おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

吾妻(あがつま)線。その10。バンジージャンプ。青緑色の湖水。470の家屋がすべて更地に。「ダムとなる村に知人の家は無く・・・」。「八ッ場あしたの会」。

2024-09-19 20:15:01 | ローカル鉄道の旅

橋にはバンジージャンプ。

外国人観光客がチャレンジ中。

「八ッ場大橋」を振り返る。

ダム湖(八ッ場あがつま湖)。

                湖水は、鮮やかな青緑がかった色をしています。その理由は?

※かつて、吾妻川は酸性度が極めて強く、魚が住めない川だった。草津白根山や草津温泉の源泉が流れ込むためで、魚が住めないだけでなく、コンクリートなどの構造物もぼろぼろにしてしまった。そこで、1965年に中和を促進するための品木ダムが建設された。石灰乳液が投入された川が品木ダムに流れ込み、中和の過程でできた生成物がダム湖の底に沈む。品木ダムの人造湖(上州湯の湖(じょうしゅうゆのこ))が光の具合によってエメラルドグリーンに見えるのは、この沈殿物のため。品木ダムから流れ出た水は、吾妻川と合流し10kmほど南にある八ッ場あがつま湖に流れ込む。湖面の色が独特なのは、こうした理由から。

川原畑地区。

            右に「クラインガルテンやんば」。

川原畑地区地域振興施設『クラインガルテンやんば』について

 「クラインガルテン」とは、ドイツ語で「小さな庭」を意味し、19世紀後半以降、ドイツで誕生し、発展した都市近郊型の市民農園のことです。約100坪の敷地にラウベと呼ばれる小屋や菜園等を設けて有料で利用する仕組みで、レクリエーション、保養、緑地保全を兼ねた施設として人気があります。(「長野原町」HPより)

「八ッ場大橋」を望む。

対岸が新「川原湯温泉」地区。

ダムとなる村に 知人の家は無く 行き交ふダンプ 枯草ゆらす 義夫

470の家屋はすべて更地に

八ッ場ダムは、計画当初から地域住民の激しい反対運動に遭い、計画は難航した。なかでも地域のシンボル的存在だったのが、800年の歴史を誇る川原湯温泉だ。温泉街の中心地でもあった共同浴場・王湯は、新たな代替地の高台に移転した。しかし「温泉街」の風情はそこにはまったくない。

かつて川の両側には川原畑地区と川原湯地区の集落など計470世帯の家屋があったが、それらはすべて解体されて更地となってしまった。ダムの上流側には145号線の旧道、そして旧JR吾妻線の鉄橋が、わずかに人里の名残を留めているだけだ。鉄橋はそのままダムの底に沈むが、現在はまだ敷設されたままの枕木は水質保全のため、注水前には取り除かれる予定だという。

地元にカネは残らなかった

八ッ場ダム建設では水没地域の住民対策として、「現地再建方式」がとられた。用地を買い上げて別の地域に移転してもらうのではなく、コミュニティを保全できるよう、移転代替地をダム湖畔沿いの高台に建設。いわば村ごとスライドしてもらう方式だ。だが、この方式も上手くいったとは言いがたい。この地で4代にわたり農家を構え、以前はダム対策委員長を務めていた篠原茂氏が言う。

「結局、470世帯のうち代替地に移ったのは94世帯。国交省が俺らの土地を安くない値段で買い取ってくれたけど、その後、国が整備した代替地を買わなきゃいけない。その値段が高くて驚きました。なんでこんなに高いんだと聞いても、納得できる答えはもらえなかった。周囲にはダムのおかげで儲かったろうなんて陰口を叩かれたけど、本当にこの地に愛着があって残った人間には全然カネなんて残らなかった。こんな寒村の土地を売って市街地の家が買えるんだから、皆、そっちに行っちゃうのも仕方ありません」

篠原氏は、細々と続けていた農業をやめて、湖面2号橋・不動大橋のたもとに作られた道の駅『八ッ場ふるさと館』の駅長となった。ダムの進捗につれて来客も増え、農産物直売コーナーの売り上げは地元経済を潤している。

「ここの名物は、ダムを模した『八ッ場ダムカレー』。辛口です。国に翻弄された住民の気持ちも入ってるから(笑)」

(この項「FRIDAY DIGITAL」より)

ダム予定地。

       

旧「川原湯温泉駅」付近の遺跡発掘作業。

(以上、3枚の写真は、「」HPより)

※これらの写真は、すべて水没した地域。

この付近の今昔。

(現在)。左に「八ッ場大橋」。

(1970年代)。↓が旧川原湯温泉駅。


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