水野美術館で横山大観の〈無我〉が展示されているというので、観に行ってきました。「四季を彩る」と題されて、横山大観や川合玉堂、伊東深水らの作品が展示されていましたが、その一つです。出展作品が充実していて、大観の〈無我〉や奥田元栄の〈秋渓淙々〉が特に目にとまり、じっくりと鑑賞しました。同様にじっくりと鑑賞したヴォーカル・アルバムです。
VALENTINA CASULA (ヴァレンティナ・カスラ)
THIS IS ALWAYS (PAN MUSIC 1995年録音)
秋も深まってきたので、伴奏にストリングスも入り、歌もしっとり系のものを聴いてみました。取り出したのは、チェット・ベイカーに捧げられたイタリアの歌手ヴァレンティナ・カスラ(vo)のアルバムです。本作は1995年の録音ですが、復刻されて輸入されたので入手したものです。
メンバーは、ヴァレンティナ・カスラ(vo)、Olivia Hutman(p)、Thoms Bramerie (b)、Fabrizio Sterra (ds)、Paolo Fresu (tp)、Nico Strazzullo (g)に、5人からなる弦楽器セクションが時に入ります。編曲は、ギターのNico Strazzulloが行っていますが、ストリングスにはドビュッシーやラヴェルを思い浮べる響きも聴かれます。
曲は有名スタンダード曲です。「I Remember You」、「My Funny Valentine」、「Time After Time」、「Like Someone In Love」、「I'm A Fool To Want You」、「My Foolish Heart」、「But Not For Me」、「This is Always」の8曲。イタリアでも人気がありそうなチェット・ベイカーのレパートリーから選曲されています。
ヴァレンティナ・カスラの唄はもちろん、伴奏、編曲ともによく出来たアルバム。カスラの声質は可憐なことに加え、ブルーな響きが入るところが魅力的です。アカペラやスキャットで歌っている個所もあって、余計にそんな感じを受けます。ミディアムから早いテンポの「I Remember You」や「But Not For Me」 などピアノやギターのソロも入りジャジーですが、バラード系が印象深く「I'm A Fool To Want You」や「My foolish Heart」が訴えかけてくるものがあります。
【水野美術館】
住所:長野県長野市若里6丁目2−20
電話:026-229-6333
ホームページ:mizuno-museum.com
「四季を彩る」展覧会のチラシ表。横山大観の「無我」も展示されていました。三作あるうちの一つだそうです。
「四季を彩る」展覧会のチラシ裏。真ん中左に掲載されている、奥田元栄作〈秋渓淙々〉は、色彩豊かな大作で、迫力あります。
門を入ったところ。
庭園の光景1
庭園2。
池には錦鯉
建物の中から庭園を撮りました。