後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

秋深きファッションの色彩・・・デパートは季節を先取りします

2014年09月11日 | 写真

今日は家内が秋の洋服を買うというので車で立川の高島屋に行ってきました。

婦人服売り場はすっかり秋です。それも晩秋の雰囲気です。

静かな色の取り合わせが面白いのでスケッチを描くつもりで写真を撮って来ました。
写真を5枚お送りいたします。お楽しみ頂ければ嬉しく存じます。

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老境になると人間は驚異的に変わる(2)我が人生は邯鄲の夢と実感出来ようになる

2014年09月11日 | 日記・エッセイ・コラム

若い頃からいろいろな本を読みました。そうしたら「老人になってみないと分からない」という表現があります。老人にならなければ絶対に理解出来ない感じ方や、ことわざや、思想があるというのです。

若い頃は、その言葉が出てくるたびに反発を感じ、しまいには不愉快になったものです。若い頃はこの世のことは全て理性で理解出来るはずだと信じていたのです。ですから「老人にならないと理解出来ない」と言われると自分が馬鹿だと言われたような気分になり、不愉快になるのです。 

しかし自分が後期高齢者から晩期高齢者にさしかかって来ると、成程、そうだ、そのとうりだと膝を叩いて理解出来ることがどんどん増えてきたのです。

その一つに、「人生は邯鄲の夢」という言葉があります。

唐時代の小説にある話です。出世を望んで旅をした若者が、邯鄲という国のある旅籠で粥が出来上がる間に居眠りをして、自分の一生の夢を見るのです。 しかしフト目覚めてみると、まだ粥が出来ていません。若者は人生とはそんな儚い夢なのだと悟って出世の欲を捨て郷里へ帰っていくというお話です。

この唐時代の小説は長い時代をとうして日本人へ深い影響を与え続けています。

この話は、どんなに出世をし、偉くなり、華やかな人生を送ってもそれは粥の出来る間の短い夢にすぎないというのです。一つの人生観なのです。 そして人生には毀誉褒貶や浮き沈みがつきものですとも教えているのです。どんなに苦しいことがあっても、どんなに楽しいことがあっても全ては一朝の夢なのです。 

老境にいたればこの人生観を深く理解出来ます。深く同感出来るのです。

若い時や現役の間は自分の人生は、努力によって立派な価値あるものに出来ると信じていました。そして一方では大きな失敗も何度か経験しました。成功して歓喜し、失敗して落胆していました。

 このように自分の人生に体をぶっつけて取り組んでいる間は、人生は一朝の夢だとは考えられないのです。

 しかし仕事も一切止めて、数年間、毎日、山川の景色を眺め、花々を愛して暮らしていると次第に、我が人生は邯鄲の夢だったと実感出来るようになるのです。 

そして親や、おじおば達が、そして恩人、親しい友人、知人が次々に旅立ってゆきます。 そうすると彼等の人生もすべて邯鄲の夢のように思えるのです。

ついでに書けば邯鄲の夢だからいい加減な生活をしなさいと言っているのではありません。同じ夢なら楽しい夢にする努力が必要だと私は信じています。

しかし私の人生は本当に短い夢だったと強く実感します。したがってやっと「邯鄲の夢」とい言葉の深い、深い意味が理解出来たのです。 

老人にならなければ絶対に理解出来ない感じ方や、ことわざや、思想があるというのは真理なのです。  

今日の挿絵代わりの写真は9月4日に三鷹市花と緑の広場で撮った秋の花々の写真です。                                         

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

====参考資料:唐の沈既済の小説『枕中記』の明快なあらすじ=========

 唐の玄宗の開元年間のことである。

 呂翁という道士が邯鄲(河北省、趙の旧都)の旅舎で休んでいると、み すぼらしい身なりの若者がやってきて呂翁に話しかけ、しきりに、あく せくと働きながらくるしまねばならぬ身の不平をかこった。若者は名を廬生といった。
 
       やがて廬生は眠くなり、呂翁から枕を借りて寝た。陶器の枕で、両端に孔があいていた。

眠っているうちにその孔が大きくなったので、廬生が入っていってみると、そこには立派な家があった。

その家で廬生は清 河の崔氏(唐代の名家)の娘を娶り、進士の試験に合格して官吏となり、
トントン拍子に出世をしてついに京兆尹(首都の長官)となり、また出で ては夷狄を破って勲功をたて、栄進して御史大夫部侍郎になった。
 ところが、、、、http://homepage1.nifty.com/kjf/China-koji/P-066.htm へ続く。

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