Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

先輩、後輩?

2025年02月21日 06時30分00秒 | Weblog
ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 op.52 
ショパン:幻想ポロネーズ op.61 
ショパン: モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調 op.2 
リスト:バラード 第2番 ロ短調 S.171 
シューベルト/リスト:魔王 S.558, No. 4 
リスト:巡礼の年 第2年 「イタリア」より ペトラルカのソネット 第104番 
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想 S.418
<アンコール曲>
シューベルト(リスト編):水に寄せて歌うS.558
ショパン:マズルカ イ短調op.17-4
シューマン(リスト編):春の夜op.39-12/S.568

 19歳の俊英によるショパン・リストのコンサート。
 曲目が2年前のブルース・リウのコンサート(リーとリウ)とややかぶっているので、同じ中国系カナダ人であるリウに敬意を表しているのかと思いきや、ピアノの師匠等の共通点は見当たらない。
 どうやら、先輩、後輩の関係にはないようだ。
 ケヴィンは、見た目が藤井聡太氏に似ており、それだけで日本の聴衆は”大物”と見なしてしまう。
 さて、バラード4番はおおむね「無難」といった印象で、幻想ポロネーズのラストも和音が割れることなくフィニッシュを決めたが、やや盛り上がりに欠けた感がある。
 前半最後の「お手をどうぞ」はのびのびと楽しそうに弾いており、これはリウのパフォーマンスを上回っていると感じる。
 リストのバラード2番は、超絶技巧を見せびらかすところが私の好みでなく、「魔王」はテンポが速すぎて一本調子の印象(この曲については牛田智大さんの方が上手いと思う)。1
 ところが、である。
 次の「ペトラルカのソネット」ではガラッと雰囲気が変わり、大人の世界に引き込む。
 パンフレットには、
 「当時ピアニストとして絶大な人気を誇っていたリストと不倫関係にあったマリー・ダグー伯爵夫人とイタリアに滞在したときの印象を基に作曲された。マリー・ダグーもダニエル・ステルンというペンネームで作家として活躍しており、大物不倫カップルとして当時のパリをにぎわせていた。
とあり、アダルトな雰囲気が漂う曲想である。
 「ドン・ジョヴァンニの回想」の終盤では、”ピアノが猛獣のように暴れる”現象が出現し、スタンディング・オベーションの嵐が起る。
 私見では、この曲も、2年前のリウのパフォーマンスを超えていたと思う。
 ・・・というわけで、秋に開催されるショパン・コンクールでは、この人が優勝する可能性があると思う。
 
 

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