思ったよりも(昨夜の天気予報よりも)、早く降り出した雪。受験生の出足もくじかれた感じです。この雪、都内でも今日一日、降り続くとか。英語のリスニングテストが夜の7時~。朝から晩まで、本当に受験生にとっては大変な一日になりそうです。今年の雪の多さに馴れたとはいえ、地方の受験生も大変でしょう。
ここ数年、受験生が減少傾向にあるのは、少子化のため当然ですが、私立の参加がまた増えたようです。センターの得点だけで、合否が決まる入学試験制度を導入する私大が多くなったわけです。それも、センター試験の前に受験申し込みを済ませるパターンが大半。私大側は、受験料を取って後は、他人様におんぶにだっこ。
センター入試が終わると、受験生は、自己採点の結果と志望校名を書いて、ただちに予備校に送付します。高校によっては、一括して在校生の分を数カ所の予備校に送ります。予備校は全国からそれらを集めて、一斉にすばやく偏差値を出し、各大学の入試合否の基準を決定します。これによって、センター試験による合否もこれから受ける大学も決定。このシステムがすっかり定着しました。
だから、センター対応の入試の合否は、ほぼ予備校の分析で決まる。代ゼミ、河合塾・・・。共通一次・センター試験導入以後、大学受験は、予備校なくして何も出来ないことになったのです。こうして、国公立だけでなく、私大も活用し始めた結果、今日、明日のセンター試験が、冬の一大受験イベントとして定着したようです。これを皮切りに、これからが受験シーズンとなっていくのです。
しかし、これでいいのか、という思いがないわけではありません。
その問題の一つは、ここでの得点を(偏差値を)基準に進学先を選ぶということでしょう。偏差値順に大学の序列が決定される、これは、共通一次で大きな問題となりました。今は、セレクト方式(受験科目を各大学が選択できる)が定着してかつてのような弊害は少なくなりましたが、受験生にとっての行きたい大学、大学側にとっての取りたい受験生。こういう場面でのミスマッチが全くないとはいえません。
さらに、セレクト方式が、受験生にとっても負担が軽くなった面もありますが、その分、試験では不利な事も出てきています。特に国語です。志望校が「現代文」だけの点数を必要とする場合と、「古文」、「漢文」を合わせて必要とする(国公立大学の大半はこれですが)場合と、同じ試験時間内で問題に取り組むことになっています。つまり80分という制限時間内で3分野(大問が4つ)を解答する受験生と、1分野のみを解答する受験生と、時間は同じなのです。
そもそも「80分200点満点」の問題の解答には、一つの問にかけられる時間は約2分。その短い時間で、次々と正答をマークしていかなければなりません。問題用紙が何枚にもなっていて、いちいちめくって戻ったり先にいったり、マークカードにマークしたり・・・。その作業は実に煩雑です。
初めて見る問題文を読み、内容を理解し、正答を導き出す。こうした作業を80分で行わなければならない受験生。
そこで、最後に大きな問題。受験テクニックとして「消去法」というのがあることです。選択肢の内容を見て、間違っている選択肢を除き、残った選択肢を正答する、というやり方です。なにしろ1問につき約2分で正答を選ばなくてはなりません。いきおいそうした方法が生まれてきたのでしょう。
また、難しい答えを後回しにしようとすると、マークミスが多くなります。そこで、まずマークしておく、こうして一か八かみたいなマークの仕方が行われます。そして万が一正解なら、「ラッキー」。他の教科、例えば数学のように、正解が分からなければ、はじめからマークができないならば、「運試し」的答え方はないように思います。
極論すれば、国語力の低下が叫ばれて久しいのですが、こうしたセンターマーク式(選択肢・よく言えば客観テスト)によって、国語力が定着しないまま、高校卒業となっていくような気がします。諸悪の根源は、センター試験にあり!と。
どうして大学入試制度を変更しないのでしょうか。「入る」のは易しく「出す」のは難しく、というようにならないのでしょうか。センター試験も、資格試験的なものにしないかぎり、受験テクニックのみに長けた受験生(高校生)が増えるばかりで、大学に入っても、本当の人材は育たないような気がしています。大げさに言えば、本気で大学入試改革をしないかぎり、日本の大学の未来、ひいては日本の教育の未来は寂しいものになっていくような気がしてなりません。
ここ数年、受験生が減少傾向にあるのは、少子化のため当然ですが、私立の参加がまた増えたようです。センターの得点だけで、合否が決まる入学試験制度を導入する私大が多くなったわけです。それも、センター試験の前に受験申し込みを済ませるパターンが大半。私大側は、受験料を取って後は、他人様におんぶにだっこ。
センター入試が終わると、受験生は、自己採点の結果と志望校名を書いて、ただちに予備校に送付します。高校によっては、一括して在校生の分を数カ所の予備校に送ります。予備校は全国からそれらを集めて、一斉にすばやく偏差値を出し、各大学の入試合否の基準を決定します。これによって、センター試験による合否もこれから受ける大学も決定。このシステムがすっかり定着しました。
だから、センター対応の入試の合否は、ほぼ予備校の分析で決まる。代ゼミ、河合塾・・・。共通一次・センター試験導入以後、大学受験は、予備校なくして何も出来ないことになったのです。こうして、国公立だけでなく、私大も活用し始めた結果、今日、明日のセンター試験が、冬の一大受験イベントとして定着したようです。これを皮切りに、これからが受験シーズンとなっていくのです。
しかし、これでいいのか、という思いがないわけではありません。
その問題の一つは、ここでの得点を(偏差値を)基準に進学先を選ぶということでしょう。偏差値順に大学の序列が決定される、これは、共通一次で大きな問題となりました。今は、セレクト方式(受験科目を各大学が選択できる)が定着してかつてのような弊害は少なくなりましたが、受験生にとっての行きたい大学、大学側にとっての取りたい受験生。こういう場面でのミスマッチが全くないとはいえません。
さらに、セレクト方式が、受験生にとっても負担が軽くなった面もありますが、その分、試験では不利な事も出てきています。特に国語です。志望校が「現代文」だけの点数を必要とする場合と、「古文」、「漢文」を合わせて必要とする(国公立大学の大半はこれですが)場合と、同じ試験時間内で問題に取り組むことになっています。つまり80分という制限時間内で3分野(大問が4つ)を解答する受験生と、1分野のみを解答する受験生と、時間は同じなのです。
そもそも「80分200点満点」の問題の解答には、一つの問にかけられる時間は約2分。その短い時間で、次々と正答をマークしていかなければなりません。問題用紙が何枚にもなっていて、いちいちめくって戻ったり先にいったり、マークカードにマークしたり・・・。その作業は実に煩雑です。
初めて見る問題文を読み、内容を理解し、正答を導き出す。こうした作業を80分で行わなければならない受験生。
そこで、最後に大きな問題。受験テクニックとして「消去法」というのがあることです。選択肢の内容を見て、間違っている選択肢を除き、残った選択肢を正答する、というやり方です。なにしろ1問につき約2分で正答を選ばなくてはなりません。いきおいそうした方法が生まれてきたのでしょう。
また、難しい答えを後回しにしようとすると、マークミスが多くなります。そこで、まずマークしておく、こうして一か八かみたいなマークの仕方が行われます。そして万が一正解なら、「ラッキー」。他の教科、例えば数学のように、正解が分からなければ、はじめからマークができないならば、「運試し」的答え方はないように思います。
極論すれば、国語力の低下が叫ばれて久しいのですが、こうしたセンターマーク式(選択肢・よく言えば客観テスト)によって、国語力が定着しないまま、高校卒業となっていくような気がします。諸悪の根源は、センター試験にあり!と。
どうして大学入試制度を変更しないのでしょうか。「入る」のは易しく「出す」のは難しく、というようにならないのでしょうか。センター試験も、資格試験的なものにしないかぎり、受験テクニックのみに長けた受験生(高校生)が増えるばかりで、大学に入っても、本当の人材は育たないような気がしています。大げさに言えば、本気で大学入試改革をしないかぎり、日本の大学の未来、ひいては日本の教育の未来は寂しいものになっていくような気がしてなりません。