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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中国ではすべてが共産党独裁の国家であると憲法が決めています

2014年08月05日 | 日記・エッセイ・コラム

ここ数日、中国や韓国の憲法を少しずつ読んでいます。

するとこの2つの国は日本と非常に違う国だとつくづく思います。

例えば中国では全ての天然資源は国家、すなわち共産党の所有物なのです。

すべての都市の土地も共産党のもので、市民は私有地を持つことは禁止されています。農村の土地は国有か農業協同組合のものです。

そして全ての軍隊の統帥権は中央の共産党傘下の中央軍事委員会が持っているのです。以下の条文をご覧下さい。

第9条

鉱物資源、水域、森林、山地、草原、未墾地及び砂州その他の天然資源は、すべて国家の所有、すなわち全人民の所有に属する。ただし、法律により、集団的所有に属すると定められた森林、山地、草原、未墾地及び砂州は、この限りでない。

第10条

  1. 都市の土地は、国家の所有に属する。
  2. 農村及び都市郊外地区の土地は、法律により国家の所有に属すると定められたものを除き、集団の所有に属する。宅地、自留地及び自留山も、集団的所有に属する。

第93条

中央軍事委員会(中央共産党派遣の実力派有力党員が構成する)

1、中央軍事委員会は、全国の武装力を指導する。

2、中央軍事委員会は、次に掲げる者によって構成される。

  • 主席
  • 副主席 若干名
  • 委員 若干名

この憲法の全文は、http://www.togenkyo.net/modules/reference/28.html#c099c771 に出ています。

ついでに共産党の輝かしい内戦の勝利を自画自賛した長い前文を下に示します。中国憲法の前文です。こんなに長文の前文を持っている憲法は世界にありません。中国だけが長い前文を持っています。その目的は共産党独裁の正当性を主張するためなのです。

このような国が日本の隣にあることが日本の頭痛のたねなのですね。

日本の憲法改正に反対される方々もお読み頂くと参考になると信じています。

自民党の改正草案の前文もこんなに長くはありませんが、自画自賛的なのです。困ったものです。欧米にはこのような前文はありません。

=====中国の憲法の前文===================

中国は、世界でも最も古い歴史を持つ国家の一つである。中国の諸民族人民は、輝かしい文化を共同で作り上げており、また、栄えある革命の伝統を持っている。
1840年以降、封建的な中国は、次第に半植民地・半封建的な国家に変化した。中国人民は、国家の独立、民族の解放並びに民主と自由のために、戦友の屍を乗り越えて突き進む勇敢な闘いを続けてきた。
20世紀に入って、中国には天地を覆すような偉大な歴史的変革が起こった。
1911年、孫中山先生の指導する辛亥革命は、封建帝制を廃止し、中華民国を創立した。しかし、帝国主義と封建主義に反対するという中国人民の歴史的任務は、まだ達成されなかった。
1949年、毛澤東主席を領袖とする中国共産党に導かれた中国の諸民族人民は、長期にわたる困難で曲折に富む武装闘争その他の形態の闘争を経て、ついに帝国主義、封建主義及び官僚資本主義の支配を覆し、新民主主義革命の偉大な勝利を勝ち取り、中華人民共和国を樹立した。この時から、中国人民は、国家の権力を掌握して、国家の主人公になった。
中華人民共和国の成立後、我が国の社会は新民主主義から社会主義への移行を一歩一歩実現していった。生産手段私有制の社会主義的改造が達成され、人が人を搾取する制度は消滅して、社会主義制度が確立した。そして、労働者階級の指導する労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁、すなわち、実質上のプロレタリアート独裁は、強固になり、発展した。中国人民及び中国人民解放軍は、帝国主義と覇権主義の侵略、破壊及び武力挑発に打ち勝ち、国家の独立と安全を守り、国防を強化した。経済建設では、大きな成果を収め、独立した、比較的整った社会主義の工業体系がほぼ出来上がり、農業生産も著しく高められた。教育、科学、文化等の事業は、大きな発展を遂げ、社会主義思想の教育では、顕著な成果を収めた。広範な人民の生活は、かなり改善された。
中国の新民主主義革命の勝利と社会主義事業の成果は、中国共産党が中国の各民族人民を指導し、マルクス・レーニン主義及び毛澤東思想の導きの下に、真理を堅持し、誤りを是正し、多くの困難と危険に打ち勝って獲得したものである。我が国は、長期にわたり社会主義初級段階にある、国の根本的任務は、中国的特色を有する社会主義という道に沿って、力を集中して社会主義現代化の建設をする事にある。中国の各民族人民は、引き続き中国共産党の指導の下に、マルクス・レーニン主義、毛澤東思想、鄧小平理論及び"三つの代表"(江沢民・中国共産党総書記が2000年2月に発表した思想である。中国語では「三個代表」という。)の重要思想に導かれて、人民民主独裁を堅持し、社会主義の道を堅持し、改革開放を堅持し、社会主義の各種制度を絶えず完備し、社会主義市場経済を発展させ、社会主義的民主主義を発展させ、社会主義的法制度を健全化し、自力更正及び刻苦奮闘につとめて、着実に工業、農業、国防及び科学技術の現代化を実現し、物質文明、政治文明および精神文明の調和のとれた発展を推進して、我が国を富強、民主的、かつ、文明的な社会主義国家として建設する。
我が国では、搾取階級は、階級としては既に消滅したが、なお一定の範囲で階級闘争が長期にわたり存在する。中国人民は、我が国の社会主義制度を敵視し、破壊する国内外の敵対勢力及び敵対分子と闘争しなければならない。
台湾は、中華人民共和国の神聖な領土の一部である。祖国統一の大業を成し遂げることは、台湾の同胞を含む全中国人民の神聖な責務である。
社会主義の建設という大きな仕事は、労働者、農民及び知識分子に依拠し、団結できるすべての勢力を団結しなければならない。長期の革命と建設の過程において、中国共産党の統率的指導のもとで、各民主党派と各人民団体が参加し、社会主義的勤労者、社会主義事業の建設者、社会主義を擁護する愛国者および祖国統一を擁護する愛国者のすべてを含む、広範な愛国統一戦線が結成されたが、この統一戦線は引き続き強固になり発展して行くであろう。中国人民政治協商会議は、広範な代表性を持つ統一戦線の組織として、これまで重要な歴史的役割を果たしてきたが、今後、国家の政治生活、社会生活及び対外的な友好活動において、また、社会主義的現代化の建設を進め、国家の統一と団結を守る闘いにおいて、更にその重要な作用を発揮するであろう。中国共産党指導の下における多党協力及び政治協商制度は長期にわたり存在し、発展するであろう。
中華人民共和国は、全国の諸民族人民が共同で作り上げ、統一した多民族国家である。平等、団結及び相互援助の社会主義的民族関係は、すでに確立しており、引き続き強化されるであろう。民族の団結を守る闘争の中では、大民族主義、主として大漢族主義に反対し、また、地方民族主義にも反対しなければならない。国家は、全力を尽くして全国諸民族の共同の繁栄を促進させる。
中国の革命と建設の成果は世界人民の支持と切り離すことができない。中国の前途は、世界の前途と緊密につながっている。中国は、独立自主の対外政策を堅持し、主権と領土保全の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵及び平和共存の5原則を堅持して、諸国家との外交関係及び経済・文化交流を発展させる。また、帝国主義、覇権主義及び植民地主義に反対することを堅持し、世界諸国人民との団結を強化し、抑圧された民族及び発展途上国が民族の独立を勝ち取り、守り、民族経済を発展させる正義の闘争を支持して、世界平和を確保し、人類の進歩を促進するために努力する。
この憲法は、中国の諸民族人民の奮闘の成果を法の形式で確認し、国家の基本となる制度及び任務を定めたものであり、最高の法的効力を持つ。全国の諸民族人民並びにすべての国家機関、武装力、政党、社会団体、企業及び事業組織は、いずれもこの憲法を活動の根本準則とし、かつ、この憲法の尊厳を守り、この憲法の実施を保障する責務を負わなければならない。(前文の終わり)

下に中国人が一番好きな花のボタンの花の写真をお送りいたします。
出典は、http://blog.goo.ne.jp/shohokimura/e/3eaed8d683bee19ee1d782ec3a9d6e73 です。 

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現在の日本人は知らな過ぎる・・・韓国は1919年の大韓民国臨時政府から始まる!

2014年08月05日 | 日記・エッセイ・コラム

多くの日本人は隣の大韓民国は1910年からは日本の領土で、1945年の日本の敗戦によって生まれた新しい国だと理解しています。
しかし韓国人は日本の朝鮮併合に反対して、上海で1919年に作った大韓民国臨時政府が現在の大韓民国のはじまりだという教育を受けます
そしてその事は現在の韓国の憲法の冒頭に書いてあるのです。
ですからこそ日本による朝鮮併合は日本の負の遺産として将来も日本が背負うことになります。
この冷厳な事実は事実として認めないと適切な日韓関係が築けないと私は思っています。以下に1919年の韓国の臨時政府が出来る経緯をご紹介いたします。
写真は当時の臨時政府の要人の写真です。
=====大韓民国臨時政府の樹立のいきさつ===========
三・一独立運動後、独立運動の継続と拡大のため、内外各地で政府樹立の計画が進められていた。当時、上海には多くの朝鮮人独立運動家が集結していたが、彼らは臨時議政院を設立し、李承晩を首班とする閣僚を選出、臨時憲章を制定し、1919年4月、大韓民国臨時政府の樹立を宣言した。同じころ、京城(ソウル)とシベリアでも臨時政府が樹立されたが、やがて上海の臨時政府に統合されていく。1919年9月に統合された臨時政府は国務総理に李東輝を選出し、1920年に李東輝が臨時政府を去ると李東寧・申圭植・盧伯麟が国務総理代理を引き受けた。国務総理代理体制は1922年9月、李承晩の大統領制に改編され、1925年には朴殷植を大統領に選出した。1926年末に構成された金九内閣は1927年、集団指導体制である国務委員制に改編した。

大韓民国臨時政府の地方組職は朝鮮国内の連通府と交通局があり、海外には居留民団組職があった。連通府と交通局は朝鮮北西地方に結成され、江原道と忠清道の一部には大韓独立愛国団、中部以南では大韓民国青年外交団が代行した。この時大同団、ソウルの大韓民国愛国婦人会、平壌の大韓愛国婦人会・大韓赤十字会も大韓民国臨時政府と関係で活動した。また、居留民団組職は上海などの中国本土にのみ存在し、アメリカとメキシコ・フランスでは大韓人国民会の組職、満州では大韓民国臨時政府傘下に結成されていた西間島の西路軍政署と北間島の北路軍政署の組職が各自代理した。戦争終結直前の地方組職は重慶の居留民団と米州の大韓人国民会、中国本土に点在する光復軍となっていた。
上記は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/大韓民国臨時政府 より転載しました。
注記:三・一運動(さんいちうんどう)は、1919年3月1日に日本統治時代の朝鮮で起こった運動。独立万歳運動や万歳事件とも(日本では三・一事件、三・一独立運動という名称もある)。韓国では3月1日を三一節として祝日に指定している。
 
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森一弘氏の講演、「これからのの日本のゆくえ」(2)格調高いスイス、フランスの憲法の前文と日本の比較

2014年08月05日 | 日記・エッセイ・コラム

現在、自由民主党は現行の憲法を全面的に改正する草案を国民へ発表しています。

全面改正の理由は現行憲法が日本文化にふさわしくないという理由です。

占領軍の押し付けた憲法は翻訳調の文章であり、その上、日本古来の「和をもって尊しとなす」という伝統が含まれていないからというのです。そして第9条の戦争放棄条項も改正します。

さてそれでは欧米諸国や韓国や中国の憲法の前文はどうなっているでしょうか?

森一弘氏の講演ではそれらの前文のコピーを配布して詳しく説明してくれました。

特に近代民主主義を確立したフランス革命と1789年の人権宣言と自由・平等・博愛の理念は現在の世界の憲法の基底になっています。

講演ではそのフランスの影響を受けたスイス憲法の前文の格調の高さとすべての人類への普遍性を強調して説明してくれました。

下の参考資料に前文が掲載されていますが、 森一弘氏が強調した部分は以下の文章です。

・・・・国民の強さは弱者の幸福によって測られるということを確信し、次のとおり、憲法を制定する。・・・・この文章の意味はスイス国民はその弱者や下層階級を幸福にする程度こそが国力を示しているという意味です。格調が高いのです。

安倍総理をはじめ多くの日本人は「国力とは経済力と軍備のよって決まる」と信じています。

そして一方、フランスの憲法では随所に自由、平等、友愛の精神に従う内容の文章になっています。立派な憲法です。

しかし森弘一氏はスイスでは外国人移住者を排斥しようとしていて憲法通りでないことも鋭く批判します。

その上、フランス憲法はフランス固有の文化とフランス語だけを強調した内容になっていたのが欠陥だったと指摘します。その結果、ドイツはドイツ、イギリスはイギリスの憲法を作り互いに国家間の対立を生み、最終的には第一次世界大戦へとつながったのです。

今回の記事はここで終わりにします。次回は韓国と中国の憲法について書く予定です。

今日の挿絵代わりの写真は昨日、小金井公園で撮ってきた花園の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。

後藤和弘(藤山杜人)

====参考資料=======================

(1)フランス革命と近代民主主義の確立:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E9%9D%A9%E5%91%BD をご覧下さい。

1789年に始まった革命に端を発する混乱の最終的な決着は、第三共和政(1870?1940年)の成立を待たねばならず、革命勃発より80数年を要した。

フランス革命が掲げた自由、平等、友愛の近代市民主義の諸原理は、その後市民社会や民主主義の土台となった。今日、日本を含む世界中の多くの国家がフランス革命時に掲げられた理念を取り入れている。・・・以下省略

(2)各国の憲法の前文の比較検討:

憲法前文に国の歴史・伝統・文化が語られるのは当たり前?

http://blog.goo.ne.jp/GB3616125/e/aab6ebc167279644716772bf9dbc2f05

スイス憲法の前文:

全能の神の名において!
 国民及び州は、 被造物に対する責任を自覚し、世界に対する連帯及び開放の精神において、自由及び民主主義並びに独立及び平和を強化するために同盟を刷新することを決意し、 相互に配慮し、尊重しつつ統一の中の多様性の下に生きる意思を有し、共同の成果及び将来世代に対する責任を自覚し、自由を行使する者のみが自由であるということ及び国民の強さは弱者の幸福によって測られるということを確信し、次のとおり、憲法を制定する。

フランス憲法の前文:

フランス人民は、1789年の人権宣言により規定され、1946年憲法前文により確認かつ補完された人の諸権利と国民主権の諸原理に対する忠誠、および、2004年環境憲章により規定された権利と義務に対する忠誠を厳粛に宣言する。
 これらの原理および諸人民の自由な決定の原理の名において、共和国は、加盟意思を表明する海外諸領に対し、自由・平等・博愛の共通理念に依拠し、諸領の民主的発展をめざして構想された新制度を提供する。

(3)自民党の憲法改正草案:

http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf をご覧下さい。

現行憲法の前文は、全体が翻訳調でつづられており、日本語として違和感が
あります。そして、その内容にも問題があります。
前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべきですが、現行憲法の前文には、そうした点が現れていません。
また、前文は、いわば憲法の「顔」として、その基本原理を簡潔に述べるべきものです。現行憲法の前文には、憲法の三大原則のうち「主権在民」と「平和主義」はありますが、「基本的人権の尊重」はありません。
特に問題なのは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分です。これは、ユートピア的発想による自衛隊の放棄にほかなりません。
こうしたことを踏まえ、今回、現行憲法の前文を全面的に書き換えることとしました。

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