Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

秘島めぐり(その2)

2006年03月14日 08時22分40秒 | Weblog
 インド人留学生のJさんは、ボンベイで弁護士をなさっているエリート。熱心に法廷傍聴等をなさっていた。インターン先のF事務所の先生方もみないい人ばかり。一切報酬のえられぬプロボノ活動だが、熱心に教えてくださる。
 …さて、ナン・ユアン島に持っていったのが、シェイクスピアのテンペスト(写真はデジタル書店・グーテンベルク社のもの)。小田島雄志先生訳のやつに加え原書も持っていったが、こちらの方はすぐに挫折。グーテンベルクの解説には、
”ミラノ大公の地位を追われ、娘とともに無人島に流れ着いたプロスペローは、修得した魔術を用いてあらしを起こし、自分を陥れた敵たちの船を難破させ、島にたどりつかせる。……だが最後には改悛した敵たちを許し、ともにミラノへと帰る。再生と和解のテーマを謳いあげたシェイクスピア最晩年の名作”
とある。一説によると、シェイクスピアは三大悲劇で人間のダーク・サイドを極めたあと、年齢的に衰えてきたこともあり、今度は反対にハッピー・エンドの芝居を書いたのだという。
 ところで、錯雑した文明生活に疲れ、時として人間不信に陥るバーディーは、自分をプロスペローのように感じるときがある。そういえば、秘島への旅も、無人島への逃避のようなものである。
 そんな私にとって、無人島で育ったためいままで父以外の人間を見たことのないプロスペローの娘ミランダが、父を陥れた宿敵とその息子(最後にミランダと結婚)を見て、

How many good creatures there about!
How beautious mankind is! O brave new world,
That has such people in't!
「なんてすばらしい!りっぱな人たちがこんなにおおぜい!人間がこうも美しいとは!ああ、すばらしい世界だわ、こういう人たちがいるとは!」

と感嘆する場面を読むことは、社会復帰のための欠かせない儀式となる。
  O brave new world!
 オー、ブラーブ ニュー ワールド!
                                              (つづく)
コメント
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