現在、日中間は感情的な対立をしています。まあ、簡単に言えば憎み合っています。険悪な関係です。こんな時に日中友好を進めている中国人が居るのです。香港在住の実業家の曹其鏞(そうきよう)さんです。
中国の5つの大きな大学へ私財を投げ打って、「日中青年交流センター」を建設する事業を進めています。5つの大学へそれぞれ2億5000万円を寄付し、このセンターを建設するのです。合計12億5000万円の私財を寄付するのです。日中の学生や研究者の交流を支援し、若い世代間の相互理解と友好を促進する事業です。
北京大学、清華大学、浙江大学では寄付の申し出の受け入れを決定しています。この他の復旦大学と上海交通大学では検討中です。
この5つの大学は中国で一番レベルの高いエリート大学です。それらの大学が曹其よう氏の申し出を受け入れるためには、学内に、「日中青年交流センター」を建設する土地を提供し、職員を配置しなければなりません。北京大学、清華大学、浙江大学ではその方針で動き出したのです。
曹其よう氏は昔、日本へ留学していました。お世話になった日本人へ恩返しをしようとしています。その上、北京大学、清華大学、浙江大学、復旦大学、上海交通大学などの卒業生が多数、日本へ留学しています。帰国後、それらの大学で教授になり日中友好に務めている人々も多いのです。また日本からも多くの若者がこれらの大学へ留学しています。
日本と中国との深い交流は根強く続いているのです。曹其よう氏の今回の義挙は日本人の頭を冷静にさせてくれます。中国人は本来恩義を忘れません。政治家の軽挙妄動に惑わされないでもっと長期的に日中間の友好を考えて行くのが良いと信じて居ます。この記事は12月23日の読売新聞の9ページの記事にもとずいています。記して読売新聞へ感謝の意を表します。
(終り)