ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111
ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ3曲を一夜で演奏するというリサイタル。
31番と32番を続けて聴いたことはあるが(承継すること、しないこと)、3曲となるとさすがに私も初めてである。
それぞれ曲想がまるっきり違うし、素人目で見ても31と32は持続的なパワーを要するようなので、終演後の桑原さんは、
「予想していたより30倍もエネルギーを使ってしまいました」
とおっしゃっていた。
桑原さんが指摘する通り、この3曲はピアニストにとっての「最高峰」ということなのだろう。
もっとも、単体でいくと、私見では29番の「ハンマー・クラヴィーア」が
最高峰だと思うので、30~32は「連峰」という扱いにしたい。