評判の悪い制度

企業の守秘義務より優先？　年17万件の情報収集の仕組み「弁護士会照会」
　「弁護士が、証拠や資料の収集などに活用する「弁護士会照会制度」。この制度をめぐり、愛知県弁護士会が、回答を拒否した日本郵便を訴えていた裁判の差し戻し控訴審判決が6月30日にあった。名古屋高裁は、日本郵便の守秘義務よりも、照会への回答義務が上回ると判断し、弁護士会が勝訴した。」

　先日、弁護士会の研修で、早稲田大学ロースクールの山野目章夫先生が、「世間に一般での『弁護士会照会』というものに対する評判は悪いんです」と断言していたので驚いた。確かに、警察や税務署から照会を受けるような立場になれば、いい気はしないだろう。
　だが、この制度がないと仕事にならないという事案も多い。
　例えば、配偶者の携帯にかかってきた不倫相手の電話番号から契約者名等の情報を入手できなければ、訴訟を提起することができない。
　世間一般の「評判」をよくするような活動や運用が望まれる。