1995年以後に就任したすべての歴代の総理大臣は、「村山談話を踏襲する」と発表します。しかし新聞やマスコミは「村山談話」の文章を出しません。
もう19年も前の1995年には発表された談話ですから、それは忘却のかなたへ行ってしまいました。私も忘れていました。
ところが最近、日本は軍備強化と中国との軍事対決の姿勢を鮮明にし、新しい時代に舵を切ったのです。
この時期に「村山談話」をもう一度、丁寧に読み、深く考えてみたいと思います。下に示したように短い文章ですから、是非、お読みください。
読後にどのような感慨をおぼえるかは、人それぞれです。どのような感想を持っても良いのです。日本は民主国家ですから、その感想を発表するのも全く自由です。
私はこの談話の内容と最近の多くの日本人の一般的な感じ方を比較して、いかのように2つの感想を持ちました。
(1)村山談話の内容と日本の軍備強化と中国との軍事対決の姿勢は少し矛盾しているような印象を受けました。
(2)日本と中国・韓国の最近の抗争の原因はお互いの政治家同士の争いであり、我々一般国民とはかかわりの無いことですという意見を散見します。しかし一般国民が中国や韓国を嫌い、非難している事実を見逃せません。
相手が悪辣な方法で執拗に日本をいじめるからで、関係悪化の原因は先方にあるという意見が日本の世論です。
しかしこのような世論も相手国から見ると、「村山談話」に矛盾しているような印象を与えると私は感じます。
村山富一さんが一私人として談話を発表したのなら問題はありません。しかし総理大臣として発表したのです。
「覆水盆に返らず」というとうり、総理大臣談話はもう撤回出来ません。
この深刻な問題をどうのように超越するかは日本人一人一人の叡智にかかっているのです。あなたの賢さに依存しているのです。政治家だけの責任ではありません。本当に困った問題です。
私にもどうしたら良いか判りません。しかし逃げないで深く考え続けたいと思っています。
===「戦後50年の終戦記念日にあたって」(総理大臣村山富一の談話)====
先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。
平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。
「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。(終わり)
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下に海南島を攻略し、行進をしている大日本帝国の将兵の様子の写真を示します。そしてもう一枚、中国空軍機を撃墜し、談笑をしている大日本の戦闘機乗務兵の写真を示します。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
上と下の写真の出典は、http://matome.naver.jp/odai/2137975503266409701/2137983456303631103です。