後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

アメリカの4600万人の貧困層・・・日本も将来そうなる!

2014年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム

最近、ミズーリ州で白人警官が黒人を射殺したことをきっかけにして大規模な暴動が起きています。これには黒人差別と黒人の貧困の2つが重なり合っているのです。そこで今日はアメリカの驚くべき貧困層の人数をご紹介したいと思います。

このアメリカ社会の格差問題は日本の貧困層が急速に増加している問題と関連して非常に重要な問題なのです。

アメリカの人口は3億1700万人です。(3億1694万人)

その総人口のうち4600万人が貧困層であるという信頼できる統計結果が米商務省から発表されました。約7分の1に当たります。この統計は2010年のものですが現在はもっと増加していると想定されます。

なおこの統計では貧困層の基準を、一世帯家族4人の場合に年収は$22,314(約171万8100円)以下を貧困層としています。月収に換算すると1859ドルです。

アメリカ在住の経験のある方ならこれではかなり厳しい貧乏暮らしということがお分かりと存じます。

そしてこの4600万人の背後にまだ表面化していない多くの「予備軍」が控えていると発表しています。米国政調査局が2011年11月に明らかにした新貧困算定基準に基づくと、何と米国民の3人に1人が貧困、あるいは貧困予備軍に入る計算になるというのです。

貧困層率では日本がアメリカに次いで世4位という統計結果もあり、日本の将来もアメリカ型の社会になると予想されているのです。(http://blogs.yahoo.co.jp/yuuta24mikiko/34880346.html?from=relatedCat

さて細かなことは省略してアメリカのスラム街の写真をご覧ください。下は繁華なラスベガスの中心街近くのスラム街の写真です。

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この写真の出典: http://pakyouthforce.blogspot.jp/2012/03/poor-america-slumdog-15-million-us.html

上の写真は昔のシカゴやニューヨークのスラム街と様子が違います。昔のものは白人が住まなくなったビルに黒人が棲みつき、スラム化していました。

上の写真をよく見ると南アメリカのスラム街に非常に似ています。ですから多分、メキシコや中南米から違法流入してきた人々が住んでいると想像できます。

そして下はニューヨークの路地裏の写真です。
ニューヨークでは表通りだけを歩き、路地には絶対に入るなと言われています。現在では表通りや地下鉄は綺麗になりましたが、路地裏には貧民が住み、犯罪地帯になっているというのです。
下の壁の落書きが異様な雰囲気を示しています。やっぱり路地には入らない方が良いようです。

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ニューヨークの路地裏の写真の出典:http://blog.looktour.net/12/york-scene

下の写真はニューヨークの表通りの光景です。真ん中に車椅子に乗った黒人のホームレスが写っています。左の背広を着た男性は定職がある普通の人のようです。この男性のすぐ右後ろをこちらに歩いてくる黒人の女性は正しい生活をしているように見えます。右側の歩道の上で何か食べながら歩いている2人の女性は地方から来た観光客のようです。普通の人です。

このようにニューヨークの街を歩く時はすばやく周囲の人間の観察をして自分の身の安全を守るのです。

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車いすに乗ったホームレスと、背広を着た人のこの写真を撮った人は増池宏子さんです。、出典:http://www.asahi.com/international/update/1026/TKY201310260060.html

さてそれでは何故世界一豊かなアメリカに数多くの貧困層が住んでいて貧富の格差が大きいのでしょうか?

原因はアメリカ人が金持ちになるのも貧乏になるのも全て個人の自己責任だという思想を牢固として持っているからです。個人の自由な競争で金持ちになるのも良いし、反対に怠けて貧乏になるのも勝手だという思想が背景にあるのです。

そして金持ちになるには自分の独創的な考えでビジネス・モデルを作り起業すれば成功すると考えます。起業のチャンスは平等に誰にでもあり法律の規制がほとんど無いのです。この起業の自由と起業のチャンスの平等性がアメリカ人が一番大切にしている「自由と平等」の内容なのです。

そしてもう一つは神が人間に与えた基本的な人権です。アメリカ人の80%以上が神の存在を信じています。

自由と平等と神が与えた基本的人権を重視すれば、アメリカ合衆国は永遠に栄えるという信念が社会の基盤に流れているのです。

その結果として貧民層が増え、格差が増大しても連邦政府は放置し、何も対策を講じないのです。

さて日本政府はアメリカを真似して、小泉内閣が規制緩和をしはじめ、その後の歴代の内閣もアメリカ型の社会を作り、日本を栄えさせようとしています。それは弱者を一層貧しくし、母子家庭の貧困を招き、格差社会を作りつつあります。

しかし日本人にはアメリカ人の考えている自由と平等の内容と神の与えた基本的人権を本当に理解しているのでしょうか?

アメリカ人のように信念を持って突き進んでいるのでしょうか?

どうも明治維新以来の表面的な欧米文化の導入と同じようで、大きな危惧を感じています。しかしこれも現在の若者の選択なので高齢者は温かく見守ったほうが良いのかもしれません。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

 

===参考資料==================

(1)「アメリカの貧困問題と格差問題のまとめ」:http://matome.naver.jp/odai/2136284832611154501

米国民の3分の1は貧困層か貧困層予備軍

米商務省の統計によると、米国の「貧困層」は4600万人にも及んでいます。世界最大の経済大国で、実に7人に1人が貧困層という事実に、米国では衝撃が走りました。ところが、本当の恐ろしさは、4600万人の背後にまだ表面化していない多くの「予備軍」が控えていることです。米国政調査局が2011年11月に明らかにした新貧困算定基準に基づくと、何と米国民の3人に1人が貧困、あるいは貧困予備軍に入る計算になります。

2010年に貧困者が4620万人に達した米国

2010年の米国貧困者数が記録的な数に達した、と報道されている。さっそく調べてみたところ、貧困の境界線となる一世帯家族4人の年収は$22,314(約171万8100円)だ。月収に換算すると1859ドルだから、これはかなり厳しい暮らしになる。
例えばロサンゼルス近辺の場合、寝室が一つだけのアパートを借りると、月々の料金は安いものでも1200ドルほどかかる。家族4人なら両親がベッドルームで寝て、子ども二人は居間ということになると思うが、アパート代を払うと659ドルほどしか残らない。言うまでもなく、政府からの援助がなければ家族行き倒れになってしまう。

中産階級の収入の減少中流家庭では、1世帯あたり平均収入が2009年度の49,777ドル(=約383万円)から、49,445ドル(同380万円)に減少した。
実は米国では、中流家庭の世帯収入には、この30年、あまり大きな変化が見られない。インフレ率を考慮して計算した場合、2010年度の収入は1980年度に比較して、わずか11%の増加。一方、上位5%の富裕層の世帯収入は、同じ期間に42%も上昇している。富める者はさらに富み、貧しき者は、はさらに貧しく、という傾向が顕著だ。
さらに、下位60%の世帯では収入が減少、一方で年収10万ドル以上の世帯では収入が増加、という結果になっている。

(2)「米国における富の配分の不公平拡大とその要因の考察」:http://www.rice.or.jp/archive/pdf/2005/2006-8.pdf