ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会が、長野市の県民文化会館(ホクト文化ホール)で行われたので聴いてきました。毎年のニューイヤーコンサートは、テレビで観ていますが、本物を聴くのは初めてで、しかも、プログラムはブラームスの第2番という好きな曲をやってくれるので、当日を心待ちにしていました。
(出 演)
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
ピアノ:ラン・ラン
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(曲 目)
モーツァルト / オペラ「魔笛」 K.620 序曲
モーツァルト / ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
シューマン / トロイメライ (ラン・ランのアンコール曲)
<休憩>
ブラームス / 交響曲第2番 ニ長調 作品73
ヨハン・シュトラウスⅡ世 / ワルツ「南国のバラ」 (ウィーン・フィルのアンコール曲)
エドゥアルト・シュトラウスⅠ世 / ポルカ「テープは切れた」 (ウィーン・フィルのアンコール曲)
(感 想)
ブラームスの交響曲第2番の終了とともに「ブラボー」の嵐でした。僕の乏しいクラシックのライブ体験の中だけですが、トップクラスの演奏体験になりました。なんといっても、ウィーンフィルの弦楽セクションのサウンドが極上、華麗、豊麗といった言葉をいくつ重ねても重ねすぎないような響きで、深く魅了されました。
チェロなど低域の音色にしても明るめ、軽やかで、この曲にもぴったりでした。第1楽章のチェロとヴィオラが奏でる第2主題のところや、弦楽器と木管が主体の第3楽章全体など至福のひと時でした。また、指揮のウェルザー=メストの設定するテンポやダイナミクスも絶妙で、第4楽章のラスト(コーダ)では全楽器が咆哮し、ダイナミックさが表出されていました。
アンコールの2曲の活き活きとした表現力豊かな演奏にも感激しました。指揮者のウェルザー=メストは、オーストリアのリンツ出身ですから、いってみれば本物の「南国のバラ」とポルカを聴けたわけで、嬉しいプレゼントでした。「魔笛」の序曲も軽快で楽しい演奏でした。
モーツァルトのピアノ協奏曲を弾いたラン・ランについては、弱音など音の美しさが際立った落ち着いた演奏でした。ウィーン・フィルのサウンドとピアノの音のブレンドもよい感じでまとまっていました。個々の楽器では、全体を通して、オーボエの活躍が目立ち、ホルンも音色はよかったのですが、音の始まり方がもう一つで、ちょっとだけ気になりました。
もし機会があれば、また是非聴いてみたいオーケストラです。
【フランツ・ウェルザー=メスト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 「ニューイヤー・コンサート2013」】
この年のプログラムは、特徴があったので購入したものです。曲目について、例えばスッペの「軽騎兵序曲」が入っていたり、演奏の方も「美しき青きドナウ」など滅法いいので、気に入っています。