Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

10月のポトラッチ・カウント(1)

2024年10月24日 06時30分00秒 | Weblog
 「東京バレエ団創立60周年シリーズ後半のトップに登場するのは、東京バレエ団の名前を世界で不動のものにした最大の功労作「ザ・カブキ」です。
 20世紀の巨匠振付家モーリス・ベジャールが歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』をもとに東京バレエ団のために創作した「ザ・カブキ」は、現代の青年が “忠臣蔵”の世界に迷い込み、サムライ“由良之助”となって主君の仇討ちを果たすまでを描く物語。歌舞伎と武士道 ──日本が世界に誇る伝統芸能と精神文化が、西欧のバレエという手法で絶妙に表現され、1986年の初演以来、パリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座など著名歌劇場を筆頭に、世界15か国28都市で206回上演され喝采を浴びてきました。

 日本通のベジャールが歌舞伎をバレエ化するに際して選んだのが何と「仮名手本忠臣蔵」。
 ”シューイチ”がこれを知ったならば、
 「よりによって、日本社会の暗部を代表する演目を選ぶなんて!
と激怒するかもしれない(5月のポトラッチ・カウント(2))。
 その点を抜きにすれば、ダンスの方は見どころ満載である。
 一番感動したのは、1幕6場ラストでの由良之助のソロ。
 現代の東京から江戸時代にタイムスリップした(?)彼が、四十七士と共に主君判官の仇討を決意するシーンのダンスである。
 この7分余りの、一人で踊るヴァリエーションは、由良之助役のダンサーにとって最大の難所らしい。
 言うまでもないが、7分以上踊り続けるだけの体力と気力が必須であり、限界を超えてしまうと大変なことになる。
 例えば、これまた長い「ロミオとジュリエット」第1幕の「バルコニーのパ・ド・ドゥ」では、限界に超えたロミオ役のダンサーが、ピアノの裏でゲロを吐いたという話を聞いたことがある。 
 こういう見せ場は、実は危険と背中合わせなのである。
 ・・・さて、この演目では、普段は出番が少なくてくすぶっていることが多いらしい”東バ男子コール・ド”が大活躍する。
 但し、47人そろえるのは難しかったのだろうか、私が数えた限り、討ち入りした後切腹したのは、由良之助のほか41人だった。
 というわけで、「ザ・カブキ」では由良之助+41人の義士が仇討の代償として切腹したので、ポトラッチ・ポイントは、(一人の命を5.0ポイントとする前提で)5.0×42=210。

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