スウェーデンにはなぜ「寝たきり老人」がいないのか
「現在の日本の病院では、死ぬ間際まで点滴やカテーテルを使った静脈栄養を行う延命措置が一般的。たとえベッドの上でチューブだらけになって、身動きが取れなくなっても、できるだけ長く生きてほしいという考えが支配的だからだ。
しかし、そのような日本の現状を聞いた冒頭のヨハンソンさんはこう語る。
『スウェーデンでも'80年代までは無理な延命治療が行われていましたが、徐々に死に方に対する国民の意識が変わってきたのです。長期間の延命治療は本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけだと気付いたのです。日本のような先進国で、いまだに無理な延命が行われているとは正直、驚きました』」
日本でも、戦前の価値観では、おそらく現在のような延命治療は行われないだろう。
「チューブだらけ」の延命治療の背後には、戦後の極端な生命尊重主義と、健康保険制度の問題がある。
今は、「本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけ」などという発言自体が許されないような空気があり、スウェーデンに追いつくまでに健康保険制度が破綻しそうである。
「現在の日本の病院では、死ぬ間際まで点滴やカテーテルを使った静脈栄養を行う延命措置が一般的。たとえベッドの上でチューブだらけになって、身動きが取れなくなっても、できるだけ長く生きてほしいという考えが支配的だからだ。
しかし、そのような日本の現状を聞いた冒頭のヨハンソンさんはこう語る。
『スウェーデンでも'80年代までは無理な延命治療が行われていましたが、徐々に死に方に対する国民の意識が変わってきたのです。長期間の延命治療は本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけだと気付いたのです。日本のような先進国で、いまだに無理な延命が行われているとは正直、驚きました』」
日本でも、戦前の価値観では、おそらく現在のような延命治療は行われないだろう。
「チューブだらけ」の延命治療の背後には、戦後の極端な生命尊重主義と、健康保険制度の問題がある。
今は、「本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけ」などという発言自体が許されないような空気があり、スウェーデンに追いつくまでに健康保険制度が破綻しそうである。