転勤地獄

アメリカではなぜ人事異動が難しいのか
　瀬木裁判官は、事務総局が裁判官を統制する仕組みの一つに、全国転勤制度を挙げる。官僚組織に限らず、日本の企業は、全国転勤制度を採用しているところが多いが、これは、国際的にみると不思議な現象と思われる。
　アメリカでは、「辞令一本」による異動は、軍隊か官僚組織くらいしか見られないという。その理由は上のサイトで述べられているが、ここで興味深いのは、「軍隊か官僚組織」というフレーズである。
　日本の官僚組織が軍隊をモデルとしていることは、「官房」などという言葉からも明らかで、全国転勤システムも軍隊と変わらない。そして、おそらく大企業（金融機関など）は、官僚組織を真似て自らの組織を構築したのではないだろうか。つまり、日本では、軍隊的組織構造が一般企業の中にも浸透しているのである。