Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

リウとニュウ、あるいは「コンサートは生きている」

2024年10月22日 06時30分00秒 | Weblog
 先日のユンディ・リもそうだが、今月は中国系のピアニストの来日が多い印象である。
(1)ブルース・リウ
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」変ホ長調 Op.73 [ピアノ]ブルース・リウ
・マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
<ソリスト・アンコール曲>
・ショパン:幻想即興曲

 リウの「皇帝」はごくオーソドックスな解釈のようで、先日の反田恭平さんと大きく違わないが、3楽章のカデンツァに一部オリジナルの箇所があったように感じた。
 この日のパフォーマンスはイマイチだったらしく、「幻想即興曲」ではビックリするようなミスタッチがあったようだ(ブルース・リウ、アルティノグル指揮フランクフルト放送交響楽団来日公演 | クラシックなまいにち) 。
 とはいえ、終演後にスタンディング・オベーションとプレゼントの手渡しがあった。
 年齢を問わず女性のファンが多い印象である。
 さて、後半はマーラーの5番。
 「フランクフルト放送響のマーラー」と言えば、私にとっては「貧困トラウマ体験」を呼び覚ますワードである。
 中三のころ、コンサート(インバルの指揮)に行く予定だったのが、親の反対で行けなかったのである。
 十八番のはずのマーラーの5番だが、トランペットとホルン(?)に結構目立つミスがあり、やや残念な印象だが、ハープは素晴らしい音色を奏でていた。

(2)ニュウニュウ
ロッシーニ/リスト:《ウィリアム・テル》序曲 S.552より フィナーレ【PLEASURE】
ベートーヴェン:ロンド・ア・カプリッチョ 作品129《失われた小銭への怒り》【ANGER】
ニュウニュウ:即興曲 第2番 "Miss" 【SORROW】
ガーシュウィン/ワイルド:エチュード 第4番《君を抱いて》【JOY】
ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57【BIRTH】
J.S.バッハ/A.ジロティ:前奏曲 第10番 ロ短調 BWV855a【AGING】
坂本龍一:Energy Flow【SICKNESS】☆
ラヴランド/ニュウニュウ:ソング・フロム・ア・シークレット・ガーデン【DEATH】 ☆
チェン・ガン&ヘ・チャンハオ:バタフライ・ラヴァーズ・コンチェルトより第1楽章【LOVE】
スクリャービン:12のエチュード 作品8より 第12番 嬰ニ短調《悲愴》【HATE】
ラフマニノフ/ニュウニュウ :パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 より 第18変奏 【ROMANCE】
プロコフィエフ:4つの小品 作品4より 第4曲:悪魔的暗示【ENMITY】
シューベルト/リスト:セレナーデ S.560: No.7(「白鳥の歌」D.957より)【PATHOS】
サティ:ピカデリー【DELIGHT】
グルック/ G.ズガンバーティ:歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》より 「精霊の踊り」【SEPARATION】
プッチーニ/ F.シャープ :歌劇《トゥーランドット》より 「誰も寝てはならぬ」【UNION】
ニュウニュウ:即興曲 第1番 "Hope" 【HOPE】
ベートーヴェン / リスト:交響曲 第5番 ハ短調 作品67《運命》第1楽章【FATE】
☆ゲスト:Cocomi
<アンコール曲> アメージング・グレイス

 「人生の旅」(Lifetime)というテーマで選曲されているが、見ての通り盛りだくさんの内容。
 しかも、それぞれの曲について、ピアニスト自身が日本語で解説してくれるという大サービスである。
 テクニックも表現力も素晴らしいが、客席で聞えて来たのは「弾きっぷりが良い」という声。
 終演後のスタンディング・オベーションは、中年の女性が大半であった。
 リウとニュウはタイプが全く違うピアニストなので、比較するのは無理な話であるが、今回のパフォーマンスをとってみれば、ニュウの方が良かったように思う。
 もっとも、これはコンサートが「生き物」だからこそ起きることなのだ。
 そういえば、先日のユンディ・リは、ミスタッチも結構あったが、全体としては力強い弾きぶりだった。
 なので、これは肯定的に受け止めるべきだと考える。
コメント
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