(1)クリスマスの常識です!
ローマ帝国の占領地であった中近東にイエス様が生まれました。ローマから派遣された総督がその地方を統治しています。丁度、マッカーサー司令官が敗戦後の日本を統治していたような状態です。その地方はユダヤ教の地でした。
現在のイスラエルの死海のそばのナザレという町があります。そこに大工のヨゼフとマリアが住んでいます。ある年に2人は旅に出ます。当時のローマ皇帝が全領土の人口を正確に調べることにしたためです。ヨゼフとマリアは自分の郷里のベツレヘムへ行き登録しなければならないのです。この政策ではローマ帝国領の住民全員が出身地へ帰って戸籍簿へ登録する必要があったといいます。
ヨゼフとマリアがベツレヘムという町の郊外にやっと着いたときは夜も更け、どの宿屋も満員でした。仕方が無いので馬屋の中の少しでも温かい所に寝ることにしました。明け方に、マリアが一人の男の子を産みます。生まれた赤子は飼葉桶の藁の中に寝かせました。イエスはこうして生まれたのです。
飼葉桶の赤子は成長して、新しいユダヤ教を広めました。それが、キリスト教と呼ばれる宗教に育っていったのです。イエス様は異教徒や下層に生きる人々を差別なく大切にしました。
ユダヤ民族もあらゆる民族も差別しないという教義のためギリシャ、ローマ、アフリカと広まり、ついには世界中に広まりました。
クリスマスは、この赤子がベツレヘムで生まれた誕生日です。もちろん2000年位前の大昔のことですから、正確な月日は分からないと考えたほうが正しいと思います。古くからヨーロッパに伝わっていた冬至祭と一緒になり、12月25日の明け方に生まれたということになりました。ですから24日はイエス様の生誕前夜祭(クリスマスイヴ)と言います。
(2)クリスマスの非常識・・・奇蹟を信ずることは非常識か?
キリスト教信者はイエスが2000年位前の実在の人間で、新約聖書に書いてある数々の奇蹟をおこしたと信じている人々のことを言います。またイエス様は神から遣わされ、後にピラト総督の裁判によって処刑され、3日後に復活し、現在は神の右の座についていると信じている人々です。
そして信者にとってはイエス様は現在でも生きていると信じています。毎日生まれているとも信じています。
このような人々の態度を非常識と笑い飛ばす人も居ます。特に日本には無宗教の人が多いのでクリスマスはプレゼントを交換して家族団欒の日として過ごします。それはそれで大変良い事です。しかし非常識の世界を少しだけ想像して過ごすのも良いものです。
(3)同行二人とは?
イエス様が貴方のそばに立っているという感覚を分かりやすく説明するとき、私は何時も四国のお遍路さんの気持を説明します。お遍路さんは「同行二人」と信じて苦難の道を歩き通すのです。同行二人とは弘法大師と自分の二人という意味です。いつも弘法大師様が付いてきて下さるから、苦しい道も歩き通せるのです。
弘法大師は民衆の苦しみを救う為に全国を旅した方です。慈愛に満ちた方でした。その方とイエス様は似たところがあります。そのように考えるとキリスト教がグッと身近に感じられます。
クリスマスの季節にキリストを少しだけでも身近かに感じる人は幸せです。
今日も、皆さまのご健康と平和をお祈りいたします。藤山杜人