はじめての構造主義(橋爪大三郎)と寝ながら学べる構造主義(内田樹)
前者がレヴィ・ストロースを中心に論じたものであるのに対し、後者はひととおり主要な人物に触れて説明しているという違いがあるが、私は前者に軍配を上げる。
最大の理由は、前者には、「構造主義とは一体何なのか?」と言う素人的な問いに対する一応の答えがあるのに対し、後者はそうではないからだ。また、これは内田さんの特徴なのだが、いろいろと比喩を使うためにかえって本題から脱線してしまうという問題点が指摘される。比喩を使う瞬間に、(例えば)ソシュールが本当に言いたかったことを別の物事に変換してしまい、意味内容が微妙にずれてしまうことに対する警戒心が希薄である。
後者は、「構造主義を語る内田樹さんという人間」という題名の本だと思った方がいいのかもしれない。
前者がレヴィ・ストロースを中心に論じたものであるのに対し、後者はひととおり主要な人物に触れて説明しているという違いがあるが、私は前者に軍配を上げる。
最大の理由は、前者には、「構造主義とは一体何なのか?」と言う素人的な問いに対する一応の答えがあるのに対し、後者はそうではないからだ。また、これは内田さんの特徴なのだが、いろいろと比喩を使うためにかえって本題から脱線してしまうという問題点が指摘される。比喩を使う瞬間に、(例えば)ソシュールが本当に言いたかったことを別の物事に変換してしまい、意味内容が微妙にずれてしまうことに対する警戒心が希薄である。
後者は、「構造主義を語る内田樹さんという人間」という題名の本だと思った方がいいのかもしれない。