おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

箱根の山は天下の険

2008-01-05 09:16:32 | つぶやき
 伝統の箱根駅伝。これまでも数々の感動を与えてくれた。ついつい2日間はテレビ中継に見とれてしまう。もう、すっかり平成生まれの若い選手が走っているのには、昭和生まれも遠くなってしまった、とがっくりですが。
 それにしても、途中棄権の大学が3校と、今までで一番多かったとのこと。かつて、記憶にあるのは、山梨学院大の中村選手だったかが途中で倒れ、走り始めるがまた倒れ、ついにリタイヤした画面があった。
 そのときも、必死にたすきをつなごうとしていた悲壮な姿に、感動というか、痛々しさを感じた。選手の将来性を考えて、監督が苦渋の決断をする。その時点で、箱根駅伝は記録なしで、棄権。たすきをつながなければ、これまでの苦労・努力がパー。実に過酷なレースですね。
 「EKIDEN」は、日本伝統の競技種目(らしい)。「ハコネ」はそのなかでも、伝統中の伝統。周りの期待もプレッシャーも、並のモノではない。特別な雰囲気の中で行われる。かつては、伴走車(者)から、選手に直接、指示どころか、飲料水などがしばしば手渡されたりするなど、他の選手がすぐ脇を走っていようと、報道車や警備車両が走っていようと、全くのお構いなし。自分の大学の選手しか目に見ない態度に、厳しい批判が寄せられ、そうとう規制が加えられた。
 そのために、かえって、近頃は、走る選手の健康状態・精神状態をあやういものにしているように感じていた。一方で、たすきをつなげなればならない選手。倒れてもなお走ろうとする姿に、感動する人ばかりではないと思う。
 最近の選手は、5千や1万の中距離ランナーが多く、早いスピードに乗って走る走法が多いと聞く。しかし、ミニマラソンのくらいの距離を走る。まして、高低が多いコース。
 今回のアクシデントも、脱水症状によるものらしい。無理して走らせて若い選手の選手生命を縮めたら、この責任は指導者・運営者側にある。もっと抜本的に支援体制を見直す必要があるでしょう。
 なにしろ、昔から「箱根の山は天下の険」だということを忘れてはならないと思うのです。
 それにしても、
 読売新聞グループ本社の内山斉社長が、棄権した選手たちが必死にたすきをつなごうとしたことに触れ、「根性に感動した」と賛辞を贈り、さらに黒のスーツにオレンジ色のシャツ、靴下という自らの装いを「巨人カラー」と説明し、「彼らのように挫折にめげず頑張れと巨人に言いたい」と笑いを誘った。
 などという記事を見ると、ここにも若者を食い物にする、マスコミ関係者の、「自分さえ酔えればいい」という、実にさもしい精神の荒廃を覚える。高校野球の朝日・毎日。これらも同罪である。
コメント
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