ハイドン・フィルハーモニーが長野市で公演を行ったので聴いてきました。ハイドン・フィルは、ハンガリー出身の著名指揮者アダム・フィッシャーが設立した団体ですが、指揮者、団員とも世代交代しているようなので、どんな音が聴けるのか興味をもって会場に向かいました。
(出 演)
指揮、チェロ:二コラ・アルトシュテット
管弦楽:ハイドン・フィルハーモニー
(曲 目)
ハイドン / 交響曲第94番 ト長調 「驚愕」
ハイドン / チェロ協奏曲第1番 ハ長調
J.S.バッハ / 無伴奏チェロ組曲第1番より サラバンド、クーランド (アルトシュテットのアンコール曲)
<休憩>
モーツァルト / 交響曲第41番 ハ長調 k.551「ジュピター」
ハイドン / 交響曲第88番より第4楽章 (管弦楽団のアンコール曲)
ハイドン / 交響曲第92番「オックスフォード」より第4楽章(管弦楽団のアンコール曲)
(感 想)
ハイドンフィルは、30名ほどのオーケストラですが、コントラバスやチェロなどを除いて、立って演奏していました。指揮の二コラ・アルトシュテットは体をかなり動かし、ヴァイオリン奏者なども体を揺らすので、動きの激しい演奏風景で驚きましたが、若い奏者が多いのでしょう。
ハイドンの「驚愕」は、第2楽章の旋律と仕掛けが好きな曲ですが、第1楽章からテンポ速めの元気のいい演奏が続いたので、対比がよくわかり、面白く聴きました。この楽団の弦楽器の音は、硬い感じで、途中からいくらかよくなってきましたが、潤いがもう少しほしい気がしました。
最も良かったのは、ハイドンのチェロ協奏曲第1番です。のどかな感じもある曲ですが、二コラ・アルトシュテットの独奏は、結構ダイナミックでした。管弦楽とのバランスもよくて、旋律がよく聴き取れました。これはハ長調ですが、モーツァルト的な響きのする箇所もあり、後半は「ジュピター」なので、ちょうどいい前触れにもなっていました。
モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」は、若干疲れる演奏でした。指揮者、団体とも、元気がよくて引っ張っていく感じです。いくらか滑らかさや落ち着きがほしくなりました。
会場では、ブラボーの声がかかり、特にチェロ協奏曲では、たくさん聞こえました。会場で販売されていたアルトシュテットがチェロを演奏した何種類かのCDは、たくさん売れていました。特に女性に人気のようでした。