今日のカトリック小金井教会のミサは森一弘司教様の司式で行われました。説教も感動的でしたが、ミサ後の講演が実に論旨明快で内容の深い憲法に関するお話でした。講演の題は、「これからの日本のゆくえ」ー憲法改正問題を切り口にしてーというものでした。
現在、憲法改正に反対する人も賛成する人も深く考えるべき重大な指摘です。
そこでこの講演の内容を自分の理解した範囲で連載して行きたいと思います。
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森一弘氏は有名な社会評論家でもあり哲学者でもあり、昔から数々の本を執筆している日本を代表する知性です。
講演ではフランス、ドイツ、スイス、中国、韓国などか各国の憲法を比較し、それらの内容が大きく異なっていることを明らかにしました。そしてヨーロッパ諸国の憲法には世界をどのように見るかという哲学があり、どのような国にしたいのかが明記してあると言うのです。
ですから憲法を改正するなら、まず日本人がどのような国を作るのか、その明確なヴィジョンが無けれなりません。しかもそのヴィジョンは人類の普遍的な価値観や哲学に基づいているべきだというのです。
いたずらに再軍備だ!平和条項削除だ!と騒ぐ前に明確なヴィジョンと哲学を作るように議論すべきだというのが今日聞いた講演の主旨でした。
それはさておき、第二次大戦後のアメリカの数多くの戦争を列記し、何故、民主国家アメリカが戦争が好きなのかの説明しました。それがこの講演の導入部でした。
第二次世界大戦後、アメリカが、武力参戦・交戦をした相手国や地域は以下のようになります。
1946年、1950~53年、 中国
1950~53年、 朝鮮動乱
1954年、1967~69年、 グアテマラ
1958年、 インドネシア
1959年~60年、 キューバ
1964年、 ベルギー領コンゴ
1965年、 ペルー
1964~73年、 ラオス
1961年~1973年、 ベトナム
1969年~70年、 カンボジア
1983年、 グレナダ
1986年、 リビア
1980年代、 エルサルバドル
1980年代、 ニカラグラ
1989年、 パナマ
1991年~99年、 イラク
1993年、 ソマリア
1995年、 ボスニアヘルツエゴビナ
1998年、 スーダン
1999年、 ユーゴスラビア
2001年、 アフガニスタン
2003年、 イラク
アメリカがこんなに武力行使や戦争をしてきた思想的原因は、その正義感にあるのです。
共産主義は悪だ、そして人権侵害もそれ以上に悪だというのです。
その悪魔をやっつけるのは武力行使と戦争しかないのです。
そいうアメリカ独特の正義感で戦争を行うのがアメリカの誇りであるのです。それがアメリカ国民を統一しているのです。国家の成立からヨーロッパやアジアの国々とは違っているのがアメリカです。民族・言語・宗教などが違う人々が移住して来て出来た国です。「すべての人間は自由であり、平等である」という価値観・哲学のもとに動く国です。世界の何処かに戦争が起こり、収まらぬ時は出かけて行って武力行使によって終息させようとするのです。アメリカには苦しむ人々を援けねばならぬという信念があるのです。
そういう国と日本は安全保障条約を作っているのです。もう一度、日本を将来どのような国にすべきか深く考えるべきではないでしょうか。これは講演の導入部でした。下に森一弘氏の写真をしめします。・・・(続く)
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