プーチン大統領の柔道をテレビで見たことがありますが、小柄で柔軟な体を敏捷に動かし、相手の攻撃を返し技(かえしわざ)で一本取るのが得意のようです。
今回、2020年のオリンピックが日本で開催されることが決定されると、プーチンさんは、安倍総理にお祝いの電話をくれました。
そして柔道の審判がみんな日本へ贔屓するからロシアはメダルが取れなくなると冗談を言いました。安倍総理は真面目に審判は客観的に判断するからご心配なくと答えたそうです。
相手が冗談を言ったのですから、もっと面白い冗談を返してギャフンと言わせれば良かったのです。残念です。大阪人だったら上手く返したと思います。
今回のアメリカが言い出したシリアの武力攻撃をめぐる国際間の抗争で、プーチン大統領は奇想天外な返し技でアメリカに一本勝ちしてしまったのです。
その返し技とはシリアの化学兵器を国際管理するという提案です。提案だけでなくシリア政府の同意を得た後でこの返し技を世界へ向けて発表したのです。
シリアの化学兵器の国際管理のアイデアはこれまでマスコミに出ていなかった全く新しい手段なのです。私は、アッと驚きました。
オバマ大統領も一本取られたことを素直に認め、9月10日の公開演説でこのプーチン大統領の提案は建設的だと明言し、化学兵器が国際管理されれば武力攻撃をしないと発表したのです。
これでアメリカの上院と下院の武力攻撃に関する決議は延期されることになったのです。
シリアの化学兵器の国際管理は何処まで厳密に実行されるか不明です。しかしシリア内戦に強大な外国が介入して死傷者を激増する方向は無くなったのです。
外交努力で解決する方向に変換されたのです。
これはプーチン大統領の見事な返し技の勝利です。喜ばしいのです。
しかし日本はこれから、この卓越した業師(わざし)を相手にして、北方四島返還の交渉をしなくてはならないのです。
プーチンさんはいろいろと小さな技をまじえて日本を攻めたて、最後にどんでん返しの大技をかけて来ると思います。この勝負ははじめから日本の敗けと決まっているようで寒心に堪えません。
安倍総理がオリンピック開催決定で喜ぶのは良いことですが、プーチンさんとの外交交渉で勝ってください。
相手の返し技に用心しながら、最後は寝技で押さえつけて下さい。プーチンさんが参った!と畳を手で叩く場面を見せて下さい。
冗談はさておき、ここで決して忘れるべきでないことはシリア内戦で発生した200万人以上の難民の支援です。日本の数多くのボランティアNGOがすでにトルコ、ヨルダン、イラクに展開していて支援活動をしています。
是非、世界の難民を考える(4)200万人のシリア難民を既に支援している日本の7つのNGOという9月7日掲載の記事もご覧ください。下に関連の写真を示します。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)