安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ボビー・ジャスパー TENOR AND FLUTE

2017-03-05 10:06:59 | テナー・サックス

ジャズ批評誌2017年3月号の特集は、「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2016」で、ジャズ・ライターなど65名が自らのベスト5を挙げ、その評価・感想を載せていました。2016年に購入したものの中から5枚が選ばれているので、古い録音も入っていて、どんなものを購入されているか興味が湧きます。中では、吉澤審一さんが挙げた5枚が面白く、「Bobby Jaspar Quintet」(Columbia)も入っていたので嬉しくなりました。ボビー・ジャスパーのアルバムを聴いてみます。

BOBBY JASPAR (ボビー・ジャスパー)
TENOR AND FLUTE (RIVERSIDE 1957年録音) 

   

ボビー・ジャスパー(1926~1963年)は、ベルギー出身のテナーサックス、フルート奏者で、フランス、アメリカで活躍しましたが、37歳の若さで亡くなりました。アメリカでは、J.J.ジョンソン(tb)のグループに加わっていて、「ダイアル J.J.5」などのアルバムでジャスパーの演奏を聴くことができます。

メンバーは、ボビー・ジャスパー(ts, fl)、ジョージ・ウォーリントン(p)、ウィルバー・リトル(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、3曲にアイドリース・シュリーマン(tp)が加わります。W・リトルとE・ジョーンズが参加しているのは、当時のJ.J.ジョンソングループの同僚だからでしょう。ウォーリントン(p)がピアノを弾くばかりでなく自作を提供します。

曲は、メンバーのオリジナルとスタンダード。ボビー・ジャスパー作「Seven Up」、アイドリース・シュリーマン作「Doublemint」、ジョージ・ウォーリントン作「Before Dawn」と「Sweet Blanche」、スタンダードの「My Old Flame」、「All Of You」で全6曲。ジャスパーは、「My Old Falme」と「Sweet Blanche」の2曲でフルートを吹いています。また、スタンダードの2曲と「Sweet Blanche」は、ジャスパーとリズム陣のカルテットで演奏されています。

レスター・ヤングやズート・シムズを髣髴とさせ、時としてソニー・ロリンズの影響もみられるジャスパーは、結構好きなミュージシャンです。「Seven Up」や「Doublemint」といったバップ色の強いオリジナルでは、ジャスパー(ts)は力強いプレイをしていますが、「All of You」では、暖かなサウンドでスインギーに歌っています。バラード「My Old Flame」における優し気なフルート演奏も忘れられません。リトル(b)とジョーンズ(ds)のメリハリをつけたリズムも効果的。

【ジャズ批評 2017年3月号】

   

それぞれの方が挙げたベストファイブによく登場して人気の高いのは、ジャズ批評誌の表紙にジャケットが掲載されているBill Evans / Some Other Timeでした。