雑誌「BRUTUS」(マガジンハウス発行)の11月15日号は、『札幌の正解』と題して、札幌の街を特集しています。札幌のガイドですが、飲食店の案内を主に、アートや建築の紹介など細部にこだわった内容です。「札幌の深煎りコーヒー文化」や「札幌の街を、クラフトで巡る」という記事に興味を惹かれましたが、後者の記事の木彫りの熊の写真に、チャールス・ミンガスをイメージしました。
CHARLES MINGUS (チャールス・ミンガス)
MINGUS, MINGUS, MINGUS, MINGUS, MINGUS (Impulse 1963年録音)
チャールス・ミンガス(b, 1922~79年)の音楽については、やや前衛的でごった煮的な面白さがあるので、たまにですが聴きたくなります。タリーズなど街の喫茶店はもちろんジャズ喫茶やジャズバーでも、ミンガスの音楽を耳にすることは、昨今滅多にありません。「怒り」や「悲しみ」といった感情の吐露がストレートに出てくるので、今やそういった空間には馴染まないのかもしれません。
メンバーは、チャールス・ミンガス(b)、リチャード・ウィリアムス(tp)、ロルフ・エリクソン(tp)、ブリット・ウッドマン(tb)、ジェローム・リチャードソン(ss,ts,fl)、エリック・ドルフィー(as,fl)、チャーリー・マリア―ノ(as)、ブッカー・アーヴィン(ts)、ジャッキー・バイアード(p)、ウォルター・パーキンス(ds)、ダニー・リッチモンド(ds)など。11人編成による二つのセッションが収録されていて、それぞれでメンバーは異なります。
曲目は、「Ⅱ B. S.」、「Ⅳ Love」、「Celia」、「Mood Indigo」、「Better Get Hit in Yo' Soul」、「Theme For Lester Young」、「Hora Decubitus」の全7曲。デューク・エリントン作曲の「Mood Indigo」を除きミンガスが作曲したものです。「Ⅱ B.S」は「Haitian Fight Song」(ハイチャン・ファイト・ソング)であり、「Theme For Lester Young」は「Goodbye Pork Pie Hat」(グッドバイ・ポークパイハット)であるなど、曲名をオリジナルとは変えています。
ミンガスの代表的な作品が再演されているエキサイティングなアルバム。「Ⅱ B. S.」ではミンガスの力強いベースがうなりを上げ、集団的で熱狂的な演奏が繰り広げられ、「Mood Indigo」では、厚いアンサンブルをバックにミンガスがどっしりとしたソロをとっています。「Theme For Lester Young」は、ブッカー・アーヴィン(ts)をフューチャーしたバラードで、悲しみに溢れたこの曲を聴くと、レスター・ヤングへの追悼の想いが感じられます。アップテンポの「Hora Decubitus」では、エリック・ドルフィー(as)はじめ個性的なソロが面白い。
【BRUTUS 2018年11月15日号】
表紙
カレーのお店の紹介。
建築はいろいろな建物の紹介があります。
クラフト。木彫りの熊。
「札幌はなぜ深煎りなのか。」というコーヒーに関する記事。
バーの紹介の中に、ジャズ喫茶・バーの「JAMAICA」が出てきました。札幌へ行った際には必ず寄るお店です。
こちらは違う号で、福岡についてのガイドです。