森鴎外の「ヰタ・セクスアリス」を再読すると、作者がいろいろな「ウソ」を取り混ぜて語っていることが分かる(とはいっても、小説なのだから基本的に「ウソ」の話なのだが・・・。)。
まず、主人公の金井が最初の妻に「亡くなられて」とある点である。実際には、鴎外は最初の妻である赤松登志子に対し三行半を突き付けている。一説によると、登志子から肺結核をうつされたことが理由と言う。
次に、「僕は卒業したときの席順がいい」ので官費で洋行できそうだとあるが、実際の席順は8番である。これも、試験答案で教授の説を批判したために主席を失ったという指摘がある。
この2点からすると、鴎外には、自身を少し飾る傾向があると言えそうである。
まず、主人公の金井が最初の妻に「亡くなられて」とある点である。実際には、鴎外は最初の妻である赤松登志子に対し三行半を突き付けている。一説によると、登志子から肺結核をうつされたことが理由と言う。
次に、「僕は卒業したときの席順がいい」ので官費で洋行できそうだとあるが、実際の席順は8番である。これも、試験答案で教授の説を批判したために主席を失ったという指摘がある。
この2点からすると、鴎外には、自身を少し飾る傾向があると言えそうである。