ある「生産性」

PINEさんのブログの最新記事より：
「未納３兄弟」の再来か!?
　菅氏は、愛知県知事選が告示された１月１８日に名古屋市東区で演説を行い、「愛知も東京も経済がいい。生産性が高いといわれるが、ある生産性は、一、二を争うぐらい低い。子どもを産む生産性が最も低い」（１月１９日付「朝日」名古屋地方版）と述べたという。この発言は、子どもを産む崇高な行為を経済的な生産と同列視したもので、菅氏もまた、女性を“子どもを産む機械”のように認識していることをはしなくも露呈している。

　出産を「子どもを生む崇高な行為」と言うが、この国では、人工妊娠中絶が盛んに行われているのである（厚生労働省発表では年間２９万件だが、私立病院当での施術を含めれば、実際はその２～４倍にのぼるという説もある）。女性を「機械」に例えるだけでなく、胎児を「モノ」として扱っているわけである。
　与党も野党も、そろそろ偽善はやめにした方がいいのではないか。さもなければ、アメリカのカトリック教徒のように、人工妊娠中絶は違法だと主張したらどうだろう。

数字でものをみる習性

　アメリカで行政学を専攻していた時、ある学生が、教授に対し、
「この講義では、市民の顔が全く見えない」
と不満を述べたことがある。実際、やっていることといえば、行政に対する市民の意識をデータ化したものの分析や、市長等に提出する政策提言のためのメモ作成などであった。
　今般の厚生労働大臣の相次ぐ失言は、彼が財務官僚であったという点に大きな原因があると思われる。彼には、長い官僚人生の中で、人間を生身の人間としてではなく、「数値」「データ」として見る習性がこびりついているのかもしれない。決して悪い人ではないと思うのだが・・・。