後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

上高地の魅力(1)山々の景観の美しさ

2013年09月20日 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日の晩は平湯の奥飛騨ガーデンホテル焼岳に泊まり、昨日上高地を3時間ほど散策しました。

大正池でバスを降りて、梓川ぞいに田代池、田代橋、帝国ホテル、中の瀬、河童橋、そしてバスセンターに戻って来ました。大正池から田代橋まで45分、そこから帝国ホテルまで10分弱、そして中の瀬を通って河童橋まで30分、延べ4Km程の散歩です

滔々と流れる梓川の清流が見え隠れする湿地帯に広がる森の中に木道が完備していて歩きやすい道です。

空気が新鮮で樹木が美しいのでこの道は毎年家内と一緒に歩いています。何度行っても飽きないのです。

上高地の魅力を(1)山々の景観の美しさ、(2)梓川や田代池の水の美しさ、(3)巨木の下の道を歩く楽しさ、という3つのテーマに分けて写真を撮ることにしました。

今日の一回目は(1)山々の景観、をお送りいたします。

晴天でしたので山々がくっきりと見えました。下に昨日、撮った写真をお送り致します。

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大正池から見た穂高連峰です。学生の頃の1959年に行ったときは立ち枯れの木が林立していましたがその木々も朽ち果てて、ほんの数本が残っている状態になりました。風景も年を取って変わって行くのです。

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田代橋から河童橋の中間にある中の瀬から見た穂高と明神岳です。明神岳は右端の色の暗い山です。真ん中の白いものは岳沢の雪渓です。

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梓川を挟んで明神岳と対峙している山です。六百山と言うそうですが登山道もなく人が登らない山です。紅葉の季節に行くと川岸のカラマツ林が見事に紅葉し、素晴らしい風景になります。六百山のなかにカラマツが混じっていて、それも紅葉して美しい風景を作ります。

昨年は10月29日に行ったので下のような見事な黄葉でした。

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河童橋付近から梓川の下流の方向を見ると上の写真のように焼岳が見えます。大正年間に噴火して、流れ下った溶岩が梓川をせき止めて大正池ができました。

写真を撮ってくれた家内が大学生のころ小梨平にキャンプしてこの焼岳に登ったそうです。誰でも若い時は体力があるものです。

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大正池から4Kmほど上流の河童橋まで来ると岳沢の雪渓も真近かに見えます。

年老いて上高地を歩きながら大学生の頃、有房温泉から燕岳、常念岳、槍、南岳、大キレット、北穂、涸沢、徳合小屋と縦走して上高地に降りて来た時のことを思い出していました。

梓川の河原に茂っていた白樺の幹が白く輝いていました。そして上高地特有の川原の泥柳の枝が風で揺れている風景をとても神秘的に感じたものです。あれから茫々50年以上の歳月が流れてしまったのです。
ところで山々の名前にご興味のある方々のために名前を説明した写真を、http://www.kamikochikanko.com/kamikochi_mountain.htmlからお借りして下にお送りいたします。

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乗鞍岳、畳平へ登って先の戦争の狂気を想う

2013年09月20日 | 日記・エッセイ・コラム

乗鞍岳スカイラインという自動車道路が出来ています。

松本から高山への道を、上高地入口からさらに登り、安房峠トンネルを抜け、平湯バスセンターで一息つきます。1時間以上の狭い山岳道路を巨大な観光バスがゆっくり上ります。

そして平湯バスセンターからさらに1時間かけて「乗鞍スカイライン」を登ります。一般の自動車は通行禁止なのでバスとタクシーしか通っていません。

そこを登ると標高2700mの畳平という広大な駐車場に着きます。

その駐車場を囲むように魔王岳、恵比寿岳、不動岳、富士見岳、大黒岳、がぐるりと囲んでいます。

そして不動岳と富士見岳の間の尾根高くに、昔のコロナ観測所の白いドームが小さく見えます。

そのドームの奥には標高3026mの最高峰、剣ケ峯に続く険しい道があります。

大黒岳の足元には鶴ケ池という小さな火口湖のようなものがあります。

この畳平を取り囲むようにある峰々を総称して乗鞍岳と言っています。ですから乗鞍岳という峯はありません。

バスで登って畳平を1時間散策して来ました。

美しい高山植物の花の季節も過ぎ、樹木も無い、ただ岩稜が見えるだけのつまらない場所です。剣ヶ峰への登山を楽しむだけです。

穂高連峰や槍や常念岳、あるいは唐松岳、五竜岳、白馬や大キレットのような変化に富んだ風景がありません。登山としてもつまらない山です。

乗鞍岳は月の表面のように荒々しい岩稜があるだけです。

そこへ自動車道路が出来ているのです。標高2873mの旧コロナ観測所まで自動車道路が出来ているのです。

何故、こんな所に自動車道路があるのでしょうか?それを作った人は狂気のような情熱を持っていたに違いありません。

大変興味を持ち、乗鞍岳博物館というささやかな展示室に入り、展示の文章を丁寧に見て回りました。

そうしたら昭和17年、18年の頃に、旧日本軍が「陸軍航空研究所」を完成させるために軍用トラックの登れる道を作ったことが判りました。

陸軍航空研究所とは高高度で飛行機を飛ばすためのエンジンの開発研究をしていた施設だったのです。

空気の薄い高い空でエンジンの出力が落ちないように工夫を重ね、空気のスーパーチャージャーのようなものの開発をしていたのではないかと私は想像しました。

その為には敵のスパイが近よれないように、周囲に樹木の無い山でなければいけません。登山客も居ないような場所が好都合だったのです。

これで納得しました。戦争の狂気で道路建設作業を続けたのです。

戦後、その旧軍隊の道路を使ってコロナ研究所を作ったのです。

しかし太陽のコロナの研究も終わり、平成23年からは自然科学研究機構が管理している遺物になっています。何かに有効活用するようにいろいろ考えているようです。

乗鞍岳の畳平を散策しながら時代の移り変わりの激しさを想っていました。

下に一昨日撮った写真をお送りいたします。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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畳平に上がる乗鞍スカイラインは上の写真のような森林限界を過ぎやがて何も無い岩稜の風景に変わります。

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標高2700mの所に広い駐車場があります。上の写真は、その畳平から富士見岳を撮ったものです。富士見岳の中腹を斜め上の方向に上がっている道路がのコロナ観測所への自動車道路です。

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上は鶴ケ池です。左が大黒岳で右が富士見岳です。その間の鞍部まで歩いて行くと、やっと下界が見下ろせる展望台に出ました。

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上の写真はその展望台から見た山並みです。私には山々の名前が判りませんでした。

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上の写真の右側の岩稜が不動岳で真ん中の鞍部の左に小さくコロナ観測の白いドームが見えます。

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畳平から旧コロナ観測所まで40分かかるので登るのは諦めました。左の写真は、http://www.shimintimes.co.jp/yomi/isan/isan81.html からお借りしたものです。

右の写真は畳平の周囲の岩稜の名前の案内図です。一番高い剣ヶ峰まで健脚の人で90分かかるそうです。畳平から往復3時間の登山です。