後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

建築家の原田智章氏をご紹介いたします

2010年10月29日 | うんちく・小ネタ

随分以前から近所に簡素で美しい住宅がありました。芸術作品のような家です。庭樹と塀と屋根が渾然一体になった木造建築です。2年ほど前に、勇気を出して設計者を訪問し、取材を申し込みました。御忙しい方ですが、2時間ほどお話を聞きました。一級建築士の原田智章氏で建築計画事務所を開いています。上野の芸大の建築学科を出て、恩師の経営するアトリエでチーフ・エンジニアを10年以上務めたのちに独立したそうです。今日は久しぶりに最近の作品のお話を聞くために建築計画事務所を訪問しました。

004 左の写真が建築家の原田さんです。工学院大学の先生もしていらっしゃいます。その下の写真は事務所の室内風景です。

今日は九州に最近完成した素晴らしい住宅のお話を聞いてきました。その作品のことについては来週ご紹介いたします。その代わり、以下に、2008年12月10日にこのブログで掲載した記事を再録いたします。美しい材木を生かした作品の写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。

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====2008年12月10日掲載記事の抜粋======

お話の中心は施主の予算内で如何に美しく、住み心地の良い家を作るか?という問題でした。芸大卒だけに従来に無い独創的な建築美を作ることに情熱を持っています。しかし施主とは何度も、何度も話し合って建築美と建築コストと住み心地の関係の最善のバランスを追求するそうです。日本の杉や檜を使った全木造の体育館や公共の建物や住宅を作ってきました。まだお若いのにいろいろな建築デザイン賞もとっています。

多くの作品の写真を見せてくれました。飾り構造をそぎ落とした茶室のような印象です。しかし北欧の固い針葉樹で作った家具の機能的な美しさも備えています。日本の「侘び寂び」の伝統美とヨーロッパの家具や建築の機能美が深く溶けあって一種独特な造形芸術作品になっています。

その繊細な美しさはブログでは表現出来ない。無理に掲載すると原田さんの建築美にキズを付けてしまう。そんなメールを送りました。

ここに紹介する2枚の写真を添付してメールが返ってきまた。「写真から設計者のメッセージが伝わらなければ設計者の責任です。どうぞご自由にお使い下さい。」という返事でした。

初めの写真は大分県中津江村の注文で山頂に作ったあずま屋です。屋根板はまだ乗っていない段階の写真です。「200海里の森つくり」という水源涵養事業の一つです。

道が無くて車や重機の上がれないところです。ボランティアの人々が材木を持って登ってくみ上げられるように設計してあります。材料は村内の間伐材だけです。材料1本が人間一人で持って上がれる重さに切りそろえてあります。それらを通しボルトで組み上げた構造になっています。周りの山の景観に調和した建築物になっています。施工は平成15年10月19日でした。

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次の写真は大分県中津江村の村営住宅です。全て木造で間伐材を使っています。一家の室内を広々させるために柱を無くしました。2階と屋根の重さは外壁で受けています。美しい形状の木造螺旋階も、高い天井も全て磨いた檜です。住んでいる人が毎日見る天井や階段が優しい美しさにあふれています。住み心地が良い筈です。この村営住宅は平成15年度の大分県の豊の国木造建築賞(ユニーク構造賞)を受賞しています。

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原田さんの最近の注文主は東京近辺が多いようです。美しい家を合理的なコストで建てようとしている方は原田さんへご連絡してみて下さい。(終わり)


TOKYO DESIGNERS WEEK 2010 のご案内

2010年10月29日 | うんちく・小ネタ

TOKYO DESIGNERS WEEK 2010・くらしと環境のデザイン展が下記のように開催されます。

10月29日から11月3日まで、11:00-22:00、最終日11:00-18:00

明治神宮外苑絵画間前、詳しくは、http://tdwa.com/ (入場料などお調べの上、お出かけ下さい)

内容:今年25年目を迎えるデザインイベントです。明治神宮絵画館前に建築やインテリア、プロダクト、グラフィック、ファッション、アート・・・などの優れた作品が世界中から集まり、企業や団体、大使館、学校、デザイナーが出展します。

006 この大きなイベントの一部分として工学院大学の建築学専攻の大学院の学生さん達が左のようなテーマで作品を展示しています。指導者は鈴木俊彦先生と、私の友人の原田智章先生です。今回のデザイン展は「絶滅危惧種」の保護を訴えるようなデザインを創作することを主題にしています。そこで、日本の林業も絶滅危惧種になぞらえて林業の重要性を訴えるような、そして美しいデザインが展示してあります。

その作品は美しい日本の材木を使った藝術作品が展示してあります。ちなみに工学院大学は来春から日本の大学で初めての「建築学部」を創設します。

どうぞ奮ってご出かけ下さいますように御願い申し上げます。


世の中には凄い人が居ます・・・「異国の風景」というHPをご紹介します

2010年10月29日 | インポート

この前の記事が中国の事なので中国の風景写真を添えようとしました。あちこち探していましたら、「異国の風景」(http://ikoku.cool.ne.jp/ )というホームページを見つけました。リンクフリーですとの事なので中国奥地の写真3枚を転載いたします。数百枚、いや数千枚の写真があるHPです。ご自分で撮った世界中の写真が旅日記とともに掲載されています。世の中には凄い方も居るものだと、つくづく思いました。是非、原写真を開いてお楽しみ下さい。Img_3018c1_2Img_4162c1_2 Img_3721c1_2


次期国家主席、習近平の中国とどのように付き合うか?

2010年10月29日 | 日記・エッセイ・コラム

2012年に胡錦濤主席の後をついで習近平副主席が10年間任期の国家主席になると言われています。習近平さんは人格円満で誰にでも好かれるタイプの男です。日本の新聞は歓迎ムードで、その経歴を詳しく紹介し、中国の将来を期待しています。彼は文化大革命の間、貧困地帯の農村へ下放され、そこでの感動的な生き方が村人の尊敬を集めたそうです。まだまだ若いのに村の書記長になってしまったという英雄伝説的な記事が散見しています。大変結構なことですが、習近平さんが国家主席になれば中国と日本の関係は円満に推移するでしょうか?今日はこの問題を皆様とご一緒に、少し考えて見たいと思います。

今回の尖閣諸島のような不愉快な事件が起きないようになるでしょうか?中国は国際的なルールを守る立派な国になるでしょうか?三権分立のある民主国家になるでしょうか?共産党の一党独裁を止め、多数の政党から選挙で国会議員が選ばれる国になるでしょうか?経済力に支えられた軍事大国路線を止めるでしょうか?

これらの質問の答えは全て、「否!」です。ノーなのです。何故でしょうか?

明快に説明するためには、共産党一党独裁体制が変わるか否かを一番始めに書くのが賢明です。習近平さんがゴルバチョフさんのような信念を持てない性格なので中国の変革が出来ないのです。ゴルバチョフさんは失脚してから暇になり日本へも度々遊びにきました。芸能人と話をしています。それを聞くと非常に明晰な頭脳と個性的な信念の持ち主なことが分かります。ああ、こういう人だからソ連体制を止めに出来たのだ!と深く納得出来ます。

それに比較すると習近平さんはあまりにも円満過ぎます。政敵が1人も居ないそうです。協調的過ぎます。喧嘩や争いの仲裁の名人として有名なそうです。

習近平さんが共産党独裁に終止符を打てない人物だからこそ胡錦濤主席そのその周辺の人々が彼を後継者へ選んだのです。

そのように考えると全ては明快に見通うせます。共産党独裁が続くかぎり中国は日本に次から次へと難題をつきつけます。

それを予測して対策をたてて行けば一々腹を立てずに平常心で中国と付き合えるのです。感情的になればなるほど日本は損をするのです。皆様のお考えをお聞かせ頂ければ嬉しく思います。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人