府中市の大国魂神社から続くケヤキ並木道を北へ数百メーロル行った所にカトリック府中教会があります。
私の趣味の一つに見知らぬ教会へブラリと入って見物することがあります。この府中教会は1990年からカトリックの教会になっていて、よく車で前を通っていましたが、一度も入ったことがありません。
今日は取材のつもりで家内と一緒に車を入れてて前庭に駐車しました。
門柱を見るとカトリック府中教会という標札も出て居ますが、ミラノ外国宣教会の教会という看板も出ています。ローマ法王直属の宣教会です。カトリック東京大司教区の方針に従って宣教活動をしていますが、イタリアの教会です。これは変わっていて面白いと思いました。
左の写真や下のイエス様誕生の像の写真を撮ってから聖堂に静かに入ってみました。入って行くとイタリア人らしい神父さんがミサをしています。
後でお名前はマウリツイオ神父さんと分かりました。下に聖餅を信者達へ優しく与えている写真を示します。
このように気楽に教会に入り静かに見学するとキリスト教の実態が分かります。決して読書では得られない体験的な理解が出来るのです。
話は飛びますが、以前ヨーロッパに住んでいるころよく教会に見物に入ったことがありました。ガランとして誰も居ない時も静かで良いのですが、ミサをしている時などは信者の祈る姿や表情を見て居るとキリスト教の神髄が分かります。ヨーロッパ文化の真髄が分かるような気がします。静かにしている限り常に歓迎してくれます。皆様も是非、教会を気軽に見物の為にお入りになる事をお勧めいたします。
今日はミサの後、マウリツイオ神父による旧約聖書の出エジプト記の講義がありました。知性あふれる方です。優しい話し方です。ついつい聞いてしまいました。エジプトのユダヤ人は430年もエジプトに住んた後、ヤーウエの神に導かれて、モーゼの指導で海を渡る話です。紀元前600年以上も前のエジプト王朝のファラオが神でもあったのです。ユダヤの神ヤーウエの方が圧倒的に力のある絶対神だったという話を説明してくれました。当時のエジプト人の迷信や俗信が旧約聖書ではどのように転化し、新しい意味を持つようになったかを歴史的に、明快に話すのです。素晴らしい話し方です。古いエジプト人の農民の酵母無しのパンを食べる儀式と牧畜民の生贄のヒツジの血を住宅用のテントの支柱に塗り悪魔除けの儀式が合体したのが過越祭なのです。そして過越祭の意味は魔よけから神による保護へと意味が変わったのです。
そのように迷信や俗信が時代とともに変化し、新らしい意味と役目を果たすようになると説明してくれます。眼から鱗です。クリスマスもゲルマン民族の冬至祭を踏襲し、イエス様の誕生日となったのです。復活祭は春到来の祭りでした。
このように古い迷信と習俗が生まれ変わって文化が変化して行くのです。マウリツイオ神父さんは文化人類学の学者でもあったのです。神学をよく知っている神父さんは多いです。そしてマウリチイオ神父さんは人間の温かい血を持った学者でもあるのです。そこで帰宅後、ミラノ外国宣教会を検索して調べました。 最後に日本に来ている21名の神父様のお顔の写真を示して、この記事の終りと致します。ウリツイオ神父は最下列の左から2番目の写真です。