は楽しい時間と苦行の時間の両方があるようにしています。ヨットも山小屋の趣味も両方の時間があります。そのせいか長続きしています。楽しいだけの趣味は私はすぐ飽きてしまいます。しかし世の中には楽しいだけの趣味を長く続けている人もいます。尊敬しています。皆さんの趣味は如何でしょうか?
詰まらいない話で恐縮です。止めます。(終り)