大昔、地球に大きな恐竜が繁殖して栄えていました。7000万年に突然絶滅します。その頃人間はまだ現れてません。このような大きな自然の営みへ興味を持つ人々は多いと思います。私も若いころから生物の進化や絶滅についての多くの本を読んで楽しんで来ました。
しかし引退して毎日静かな時を過ごすようになると自然の営みを観察して、色々思案を巡らせるが一層楽しくなって来ます。考えて見ると意外に知られていないことが多く、謎に包まれているのです。小さな営みが神秘的に感じられ、その不思議さに魅せられます。何故か興奮して元気になるのです。
山梨県の甲斐駒の麓の山林の小屋の庭には小川が流れています。
このように夕方になると、小川の向こう岸のガーデン灯をつけて 岸辺でビールを一人で飲みます。独りで行ったときは、静かに小川の流れを眺めなら、ゆっくり飲みます。
すると2匹のヤマメがふざけて遊びだします。飽きずに30分位も続けます。そしてそのうち1匹だけになります。縄張り争いをしていたのです。横腹に縦の楕円形の斑点が並んだ美しい魚です。神経質で敏捷に泳ぎます。
10分以上静かにしていないと岩陰から絶対に出て来ません。写真に撮ろうとしましたが一度も成功していません。そこで隣の山荘の鬼家(オニイエ)さんの撮った2匹のヤマメの写真を示します。私の庭のヤマメの居る場所から400m位下流にいたヤマメの写真です。
このヤマメは不思議な魚で梅雨前とか秋になると庭の小川に登ってきます。卵はこの庭先の砂地に産むのでしょうから秋は雄雌2匹で登って来るのでしょう。孵化した子魚は小川を下ります。しかしこの下流は全ての水が水田に入ります。日差しの強い水田の水温は暑すぎてヤマメは死にます。死んでは堪りませんから子魚は冷たい水を求めて又遡ります。
ところで水路は複雑です。甲斐駒岳から流れてくる大きな石空川(イシウトロ川)から引き込んだ水田用の用水路があります。それと庭先を流れ下った小川と合流する所があります。そこで子魚はきっと水温の低い石空川の方へ登って行って、餌の多い快適な川で夏を過ごすのでしょう。餌を十分食べて大きくなり産卵出来るようになると生まれて所へ紆余曲折しながら帰って来るのでしょう。こうして秋になると、私の庭先の小川に戻って来て産卵すると想像しています。
これが合理的な想像ですが真実で無いかも知れません。
実は夏でも、庭の小川に魚が棲んでいる時があります。水温がヤマメにとっては高すぎる筈です。よく見るとヤマメより大きく太っています。横腹は見えませんが、どうも養殖したマスが何処からか逃げて来たようです。泳ぎ方がヤマメのように敏捷でなく、神経質でもありません。人間から餌を貰って育ったのでしょう。水の中から私を見上げています。餌でも欲しかったのでしょう。
庭に一年中、水の絶えない小川が流れています。そこへヤマメが登ってきます。マスも迷って登ってきます。このような自然の小さな営みに何故かひどく感動します。
尚、2枚目の写真は、http://ihcuik69.web.fc2.com/memo09_07.html をクリックして8月4日の記事の「沢にいるヤマメ」との記事に動画で出ています。ご覧になると、ヤマメの敏捷さがお分かりになれます。(続く)
今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。 藤山杜人