この4月から小林研一郎さんが群馬交響楽団のミュージック・アドバイザーに就任し、その就任披露演奏会(第574回定期演奏会)が群馬音楽センターであったので、高崎市に聴きに行ってきました。
(出 演)
指揮:小林研一郎
ピアノ:清水和音
管弦楽:群馬交響楽団
(曲 目)
ベートーヴェン / ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」
ショパン / ポロネーズ第6番 変イ長調 作品63 「英雄ポロネーズ」 (清水和音さんのアンコール曲)
<休憩>
ベートーヴェン / 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
(感 想)
小林研一郎さんの人気と就任披露という節目の演奏会であったためか、前売り券は完売で、会場は満席状態でした。それに応えて、演奏の方もボルテージが上がり、両曲ともダイナミックで、楽しませてくれました。
ピアノ協奏曲第5番を弾いたのは清水和音さんで、力強い響きを聴かせてくれました。第3楽章の主題部分など迫力があって、「皇帝」に相応しい演奏でした。ただ、第2楽章は、もう少しテンポゆったりめでロマンチックなところがあってもよかったのかもしれません。
清水さんはアンコールにショパンの「英雄ポロネーズ」を弾いてくれましたが、力感に溢れた見事な演奏で、思わず体に力が入りました。座席がピアノの右手の方で、よく音が飛んできたせいもあるのかもしれませんが、これだけピアノを響かせることのできる人はあまりいないように感じました。
交響曲第3番「英雄」では、小林研一郎さんは、暗譜で全身を使ったエネルギッシュな指揮ぶりでした。群馬交響楽団もこれに応えて、第2楽章「葬送行進曲」などでフルートやオーボエが素晴らしい演奏をしていました。弦もよいのですが、低弦の響きにもう少し量感がほしい気がしました。
拍手の中、小林研一郎さんは「指揮者デビューは、群馬交響楽団であった」ことを披瀝し、群馬交響楽団を是非これからもよろしくと呼びかけていました。こういったあたりも人気のある由縁だろうと思います。そして、第4楽章の最後の1分間を演奏して終演。
【群馬交響楽団ホームページ】
gunkyo.com
【自宅で聴いた「皇帝」のCD】
ベートーヴェンのピアノソナタ、協奏曲全集(CD12枚組)
フリードリッヒ・グルダ(p)、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。