Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

サフィシエンシー・エコノミー

2006年03月28日 07時46分40秒 | Weblog
 昨日、「法務博士」の学位を得る。修了証書が予想よりも大きく立派なのに驚く。学位記授与式には、来賓としてタイのチュラロンコーン大学の学長がお見えになり、祝辞を述べられた。ご存知のように、チュラロンコーン大学は、タイの最高学府である。
 その祝辞の中で引用されたのが、プミポン国王(写真)の提唱する「サフィシエンシー・エコノミー(足るを知る経済)」である。(亜)熱帯の国タイでは、農作物・魚類がふんだんにとれることから、いわゆる絶対的貧困は存在しない。欲さえ出さなければ完全に自給自足できるのである。
「開発は地理的・社会的条件に合わせて行われなければならないということです。この開発には、現代技術と知識の適切な発展が求められるのみではなく、持続性の原則と天然資源の開発に基づいて行われなければなりません。」
環境保護や持続可能な経済発展のためには、むしろ、経済成長のスピードを抑制することが望ましい。 
 このような南国の思想に抗うのは、北方民族のアングロサクソン人たちである。彼らは決して「足る」ことを知らない。コロンビア大の級友たちも、多くはめいいっぱい借金して、しかも、倹約生活を送るでもなく、結構ぜいたくな暮らしをしている。これではアメリカの個人消費が好調に持続するのも当然である。こんなライフスタイルが可能なのは、アメリカが資源に富む国であり、何よりも軍事力を背景に世界経済を支配しているからである。
 資源も軍事力も乏しい日本は、アメリカの真似をしてはならないと思うのだが、現実はその逆に向かっている。バブルの教訓にもかかわらず。
コメント
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