後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

自民党の憲法全面改定案に衝撃を受けない日本人ははたしているのでしょうか?

2014年08月06日 | インポート
自民党の憲法全面改定案に衝撃を受けない日本人ははたしている<wbr></wbr>のでしょうか?

憲法改正は欧米の価値観と世界観を拒否し、日本の村社会の思想で<wbr></wbr>国作りをし直そうというものです。
天皇を元首として和をもって日本を纏め、再び富国強兵をやり直そ<wbr></wbr>うとするものです。
欧米の個人の尊重とか、人権は神から与えられた全ての人類の保有<wbr></wbr>する一番重要な権利だという考えをあざ笑っているのです。

私は第9条の戦争の放棄を「侵略戦争の放棄」にだけ改正し、残り<wbr></wbr>はそのままにしておくことに賛成なのです。欧米諸国の憲法と同じ<wbr></wbr>にすことに賛成なのです。

自民党の憲法全面改定案に衝撃を受けます。日本人は自民党の憲法<wbr></wbr>全面改定案を誰も読んでいないのでしょうか?
...

森一弘氏の著書によると、・・・人間は国のためだけに存在するも<wbr></wbr>のではなく、また自らの生の充実感は国家の発展によって得られる<wbr></wbr>ものでないことは確かです。国家は本来そうした人間一人ひとりの<wbr></wbr>豊かさ、深さに敬意を払い、それに奉仕するための存在である筈で<wbr></wbr>す・・・・

私はカトリックでローマ法王の部下です。しかし熱烈な愛国者です<wbr></wbr>。日本が好きです。日本を誇りに思っています。ですからこそ狭量<wbr></wbr>な愛国心で作られた自民党の憲法改正案に衝撃を受けているのです<wbr></wbr>。
普通の日本人ならアマゾンの原住民にお会いしても礼儀正しく接すると思います。全ての人間を大切にすると信じています。それが個人の尊厳というものです。
それは国家とか宗教とか人種に関係が無い人間の善意です。その善意が個人の尊厳や基本的人権の根源なのです。
それは欧米人の尺度を超える考え方です。
私は仏教国のカトリックです。ですから欧米人の間違ったキリスト教の理解が分かるのです。お釈迦様の教えに反することは間違った解釈です。
ですから人権は国があるから存在するとは理解していません。

皆様のご意見を頂けたら嬉しいです。

森一弘氏の講演、「これからの日本のゆくえ」(3)自民党改正案は国家が先で個人は国家へ組み込む考え

2014年08月06日 | 日記・エッセイ・コラム

森一弘氏の講演、「これからの日本のゆくえ」の終わりの部分では以下の2つのことを指摘し、それに強い懸念を言明しました。

(1)韓国と中国の憲法の前文で自国の歴史や文化を自画自賛していますが、欧米の憲法ではそのような文章はありません。日本の自民党改正案でも自画自賛的であり、この傾向はアジアの文化の特徴のようです。憲法で自画自賛はしなくてもよいのではないでしょうか?

(2)自民党の改正案では、はじめに国ありきで、国民は国のための人々であるという思想です。そして日本の伝統、文化、発展が主眼で、国民はそこに組み込まれるのです。ですから国民は公益及び公の秩序に反してはならないと言っています。

現在の憲法は国を縛る憲法でしたが、改正案では国を縛る憲法から、国民を縛る憲法へ変わるのです。したがって国の安全保障は国家機関の主体性を中心にしているのです。国民はその指示にしたがって国家を防衛すべきというニュアンスです。

さて上に書いたご指摘の根拠を示します。

韓国の憲法の前文:

 悠久の歴史と伝統に輝く我が大韓国民は、三・一運動(日本の朝鮮併合に反対した運動)により建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗した四・一九民主理念(李承晩大統領独裁政権を、学生などが倒した民主化運動)を継承して、祖国の民主改革と平和的統一の使命に立脚し、正義、人道および同胞愛により民族の団結を強固にして・・・以下省略

中国に憲法の前文:

 中国は、世界で歴史が最も悠久な国家の一つである。中国各民族人民は、輝かしい文化を共同して創造し、光栄ある革命の伝統を有している。
 1840年以降、封建的な中国は、半植民地的かつ半封建的な国家へと徐々に変わっていった。中国人民は、国家の独立、民族の解放及び民主と自由のために、前を行く者が倒れれば後の者が続くという英雄的な奮闘を進めてきた。・・・・以下省略

自民党改正案の前文:

日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴いただく国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。(前文はここで終わります)

この自民党の改正草案の前文を読んだだけで、上記の(2)国民を国家に組み込み、和をもって団結し、国を成長させるという考えになっていることが明白です。

これを現在の憲法の下記の前文と比較してみます。

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。・・・以下省略

現在の前文には自画自賛の文章がありません。そして諸国民との協和により、再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意しますと明記してあるのです。格調の高い前文なのです。

さて自民党は何故、現在の憲法を全面的に変えようとしているのでしょうか?

その理由を自民党のHPで以下のように説明しています。

http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf をご覧下さい。

今回の草案では、日本にふさわしい憲法改正草案とするため、まず、翻訳調の言い回しや天賦人権説(人権は神が与えているという説)に基づく規定振りを全面的に見直しました。

その上で、天皇の章で、元首の規定、国旗・国歌の規定、元号の規定、天皇の公的行為の規定などを加えています。
安全保障の章では、自衛権を明定し、国防軍の設置を規定し、あわせて、領土等の保全義務を規定しました。
国民の権利及び義務の章では、国の環境保全、在外国民の保護、犯罪被害者への配慮、教育環境の整備の義務などの規定を加えました。・・・以下省略。

この説明文を読むと自民党は明治憲法と同じに天皇を国家元首と明記し、その権威を利用して国民が国家へ奉仕させるようにしているのです。

従って森一弘氏が「自民党の改正案では、はじめに国ありきで、国民は国のために盡すべきであるという思想です」と明確に言ったのはまったく正しいご指摘なのです。

これで私は安倍総理の言う、「日本を取り戻せ!」という言葉の意味が初めて判りました。明治維新の富国強兵策をもう一度取り戻して、国際社会で日本がリーダー的な地位に登りつこうという意味なのです。そのために経済力をつけ、軍備を強化しようとしているのです。

これで森一弘氏は、「この講演が皆様が日本の将来を深く考えるヒントになれば幸いです」とおっしゃて終わりました。

この三回にわたる森一弘氏による講演に関する記事が皆様の憲法改正に関する考え方に少しでもお役に立てば嬉しく思います。挿絵代わりの写真はこのキーボードを打っている窓から見える庭のムクゲの花です。(完)

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ある夏の日の思い出・・・山中湖、忍野、花の都公園、富士五合目など

2014年08月06日 | 日記・エッセイ・コラム

ここ数日、いろいろな国の憲法を読んでいました。正直言って疲れました。憲法に関する幾つかの記事をお読み下さった方々もお疲れになったと存じます。

そこで今朝は一休みをして、ある夏の小さな旅の思い出を書きたいと思います。

2010年8月25日、26日と一泊二日の富士五湖への気楽な旅の思い出です。

年をとると海外旅行へ行く元気がなくなりいます。夏になれば山梨県の北杜市にある山小屋へ行くか、富士五湖に行くことが多いのです。

特に富士五湖は家から車で1時間余で行けるので、日帰りでもよく行きます。

2010年の夏には富士ビューホテルに泊りました。訪問先も大体同じです。奥の本栖湖や精進湖まで足を延ばすこともありますが、多くは河口湖と山中湖とその周辺だけになります。2010年夏の旅では一泊したので富士スバルラインを車で上がり、五合目の駐車場から富士山を1Km位だけ登りました。健脚の家内がいきいきとして遥か前の方まで走っていきます。登山道には冬の強風で幹が曲がってしまったダケカンバの林があります。その下には山中湖が碧く輝いています。ここまで来ると吹く風も秋風のように涼しく爽快です。

富士の五合目から降りたら、忍野八海の藁ぶき農家のある昔の風景を楽しみます。そして花の都公園を見てかや山名湖の湖畔を散策します。

その後は湖畔にある三島由紀夫記念館と徳富蘇峰記念館に行きます。

三島由紀夫の本が展示してあります。書斎を再現したコーナーもあります。しばしその時代のことを懐かしく思い出します。

ついでに徳富蘇峰記念館も見ます。彼は日本の富国強兵と戦争を応援した大物右翼でした。実弟の徳富蘆花はロシア文学者です。芦花公園にあるその記念館の文学的な雰囲気を思い出し、この兄弟の対照的な性格に感慨を覚えます。

右翼と言えば三島由紀夫も私設軍隊のような若者の一隊を持っていました。最後は自衛隊に押し入り、自衛隊の幹部を叱咤し、自決したのです。

ですから三島由紀夫と徳富蘇峰の記念館は隣同士になっているようです。

それはさておき、富士五湖には美術館もあります。河口湖のそばの富士急ハイランドホテルの富士美術館です。日本人の油彩画を数多く常設展示しています。

富士五湖には本当に数多くの楽しい思い出があります。書いていたらキリがありません。下に2010年の夏の旅で撮った写真をお送りいたします。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申しあげます。

 

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上の写真は忍野と山中湖の中間にある花の都公園です。四季折々一面に花を咲かせています。私は必ず寄ります。

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上の写真は山中湖です。白鳥が棲みついています。沖の観光船も白鳥号です。

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上の写真は富士山の五合目から六合目に行く登山道です。強風で幹の曲がったダケカンバが珍しくて写真を撮りました。

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上の写真は忍野八海にある昔の農家の展示場です。入場料を払って入ると目の前に大きな池が広がっていて、その向こう岸に茅葺の農家と水車小屋があります。

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上の写真はその農家の裏に何気なく咲いていた草花です。